多重危機を乗り越え、次の社会へ
「権利としての食料」実現に向けて
愛知学院大学経済学部教授 関根 佳恵
1 対症療法より
全身治療を
自国第一主義の台頭、コロナ禍、ロシアとウクライナの戦争等により、グローバル化は逆回転を始めたと言われる。現行の食料・農業・農村基本法のもとになる新政策が発表された1992年から、国際情勢は確かに変化した。食料安全保障、農村の過疎化、気候変動、生物多様性の喪失、および食品安全の問題等への対応も急がれる。
愛知学院大学経済学部教授 関根 佳恵
自国第一主義の台頭、コロナ禍、ロシアとウクライナの戦争等により、グローバル化は逆回転を始めたと言われる。現行の食料・農業・農村基本法のもとになる新政策が発表された1992年から、国際情勢は確かに変化した。食料安全保障、農村の過疎化、気候変動、生物多様性の喪失、および食品安全の問題等への対応も急がれる。
「福島円卓会議」呼びかけ人・前全国農業協同組合中央会(JA全中)副会長 菅野孝志さん
岸田首相は国防費に43兆円出すと言っているけど、何に使うかというと武器を買う。そうじゃないだろう。本当の国防というのは国民の命を守ること。離島でサトウキビを作る島民がいることも国防で、問題の全てではないかもしれないが、尖閣では人がいなくなったことによって領有権が問題になっている。この問題は周恩来さんと田中角栄さんが「お互いに難しいことは将来に残しましょう」と日中国交正常化時に棚上げにしたわけだけど。
『日本の進路』編集長 山本 正治
バイデン米大統領は、台湾「総統」選挙での民進党頼清徳候補勝利について問われて「われわれは台湾独立を支持しない」とだけ述べたという。一線を守ったということだろう。
それと比べてもわが国上川陽子外務大臣は、「頼氏の当選に祝意」を表し、「台湾は基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで、大切な友人だ」「日台間の協力と交流の更なる深化を図っていく」とわざわざ述べた。「台湾独立を支援していく」と言っているようなものだ。
こんなことをしていては衰退する米国の「台湾有事」策動に引き寄せられ、日本はアジアの孤児に再びなりかねない。
日中国交正常化以来、確認されてきた「台湾は中国の不可分の一部」の原則をキチンと確認し、両国の平和友好、協力関係発展を実現しなくてはならない。
沖縄社会大衆党委員長・参議院議員 髙良 鉄美
2024年の年明けは能登半島地震から始まりました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々にお見舞い申し上げます。
夥しい数の家屋の倒壊や道路の寸断、大規模な火事の発生を含む震災の映像に、信じられない、間違いであってほしいとの願いと、13年前の東日本大震災の光景とが脳裏で交差した方も多かったのではないかと思います。
伊波洋一参議院議員を団長とする「沖縄平和友好訪中団」が昨年12月25~30日、「華語シンクタンク」の招聘で中国・北京を訪れた。シンポジウム「沖縄の平和と発展」に参加の他、中日友好協会(程永華副会長)、中国国際交流協会(劉洪才副会長)などと交流した。また、駐中国日本大使館を訪問し新任の金杉憲治大使などと意見交換した。団は2月12日、沖縄県青年会館で報告会を開催する。
参議院議員 伊波 洋一
沖縄から戦争に反対し平和を求める声を中国の人々に届けるために「広範な国民連合」の協力を得て2023年12月25日~30日に「沖縄平和友好訪中団」(6人)で中国の首都・北京市を訪問し、関係団体との平和友好交流を行うことができた。お世話になった中国の関係方面の方がたに感謝申し上げます。
東アジア共同体研究所所長・元外務省情報局長 孫崎 享
(1)「外交問題評議会(CFR)」が考える危機
米国の各種研究機関で最も権威があるCFRは「24年に注目すべき紛争;予防上の優先事項に関する調査結果」を発表した。CFRの年次予防優先事項調査(PPS)は、その16年の歴史で初めて、「外交政策の専門家にとっての最大の懸念は、米国の国益に対する外国の脅威ではなく、国内の脅威の可能性である」とした。
