国民連合・東京総会■記念講演 力の転換は必然的に戦争を呼ぶ

いかに安定と繁栄をつくるか? 夢は必ずかなう、もしあきらめなければ!

羽場 久美子 青山学院大学教授

 羽場久美子青山学院大学教授が「東アジアで戦争をさせない!戦争を避けるには?」との問題意識で、広範な国民連合・東京総会記念講演で熱弁をふるわれた。本稿はそれを基にしている。講演直後の1月24日、「世界終末時計」はさらに20秒進んで、「終末1分40秒前」となったと報じられた。羽場さんの問題提起は、日本の進路を考える上できわめて重要である。誌面の都合で2回に分けて掲載する。見出しも含めて文責は編集部。

[本論の構成]
世界史の転換点で
今、世界とアジアで何が起こっているか(今回、ここまで)
背景に何があるか
どうすればよいのか?
結論と提言

世界史の転換点で

 今日は、「世界の中の東アジアと日本」というお題のなか、「力の転換は必然的に戦争を呼ぶ」という米欧の政治学者が最近言っていることから、話を始めたいと思います。現在、「世界の転換点」という状況のなかにあって、近隣諸国と仲良くしていくことが、戦争を起こさない最大の要因でもあるということを今日は確認しておきたいと思います。 続きを読む


広範な国民連合第24回全国総会 [ パネルディスカッション3] パネリスト 鈴木宣弘・東京大学大学院教授

アジアの共生 自立日本の総合安全保障を考える

食料安全保障が軽視される日本

篠原孝さん
 皆さんは、「安全保障」って聞くと当然、軍事面の安全保障が最初に頭の中に浮かんでくるでしょう。今の日本の状況、安倍首相が典型ですが、その軍事面ばかりが突出しています。しかし、エネルギー、食料、それから平和外交などトータルで日本の安全を確保しなければいけないんです。ですから、食料の安全保障はものすごく大事な問題ですが、日本では軽視され続けています。
 こうした点についてずっと発言してきている鈴木教授にお願いいたします。

農業政策をキーにしたアジア共同体を

 こんにちは。鈴木でございます。 続きを読む


広範な国民連合第24回全国総会 [ パネルディスカッション2] パネリスト 柳澤協二・元安全保障担当内閣官房副長官補

アジアの共生 自立日本の総合安全保障を考える

「抑止」の論理からの脱却を

 今日、久しぶりに鳩山友紀夫さんの顔を見ました。身近な人の中には「鳩山さんはいいことを言っているけど、何か地球ではない、『鳩山星』のできごと」と言う人がいます。実はそこがいちばん大きなテーマだと思うのです。
 政治というのは、目の前で起きていることを処理すると同時に、いちばん大事なことは、どうやって世の中全体の考え方、マインドセットを変えていくかということが大事な役割であり、そこが変わらないと結局、何も変わらないと思っています。 続きを読む


広範な国民連合第24回全国総会 [ パネルディスカッション1] コーディネーター 篠原 孝・衆議院議員

アジアの共生 自立日本の総合安全保障を考える

 広範な国民連合は昨年11月23日、第24回全国総会記念パネルディスカッション「アジアの共生 自立日本の総合安全保障を考える」を開催した。パネリストは、柳澤協二・元内閣官房副長官補、鈴木宣弘・東京大学大学院教授、三原朝彦・衆議院議員。コメンテーターに屋良朝博・衆議院議員、コーディネーターは篠原孝・衆議院議員。なお、この後の会場を含む討論部分は割愛する。

 皆さん、こんにちは。
 衆議院議員の篠原孝です。私の選挙区は長野1区で長野市です。皆さんもテレビなどでご覧になったと思いますが、先の台風で大変な被害に遭いました。所属は国民民主党です。 続きを読む


世界史的転換点を映す――ダボス会議、ミュンヘン会議

しっかりとした国の進路を定めなくてはならない

本誌編集長 山本 正治

 新型コロナウイルスが世界を揺さぶっている。安倍政権の対応はお粗末極まりない。即刻政権を代える以外にない。官民の知恵と力を総結集した強力な対策を強く求める。
 「歴史的に見れば新興感染症は世界史的転換点で発生してきた」(中西寛・京都大学大学院教授)といわれる。時あたかもこの時期に二つの国際会議が開かれた。
 一つは通称「ダボス会議」、全世界の有力な企業経営者やトランプ米大統領など政治家、それに研究者など3000人以上が集まった世界経済フォーラム総会が1月末にスイスで、もう一つはドイツのミュンヘンで、「安全保障版のダボス会議」とも呼ばれる国際安全保障会議が2月中旬に開かれた。当然どちらでも新感染症対策は議論になった。
 これらの会議も、歴史的な大転換期を経過していることを全世界に印象付けるに十分だった。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 公益社団法人全日本トラック協会 会長 坂本 克己

