ロシアは即時撤兵せよ 米国は火に油を注ぐ武器支援をやめろ

日本は即時停戦のため、中印はじめアジア諸国と共に動け

 

本誌編集長 山本 正治

 ロシアの軍事侵攻から早くも2カ月が過ぎた。ウクライナの国家主権と領土一体性を乱暴に破壊し、何よりも毎日多くの国民が命を落とし傷つき、日常を奪われ、祖国を後に難民となっている。プーチン政権の蛮行はいかなる意味でも許されない。
 わが国は、停戦と紛争の平和解決のために力を注ぐべきだ。

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スーパーの売り場で見えた生活苦

 

埼玉県・食料品スーパー勤務 津村 隆史

 昨年後半より毎月のようにガソリン価格は高騰、生活費に響いていたが、さらに今年1月から国民生活に大きな影響を及ぼす食品や必需品である日用雑貨も値上げに次ぐ値上げで、家計を直撃しています。1月はパン類が9%、2月は冷凍食品が、3月には紙製品15%、さらにマヨネーズ、サラダ油、ケチャップ、しょうゆ等の値上げが続き、上がらないものがないほど目白押しです。
 このような状況では値上げ前のまとめ買いも限界があり、以前より特売商品や値下げ品を求める人が明らかに増えていると、食品スーパー勤務の仕事柄、実感させられる毎日です。

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食料・燃料価格高騰

文字通り命の危機 打開は喫緊の最重要課題

 

『日本の進路』編集部

 

 物価高騰が国民生活を直撃している。
 全国消費者物価の先行指標、東京都区部3月中旬速報値では2月と比べてわずか1カ月で、都市ガスが4・4%、電気代3・4%など上昇幅が急拡大。食料品全体も2月は前年比2・8%増、とくに生鮮食料品は10・1%増。3月以後、とくに4月は値上げラッシュだ。
 ロシア・ウクライナ戦争での資源・食料価格高騰、経済制裁と3月米国の利上げを引き金にした円安急加速などで輸入コストは増大、物価がさらに押し上げられる。政府小麦の売り渡し価格の大幅な引き上げで、すでに食パン(2月、前年比+8・2%)などが大幅値上がりだが、小麦の世界輸出の3割をロシア、ウクライナで占め、9月の売り渡し価格大幅引き上げは避けられない。
 この物価高騰が続いたら国民生活は破綻だ。とりわけ、所得が少ない世帯は生活必需品の支出ウェイトが大きく、すでに大きな打撃を受けている。

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カジノ住民投票請求の署名運動で、憲法を活かす市民自治の場を作る

 

イエール大学学生 西尾慧吾

大阪では、大阪湾を有害物質を含む産業廃棄物で埋め立てて夢洲という人工島を造り、そこにカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する計画が強行されている。3月25日、その是非を問う住民投票請求の署名運動が始まった。

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外国人実習生等の人権問題

ウィシュマさんの死が問いかけるもの

 

弁護士 指宿昭一さんに聞く

 

昨年3月6日、スリランカ出身のウィシュマさんが、名古屋出入国在留管理局の収容施設で亡くなって1年が経過した。外国人実習生等の人権問題に献身的に取り組む指宿昭一弁護士に聞いた。2月19日談に3月に補足してもらった。(見出しとも文責編集部)

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[全国水平社創立100周年]記念集会 3月3日、京都市岡崎

部落解放・人間解放にむけた闘いのいっそうの強化を誓う

解放新聞社提供

 

 

 

 

 部落解放同盟中央本部は全国水平社創立から100周年を迎えた3月3日、創立大会が開かれた京都市岡崎のロームシアター京都(京都会館)で全国水平社創立100周年記念集会を開催した。約1000人参加の、新型コロナウイルス感染症の影響で規模を縮小しての開催となったが、厳しい部落差別と闘った先人の苦闘を受け継ぎ、部落解放にむけた広範な闘いを前進させることを確認した。

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僕のアイデンティティーは石垣人~アジア人

ミサイル基地ではなく民間外交で平和を模索する

 

石垣市議会議員 花谷史郎さん

 

 

台湾有事を想定した自衛隊ミサイル基地建設が進む石垣島で、農業を営み基地建設に反対し平和な島を守る先頭に立っている石垣市議会議員・花谷史郎さんに話を聞いた。(見出しとも文責編集部)

 

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2022年2月22日22時22分 東アジアの不戦を

私たちは何を目指しているのか

 

東アジア不戦推進機構 代表 西原春夫

 

 

 私たちは77年前、1945年に太平洋戦争、第二次世界大戦に敗れ去った日本の、戦争の時代を直接体験したいわば最後の世代に属する者です。

 他国に巨大な損害を与え、自らも大きく傷ついたあの戦争がいかに悲惨なものであったか、いかに愚劣なものであったかを身にしみて感じている者です。戦争は理由のいかんを問わず絶対にしてはならない、そう考えて生きてきました。