ここで幾つかの分類を行ったが主要なものは次のとおりである。
沖縄県議会議員・広範な国民連合全国世話人 山内 末子
米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡り「辺野古が唯一」の文句で移設を強行し続ける政府。
軟弱地盤が見つかり、地盤改良工事のための設計変更申請では必要な調査が実施されず地盤の安定性が十分に検討されていない――などを理由に沖縄県は変更申請を不承認とした。ところが防衛省は「私人」になりすまし国土交通省へ不服申し立て申請を行った。それからの国と沖縄県の法廷闘争についてはご承知のことと思う。
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『日本の進路』編集部
1月1日、BRICSはサウジアラビア、イランなど5カ国を新メンバーに迎え10カ国となった。他方、米国に支えられたイスラエルのジェノサイド攻撃に対するパレスチナやイエメンなど中東・アラブ人民の闘争は発展する。
新年早々、世界構造が激変したことが印象づけられた。もはや米国を頂点とする「先進」資本主義大国・帝国主義が支配する世界は過去のものである。
東京朝鮮人強制連行真相調査団代表 西澤 清
日本の朝鮮侵略の野望は、豊臣秀吉の「壬申の侵略」(1592年)、「慶長の侵略」(1597年)までさかのぼる。侵略の目的は朝鮮の植民地化と明の征服であり、朝鮮本土の住民虐殺、西国大名による良質な労働力収奪=陶工・奴婢の拉致などは、現在と同じ構造である。
徳川幕府は、断絶していた李氏朝鮮との国交を回復すべく日本側から打診し、対馬藩を窓口として交易は開かれ、全行程に約1年を要した朝鮮通信使が12回も来ている。江戸時代に友好関係は維持されていたのだ。
元東京教組委員長、広範な国民連合・東京世話人 谷口 滋
侵略と植民地主義によって差別が生まれることは周知のことですが、日本の植民地支配は、アイヌモシリ(北海道)に始まり、琉球、朝鮮、台湾に及びました。
アイヌ民族に対して明治政府は、土地(アイヌモシリ)を奪い、生活の糧であったサケや鹿などの狩猟を奪い、名前や言語を含む文化を奪って、日本人への徹底した同化を迫りました。これらの侵略と植民地支配によって、アイヌ民族を蔑む差別を蔓延させたことは言うまでもありません。この植民地支配と同化政策は、琉球、朝鮮、台湾にも引き継がれました。
アイヌ民族に限らず、琉球、朝鮮、中国への差別、偏見、敵対は日本の植民地支配と同化政策を歴史的事実として反省し、克服できていないことに起因すると思います。
元駐中国、インド大使 谷野 作太郎
(1)次に、これも現役時代、縁を得たインドのことについて少しお話ししたいと思います。私は1995年から98年まで、駐インド大使の任をいただきました。私も家内もすっかりインドにはまってしまいました。暑い? 確かにそうですが、日本と違って湿度はそれほど高くない。40度を超える暑さの中でも水筒をぶら下げながら、インドの友人たちとゴルフに興じたものです。
東京大学大学院教授 鈴木 宣弘
ロシアがウクライナの穀物積み出し港の攻撃を7月に再開し、インドは世界の輸出の4割を占めるコメの輸出の多くを7月から停止した。紛争に備えて中国は人口14億人が1年半食べられるだけの穀物を備蓄するために買い占めているという(一方、日本の穀物備蓄能力は1・5~2カ月だ。この点でもまったく危機への備えに雲泥の差がある)。さらに、イスラエル・パレスチナ紛争も勃発した。国際情勢はさらに悪化している。
いちのたんぼの会代表 樋口 茂敏(福岡県大牟田市)
福岡県大牟田市の市民団体「いちのたんぼの会」は結成から20年を迎え、8月下旬に「20周年を祝う会」を開催しました。当日は、大牟田市長、市議会議員、市農業委員会会長、グリーンコープ生協支部理事長などの来賓を含めて40名近くが参加し、20年の軌跡を振り返り、今後の課題を確認し合いました。編集部のご厚意により、この間の私たちの取り組みの一端を報告させていただきます。