中国敵視の同盟能力向上狙う 日米首脳会談に反対する

あくまで独立自主で東アジアの平和確保に全力を注ぐべき

『日本の進路』編集部

中村進一(三重県議会議員)

 菅義偉首相は4月8日訪米し、バイデン米大統領との首脳会談に臨む。大統領と最初に会談する外国首脳となるといって菅首相周辺ははしゃいでいるようだ。こうした政権では国の運命を誤る。

 米国の衰退、中国の強国化で米中対立と東アジアの緊張激化は現実である。衰退の「帝国」アメリカは、日中両国を対立させ、中国を抑え込み、アジア支配、ドル覇権を維持しようと画策している。

 米国は日本列島・琉球弧からフィリピンに至る島々に中距離ミサイルなどを配備し、中国海空軍の太平洋進出を阻止して軍事覇権維持を狙う。わが国には、新基地建設、「敵基地攻撃力」など自衛隊の強化、軍事費負担増を迫って、最前線として中国と対立させようとしている。日本列島は対中国の文字通りの不沈空母となる。焦点は、尖閣諸島であり、中国の一部・台湾である。このままいけば、沖縄など日本列島が戦場となりかねない。日米安全保障協議委員会(いわゆる2プラス2)合意では、米政府監査院も完成を疑う辺野古新基地建設をわざわざ再確認した。

 わが国は、あくまで独立自主で、東アジアの平和確保に全力を注ぐべきである。 続きを読む


沖縄県うるま市長選 ■ 立候補を決意の照屋寛之さんに聞く

市民が主役、「誰一人取り残さない市政」

聞き手は、大学の教え子でうるま市議会議員の國吉 亮

これまでの研究成果の全てを注ぎ込んで市長選挙に臨む

國吉亮(以下、――) 沖縄国際大学の恩師である照屋寛之先生が、4月25日投開票のわがうるま市の市長選挙に立候補を予定されると伺い、大変うれしく思いました。必ず市長になっていただきたく全力で支える決意です。まずは、立候補を決意された心境を伺います。 続きを読む


農村活性化の「地域政策」の役割がポイント

家族農業など多様な経営体の共存・共生

北海道農民連盟書記長 中原 浩一

 北海道農民連盟の昨1年間の運動の柱は、「基本農政対策」、「米・水田農業対策」、「畑作・野菜対策」、「酪農・畜産対策」、「税制対策」等であった。一昨年からの継続課題を整理しつつ、新たな方針のもと活動してきた。 続きを読む



『雑感』■ コロナ禍における労働組合運動

私も、「未来は変えられる」を信じて

全農林労働組合顧問 柴山 好憲

工夫が求められるコロナ禍の運動

 新型コロナウイルス感染症は、1年を経過した現在も人々の暮らしや経済活動はもとより、労働組合の組織運営や活動にも大きな影響を与えている。OBとして当組合の活動を見たとき、「密の回避」と「非接触」を前提としたかつて経験したことのない組織運営に苦労しつつも、WEBによる協議や会議・打ち合わせ、さらにはユーチューブを活用した発信などを積極的に進めるなど、そのしなやかさに感心する日々である。しかしながら、集まりやオルグもままならず一方通行にならざるを得ない場面が多いなど、きめ細かな対応には一定の限界もあり、さらなる工夫が求められている。 続きを読む


南西諸島軍事要塞化 ■ 馬毛島基地化の西之表市長選・市議選

市民は「基地建設ノー」の意思を示した

西之表市議会議員 長野 広美

 全国からも注目された鹿児島県西之表市の市長および市議会議員選挙は1月31日、投開票された。市長選は、馬毛島基地に反対する現職・八板俊輔市長が勝利した。市議会は、反対派7人で、賛成6人、中立1人と勢力図が変わり、今後の議会運営は困難が予測される結果となった。 続きを読む


南西諸島軍事要塞化 ■ 馬毛島基地建設反対の西之表市長

独立国日本として、今さら「生地」を米軍に差し出すわけにはいかない

八板俊輔 市長に聞く(聞き手、山本正治編集長)

 

 

 

 

◆2期目当選おめでとうございます。選挙結果をどう受け止めておられますか――
 過半数の支持を受けて当選させていただきました。前回は、候補者が乱立したこともありましたが、今回は5103票で前回を大きく上回る支持をいただくことができました。大変心強く思っています。
 同時に、島の経済基盤の確立や人口減少などに対する市民の皆さま方の心配なども、選挙を通じて実感しているところです。そうした課題に市を挙げて、団結して取り組んでいこうと考えています。

日本は植民地と同様の状況だ、真の独立国と言えるか

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コロナ感染症の課題 ■ 日本政治の問題点がえぐり出された