 そういう私たちから見て、最近の国際情勢の中に大国同士の戦争の危険が含まれていることに大きな危惧の念を抱くようになりました。そのようなとき、「戦争はいけない」と世界に向かって声を上げるのは、戦争の何たるかを知り尽くしている私たち世代の責務ではないかとさえ考えるに至ったのです。それは2019年初夏のころでした。

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2022年2月22日22時22分 東アジアの不戦を

『不戦宣言』呼びかけ人 日本外国特派員協会で記者発表

 

 

 「東アジア不戦宣言」の呼びかけ人たちによる記者会見が、2022年2月22日午後2時から、日本外国特派員協会(FCCJ)において開催された。会見には、西原春夫(1928年3月13日生)東アジア不戦推進機構代表・元早稲田大学総長、明石康(1931年1月19日生)元国際連合事務次長、谷口誠(1930年3月31日生)元国連大使・元OECD事務次長のほか、この運動に共鳴する方々が出席した。

記者会見する西原春夫代表(中央)、明石康 FCCJ提供動画から (https://www.youtube.com/watch?v=gYEgoZunh2I&t=147s)

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[シンポジウム 台湾有事を避けるために]   事務局長

シンポジウムを終えて

 

広範な国民連合事務局長 山本 正治 

 ロシアはウクライナ全土に軍事侵攻した。アメリカによる世界支配秩序の時代は終わり、「多極化」の世界が公然と現れた。「ウクライナは明日の東アジア」「台湾有事、日本有事」「核共有」までもが語られる。こうした中でのシンポジウムとなった。
 各氏のご発言は当然にもこの問題からだった。ウクライナの国家主権と領土の一体性への乱暴な侵害・破壊、殺戮行為は許されず、即刻の停戦とロシア軍の撤退を求めるとともに、東アジアでの戦争を避ける、台湾有事にしてはならないことは共通の認識だった。

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[シンポジウム 台湾有事を避けるために]会場からの発言 新垣 邦男

「台湾有事」「中国脅威」  
  地方と乖離した国会の異常さ

衆議院議員 新垣 邦男さん

 

 衆議院議員の新垣です。今日は本当に勉強させていただきました。私は昨年の総選挙で初めて当選し、国会に来ました。
 国会に来て非常にびっくりしたことは、なぜか、国会の中では台湾有事や対中国の安全保障では沖縄が非常に重要な場所だという発言がたびたびあるんですね。ちょっと待ってください、そうなると先ほど伊波先生が言われたように、沖縄は戦争に巻き込まれるんですかと問い返したい。
 沖縄はずっと米軍の事件や事故に悩まされている。しかし、戦争になるという認識はこれまではほとんどありませんでした。なんでそんな議論が活発になっているのか不思議でしょうがありません。先ほどのご発言からも石破先生は沖縄について認識されていると思うんです。石破先生に一つ質問をしたいんです。

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[シンポジウム 台湾有事を避けるために]会場からの発言  林 吉永

軍事的合理性とは敵を殺し破壊し、作戦を遂行すること

 

自衛官OB、元空将補 林 吉永さん

 

 

 一つ申し上げたいのは、軍人・自衛官は軍事的要請の遂行を追求します。学際的にいくら戦争を論じても、現場では敵を殺すこと、破壊することに懸命になるんです。そうしないと自分がやられ国・国民を守れません。

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[シンポジウム 台湾有事を避けるために] 会場からの発言  伊波 洋一

平和友好条約を基礎に日中敵対を避ける

 

参議院議員 伊波 洋一

 

 沖縄選出の参議院議員、「沖縄の風」の伊波洋一です。
 台湾有事は日本の有事であるというのは、台湾防衛のために南西諸島を戦場とするためだろうと思っています。
 今、ウクライナでは隣国への避難民がこれまでに250万人を超えたと言われています。市民が戦火を逃れるのは当然のことで、国連は400万人の避難民を想定しています。ロシアの侵攻後に、地続きの他地域や国外に自動車などの交通手段で避難しているわけです。

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[シンポジウム 台湾有事を避けるために] 羽場 久美子

ウクライナ停戦のためには背景を見る必要がある
 NATOの拡大と武器援助がロシアの恐怖に 

 

 

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

羽場久美子先生は本誌に、「NATOとロシアのはざまで引き裂かれるウクライナ」を掲載しています。重複部分は割愛しました。

 私は、中東欧の近現代国際政治、第一次世界大戦それから第二次世界大戦、そして冷戦、さらにはEUやNATO拡大を専門にしています。ロシアのウクライナ侵攻について、あまりメディアで言われていない三つのことについて今日は話させていただきます。

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