食料自給議員連盟を全国に

学校給食を核にした「地消地産」へ一歩

いちき串木野市議会議員 吉留 良三

 

 

 政府は25年ぶりに食料・農業・農村基本法を見直しました。「強い農業」を目指したはずが、資材高騰や気候変動等で、農畜産業は危機的です。わずか38%に低迷する食料自給率を引き上げ、農家所得確保につながる方策を期待したが、変わりませんでした。 続きを読む


新型コロナ感染症の5類移行

医療提供体制・公衆衛生の課題

鹿児島大学教授 伊藤 周平

 

 

 

 

1 問題の所在―検証されない新型コロナ感染症の5類移行後

 3年余りに及ぶ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのもと、感染拡大地域では、入院できる病床や医療従事者の不足で、多くの感染者が入院できず「自宅放置」となり、高齢者施設の高齢者や精神科病院の精神障害者は施設に留め置かれ、必要な医療を受けることができないまま亡くなった(詳しくは、横山壽一・井上ひろみ・中村暁・松本隆浩『コロナ「留め置き死」』旬報社、24年参照)。医療が提供されず、本来であれば救える命が救えない「医療崩壊」が生じ、高齢を理由に人工呼吸器の利用を拒否される、認知症や精神疾患のある患者の入院が対応困難との理由で忌避されるなど、とくに高齢者や障害者について入院治療の優先順位が低位に置かれる医療差別(「いのちの選別」)がさまざまな場面でみられた。 続きを読む


79年目の熱く歴史的な被爆地ナガサキ 山口 雪乃

被爆79年に寄せる思い

KNOW NUKES TOKYO 山口 雪乃

 

 

 3200人。今年8月9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典にて奉安された死没者名簿のお名前の数です。私は毎年9日は、朝から夕方まで市内で開催されている平和に関連するさまざまなイベントを巡り慌ただしく予定を終えると、夜は自宅で平和祈念式典の録画配信を視聴しながら心を静かにする時間を持ちます。今年の式典も、長崎市長による平和宣言や被爆者代表の平和への誓いなど、心が震える場面が多くありました。その中でも個人的にとりわけ印象深かったのが、原爆死没者名簿の奉安です。今年の名簿には自分の祖父の名前もその一人に加えられ、「被爆者がいなくなる」という事実をあらためて突きつけられた思いがしました。 続きを読む


79年目の熱く歴史的な被爆地ナガサキ 中村 住代

「原爆をつくる人」と「平和をつくる人」

広範な国民連合・長崎代表世話人 中村 住代

 

 被爆79年目のナガサキは、例年にも増して熱く歴史的にも記憶される節目の年となったと感じた。
 8月9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、鈴木史朗市長が読み上げた「平和宣言」(以下、宣言)に被爆詩人福田須磨子(以下、須磨子)の詩の一部が引用された。 続きを読む



米兵性的暴行と政府隠ぺい厳重抗議 春口 あかね

日米政府に対策を強く求める
意見書採択をめざす

筑紫野市議会議員 春口 あかね

 

 降伏文書に調印した1945年9月7日から72年5月15日の返還まで沖縄は、戦後27年間日本国憲法からも守られることなく、「沖縄に行けば無法地帯だ」と言われていた悲しい歴史がある。返還されたにもかかわらず、沖縄で繰り返される米兵・軍属らによる犯罪は、復帰から2022年までの50年間で6163件あり、年間で計算すると123件、毎月10件もの米兵・軍属らによる犯罪が起こっている計算となる。 続きを読む


米兵性的暴行と政府隠ぺい厳重抗議 藤本 眞利子

全国の地方議会で意見書を上げましょう

和歌山県議会議員 藤本 眞利子

 

 今年の夏はことさら暑く、実感として、温暖化の影響がじわじわと出てきていると感じずにはいられません。
 「暑い暑い、大変だ」「やれ、パリオリンピックだ」と言っている間にも、日本の政治は危機をあおり、軍備をさらに増強させようとしています。今まさに進められている日米の軍事の一体化は日本に何をもたらしていくのか、私たちは真剣に考え、行動していかなければなりません。 続きを読む