年頭所感

 令和2年を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 トラック輸送事業は、全国各地域で地域の経済と人々の暮らしを支えており、公共交通機関として、高い評価を得ているところであります。
 また、昨年相次いで発生した激甚災害に対して、被災地への緊急物資輸送を迅速に展開したところであり、国民から絶大なる信頼をいただいております。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 熊本県菊池地域農業協同組合代表理事組合長 三角 修

食料自給率向上と地球温暖化防止への挑戦

――ポイント付加による国民運動への提案――

 食料自給率の減少が叫ばれて久しい。45%の自給率目標(2025年目標)が掲げられているが、直近の2018年は37%と過去最低となり、なかなか歯止めがかからない。自給率低下の一番大きな要因として必ず引き合いに出されるのが米である。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 全国農業協同組合中央会 代表理事会長 中家 徹

 はじめに昨年、全国各地での台風、豪雨などにより被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興をご祈念申し上げます。
 近年、大規模な自然災害が続いておりますが、本年こそは豊穣の一年となることを願ってやみません。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 沖縄県議会議員 照屋 大河

デニー知事を支える与党県議の一人として、また社民党県連委員長として

 明けましておめでとうございます。
 『日本の進路』読者の皆さまにおかれましては、清々しい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 平成から令和に世替わりした昨年、沖縄では首里城を焼失するという衝撃的な出来事がありました。首里城はウチナーンチュにとって心のより所、アイデンティティーの象徴であり、喪失感は計り知れません。今なお多くの県民が深い悲しみに暮れています。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 部落解放同盟中央執行委員長 組坂 繁之

差別と戦争を許さない協働の闘いを前進させよう

 安倍首相は、昨年の参議院選挙で改憲発議に必要な3分の2の議席が確保できなかったにもかかわらず、あくまでも任期中の憲法改悪に固執しています。この間、安倍政権は集団的自衛権の閣議決定以降、「特定秘密保護法」「戦争法」「共謀罪」創設など、広範な反対運動を無視し、「戦争をする国」づくりのための法案などを成立させてきました。しかも、年明けには、イラン革命防衛隊司令官を無人機の空爆で殺害したトランプ大統領の主導する「有志連合」に同調し、中東地域への自衛隊の海外派兵を強行しました。 続きを読む


国民総貧困化、大軍拡と大企業優遇の政府予算に反対する

政府と大企業に奪われた富を奪い返せ!

『日本の進路』編集部

 イラン革命防衛隊司令官をアメリカがイラクで殺害、「第3次世界大戦か」と国際社会は著しく緊張が走る年頭となった。まさに歴史的転換期の年明けである。
 安倍晋三政権はその中東海域に海自艦船の派兵を強行、戦争の当事者となりかねない「大国化」を進めている。他方、国民の総貧困化はいちだんと深刻になっている。実質消費支出は昨年暮れ2カ月続いて前年比マイナスとなっている。1年が過ぎたTPP11や年頭から施行の日米貿易協定などが農業を中心に国民経済の困難に拍車をかける。
 大軍拡と国民総貧困化に反対する、安倍政権打倒の闘いが今こそ求められる。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 参議院議員・元滋賀県知事 嘉田 由紀子

今、国で必要とされている治水をめぐる滋賀モデル

参議院議員・元滋賀県知事 嘉田 由紀子

 広範な国民連合でご活躍の皆さまに新年のご挨拶を申し上げます。昨年は、熊本県や福岡県など、全国各地で交流の機会をいただきありがとうございました。
 新しい人と人の出会いが、少子高齢化の中、温暖化の影響もあり、災害多発時代に突入してしまった日本の未来を共に切り拓いていくエネルギーになることを強く期待をしております。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 参議院議員 舟山 康江

安倍政権にストップを掛けて、自立した外交を取り戻すために

参議院議員 舟山 康江

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 さて、安倍総理とトランプ大統領の蜜月関係のもとで、F35戦闘機の爆買いやイージス・アショアの導入などの対米従属の軍拡路線が推し進められてきました。これに加えて、憲法9条改正を含む改憲や、中東への自衛隊派遣などが実行に移されれば、皆様が切望されている対米従属路線からの脱却と「アジアの平和・友好・共生」への道がさらに脅かされることになります。 続きを読む


[2020年新春メッセージ] 北海道農民連盟

年頭挨拶

「日本の食料基地」の北海道農業・農村地域に甚大な影響を及ぼす国際貿易協定に反対する

北海道農民連盟 委員長 西原 正行

 令和2年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年を振り返りますと、北海道は春先からの強風・高温・乾燥や地域的な集中豪雨により一部被害が出たものの、米や畑作物、酪農畜産物など多くの農作物が豊作基調の一年となりました。 続きを読む