21世紀の「新しい国づくり」をめざす

衆議院議員 川内 博史

 新型コロナウイルス感染症は、日本の政治や行政の問題点をえぐり出しました。
 自民党の政治手法、あるいは行政マネジメントはあくまで平時の手法であって、今のような緊急事態あるいは非常事態においては機能不全に陥るということが明らかになったとみています。自民党の政治は財界・業界主導で、そこから上がってくる陳情、要望、意見を政策に反映させていくやり方です。 続きを読む


歴史的転換期の進路を考える

日本はどう生きるか

衆議院議員 古川 禎久

拠って立つところ

 世界を見わたすと、超大国アメリカが内向きになりプレゼンスを縮小させる一方で、覇権主義の中国がめざましい勢いで台頭している。国力を失いつつある日本にとって、見通しのきかない実にやっかいな時代となった。
 日本はどう生きるべきか。その答えを出すには、まず、日本がどんな国なのかを見つめ直すことが大事だ。 続きを読む


コロナ感染症の課題 ■ 日本の問題点をあぶり出した

国民の命を守る医療政策に抜本的転換を

元日本医師会会長 原中 勝征

 今ようやく、日本でも新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種が始まります。しかし、外国製です。私はこれはおかしいと思う。日本の科学は高度で、その技術製品を外国にどんどん輸出している国なのに、しかも製薬会社もいくつもありワクチンを作る会社もいくつもあるのに、なぜコロナのワクチンを作らなかったのか。
 最初からアメリカのファイザーと英アストラゼネカから輸入するという動きだった。
 ウイルスから本当に国民を守るためには、効果のある薬を探すか、ワクチンを作るかです。国民もそれの一日も早い実現を望んでいた。しかし、何の説明もない。
 一方で、菅首相は経済回復のためと、「Go To トラベル」に何兆円も財政を使うことを自慢げに発表した。しかし、こうした中で多くの国民の命が奪われた。
 ワクチンを外国から買うにしても、先進国でも途上国でもワクチン接種が始まって世界で1億人を超している。日本ではようやく接種が始まった。2カ月も遅い。
 政府に本当に国民を守ろうという気があったのだろうか疑問を持たざるを得ない。返す返すも不思議です。 続きを読む


「東アジア不戦」の提言 ■ 2022年2月22日を期して

一年前アピール

東アジア不戦推進機構 提言者一同

 来年2月22日までに東アジア各国首脳による「東アジア不戦」の宣言を求める「1年前アピール」が出された。提唱は、瀬戸内寂聴氏や西原春夫氏など18人の、第2次世界大戦を直接体験した「長老」たちである。政府を動かす世論形成が求められる。(一部要約)

 2022年2月22日、その22時22分22秒を期して、東アジア各国首脳が「少なくともまず東アジアを戦争の無い地域にする」という、歴史的な宣言を出す。そのことを、20世紀に起こった戦争の時代を自ら体験した最後の世代に当たる私たち18人が、万感の思いをこめて希望、提言する、これが私たちのこのたびの企画です。 続きを読む


東日本大震災 ■ 東電フクイチ原発事故10年に

復興を食いつぶした大企業、失われた故郷

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 今年2月13日23時7分、10年前の大震災の余波というM6・3、最大震度6強の地震が東北・関東を襲った。
 ハリウッド映画のジャンルの中に「地球人類滅亡」がある。大別すると、①地震(火山爆発、津波)、②原水爆放射能、③ウイルスなど感染症、④小惑星地球衝突である。私たち日本人は、「人類滅亡4パターン」の二つを経験し、現在③の真っただ中にいるのだ。 続きを読む


[南西諸島軍事要塞化] シュワブ密約について

日本列島や南西諸島を戦場と位置付ける米軍
対中抑止力として米海兵隊をとどめたい政権

参議院議員 伊波 洋一

 

 

海兵隊と陸自の密約

 名護市辺野古の米軍キャンブ・シュワブに陸上自衛隊の「水陸起動団」を常駐させることを2015年、陸上自衛隊と米海兵隊が極秘に合意していたことが日米両政府関係者の証言で明らかになった。一時的に米軍キャンプ・ハンセンに配置する案も検討していると、共同通信と沖縄タイムス合同取材で明らかにされ今年1月25日に全国に報じられた。 続きを読む


[尖閣海域の「緊張」]中国海警船「侵入」は完全な「やらせ」

問題を安定的に管理することが真の国益

『日本の進路』編集長 山本 正治

 日中両国間の「高級事務レベル海洋協議」が2月3日、外務省や国家安全保障局、水産庁、海上保安庁、それに防衛省などが参加し、団長を局次長級から局長級にレベルアップして開催された。そこでは、日本側が海警法施行に「強い懸念」を伝え、一方、中国側は「国際法に合致している」とやり合ったが、「双方は、東シナ海を『平和・協力・友好』の海とするとの目標を実現していく観点からも、海洋分野における具体的な協力・交流を推進していくことで一致」した。 続きを読む