米兵性的暴行と政府隠ぺい厳重抗議

沖縄県民の闘いを支持し、全国で我がこととして闘おう

 沖縄での米兵による少女性暴力事件。米兵と米軍、それに隠蔽加担した政府への怒りが広がっている。沖縄では知事を先頭に、県議会や各市町村議会決議も続く。県民大会開催を求めて県女性団体連絡協議会が立ち上がっている。
 全国で怒りを共有し我がこととして、沖縄県民と共に闘おう。さしあたって各自治体の9月議会で政府などに対する意見書をこぞって上げよう。 続きを読む


中国はどこへ行くのか?

歴史を画する「3中全会」を読む

北東アジア動態研究会主宰 木村 知義

 

 

 中国は歴史の新たな段階に歩みを進めることを力強く宣明した。
 世界注視の中で開かれた中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)の「決定」を読んで抱く感慨である。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 日中不再戦九州自治体議員の会

広がる日中不再戦九州自治体議員の会(準)

地方と地方、民と民の交流が力に

 

 日中不再戦・平和友好を進める九州自治体議員の会は4月13日、福岡市で結成準備会を開いた。その後、西聖一熊本県議を団長に九州3県の自治体議員と事務局員の計9人が参加して4月23日から28日まで北京、南京を訪ねる訪中団を派遣した。訪中の成果を広め戦争回避・日中友好の機運を高めるため、賛同会員の拡大と、当面二つのことに取り組むことになった。一つは、結成準備会での羽場久美子・青山学院大学名誉教授の記念講演と訪中報告をまとめた冊子を発行すること。もう一つは、訪中報告会を各県で開催すること。報告会は7月21日に福岡市で、8月21日に長崎市でそれぞれ開催された。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 楊 伯江

「一つの中国」という立場を否認?

日本政府は地域対立の「パンドラの箱」を開けようとしている

中国社会科学院日本研究所所長 楊 伯江

 

 

 7月26日にラオスで開いた中日外相会談での上川外相の発言をめぐり、台湾について中国側の事後発表で「『一つの中国』を堅持する立場は何も変わっていない」としたことについて、上川外相は8月2日に「中国側の発表は日本側の発言を必ずしも正確に示すものではなく、日本側の立場を申し入れた」と明らかにした。これをも含めて、最近のさまざまな動きから見受けられるように、日本政府は1972年以来の台湾政策を公然と修正しようとしている。本当にそのようなことになれば、アジア太平洋地域対立の「パンドラの箱」を開けてしまうこととなろう。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 羽場 久美子

 戦後79年 沖縄戦、広島・長崎の原爆

戦争回避・東アジア不戦共同体の実現

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

 戦後79年の暑過ぎた夏。沖縄戦、広島・長崎の原爆、終戦の日を迎えるたびに、なぜ政府も、国民も、戦争を止められなかったのか、と深く自問します。さらになによりも、遅過ぎたのが終戦宣言です。なぜすべてを失うまで、戦争をやめることができなかったのか。
 イスラエルによるガザのジェノサイド戦争と、沖縄・広島・長崎の民衆の悲劇がダブって見えます。それは始まったら止められない東アジアの戦争の予兆でもあります。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 篠原 孝

 中国のめざましい発展

この大国と今後どう付き合っていけばよいのか

衆議院議員 篠原 孝

 

 7月2日から11日まで10日間、中国(北京・天津・淮安・常州)を訪問した。農水省時代、日中韓農業政策研究所長会議で北京に数日滞在したことがあり、実質的には二十数年ぶりの中国だった。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 与那国島 住民有志の会

 声明

「日中共同声明」に立ち返り、日中間のすべての紛争は平和的手段で解決しなければならない

 

 日本最西端の与那国町の住民有志は8月4日、島で続く軍事的な動きを懸念し、日本が中国に不戦の誓いを表明した「日中共同声明」に立ち返ることを求め声明を発表した。

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