台湾有事をあおるのは米日軍
隣国中国と平和交流の強化を
「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!2・26緊急集会」(同実行委員会主催)が2月26日、沖縄県那覇市泉崎の県庁前県民広場で開かれた。主催者発表で1600人が参加し、政府にミサイル配備・軍拡をやめて外交の充実・強化を図ることを求め、全国の自治体においても沖縄県と同じように独自の自治体外交を通して隣国中国と平和交流の強化を図るよう求める集会宣言を採択した。
「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!2・26緊急集会」(同実行委員会主催)が2月26日、沖縄県那覇市泉崎の県庁前県民広場で開かれた。主催者発表で1600人が参加し、政府にミサイル配備・軍拡をやめて外交の充実・強化を図ることを求め、全国の自治体においても沖縄県と同じように独自の自治体外交を通して隣国中国と平和交流の強化を図るよう求める集会宣言を採択した。
沖縄市在住(1936年生まれ) 仲宗根 藤子
1944年10月10日の米軍による空襲(十・十空襲)を、大人も最初は敵機と気づかず、空を見上げておりました。地響きを立てて飛んでいる異様な巨体の飛行機が頭上を飛び去った。その直後に姉の後を追って山に逃げました。大木の陰に身を隠して、空襲がやむのを待ちました。母と弟は家の壕の中で無事でした。
十・十空襲で、父の妹(私の叔母)は爆弾の破片がおなかを貫通して即死しました。叔母の母とは「戦争が来たらどうしようか」と深刻に語り合っていました。夫は病弱だし長女は小児まひで手がかかるので戦争のことばかり気にかけていました。真っ先に叔母が息を引き取ってしまい、二人は自決したとひそかに聞いています。今、叔母の孫は「琉球新報」の四コマ漫画を描いています。
平良 友里奈
私は、「島々を戦場にさせない!沖縄を平和発信の場に!2・26緊急集会」の司会をさせていただいた。そして、この緊急集会に寄せた私の投稿が2月17日付の「琉球新報」に載って多くの方の反響を呼び、投稿を読まれた何人かがさらに投稿してくださるといううれしいことも起きた。以下はその抜粋だ。
実行委員長あいさつ 具志堅 隆松 さん
(遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)
皆さんこんにちは
ガマフヤーの具志堅隆松です。今までやってきていることは、沖縄戦で亡くなった人、正確に言えば殺された人ですが、殺された人たちの遺骨を探し出して遺族の元に帰そうと、その思いで活動してきました。その人たちの遺骨と向き合っていつも考えていたのは、どうしてこの人たちは殺されなければいけなかったのだろうか、私たちはどうしてこの沖縄が戦場になることを避けることができなかったのだろうかということでした。
私たち沖縄県民は平和を愛する民です。私たち沖縄県民は「命どぅ宝」を大切にしてきました。人を殺すこともまた殺されることも望みません。私の命も隣の人の命もどれも同じように大切です。私たちは全ての戦争を拒否します。ミリタリーパワーよりピースパワーを拡げていきましょう。沖縄から生まれたこの理念を世界の仲間たちにも拡げていきましょう。
宮古島市議会議員 下地 あかね
2月26日、沖縄県庁前の県民広場は1600人の熱気に包まれました。昨年12月16日閣議決定された安保3文書は、沖縄本島を含む南西諸島へさらなる軍備強化を推し進めるもので、とくに島嶼部におけるミサイル部隊の配備は、有事の際に住民の命と暮らしを脅かすものになりかねません。与那国、石垣、宮古、それぞれの島からも参加する県民集会となりました。
与那国町議会議員 田里 千代基
2007年6月24日、ここからが与那国の不幸の始まりです。
そこから自衛隊問題が出てきて、島の分断が起きてきます。それが起点になります。その前の、復帰の前後はあったかもしれませんけど、それは別の話として、具体的に今日に至る現状の起点はそこになります。
建設業・崎元組 崎元 貴文
与那国で生まれ中学校を出て、高校がないんで沖縄本島の高校に進学、大学進学で内地の方に行ってまた帰ってきました。今25歳、3年前に帰ってきました。
自衛隊が来て、島で知らない顔がやっぱり増えますね。元々自衛隊には半分は反対していたんですね、こっちの人は。その対立がなくなれば島も落ち着くと思っていたのですが、それを逆なでするかのようにミサイル配備の問題が出てきています。
与那国島の明るい未来を願うイソバの会 狩野 史江
政府の無責任な政策により「台湾有事は日本有事、台湾の傍らにある与那国島は危険」という大多数のマスコミの取材や報道に翻弄され、住民は不安に苛まれています。
昨年「キーン・ソード23」の日米共同訓練で島に米軍が訓練のため入り、戦車が公道を走行するという報道に、住民有志は日米共同訓練の中止要望書を町長・町議会・米軍に対して提出しました。しかし、何の回答もないまま米軍が入り、巨大な戦車が空輸されてきました。
与那国町議会議員・崎元酒造所代表 崎元 俊男氏
2、3年前から町では、与那国島から台湾の花蓮市まで高速船を2時間で走らせる事業を補助をもらって試験事業でやっています。これがコロナでなかなかできなくなっていたのですが、今年の夏ぐらいに再チャレンジします。これがうまくいけば、あとは民間に委託して、できたら週に1回ぐらいは走らせていきたいんです。
これに人だけでなく物資も載せれば経済交流までどんどん発展していきます。うちの酒も向こうに送れる。逆に、向こうから瓶とか段ボールとかいろんな資材を買えるということもあります。今は沖縄本島から仕入れていますけど(花蓮市は110キロメートル)。そういう経済交流を島の多くの人が望んでいます。
岸田政権は昨年12月、安全保障戦略など3文書を閣議決定、今年に入って日米2+2閣僚会議と首脳会談でとりわけ南西諸島軍拡方針を確認し具体化を急テンポで進めている。あたかも中国が攻め入るかの「台湾有事」があおられ、ミサイル配備などを島々に迫っている。南西諸島の人びとは、戦場となることに危機感を強め、軍備ではなく外交で平和を確保することを強く求めている。
「米ペロシ議長の訪台までは誰も危機感を持たなかった」と多くの人が証言する。ドキュメンタリー動画「東アジアの緊緩和を求めて 守りたい島の声―与那国島から―」は、敵基地攻撃のミサイル配備に揺れる国境の島、日本最西端・与那国島の現状を知る上で格好である。東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターが作製、公開している(https://www.youtube.com/watch?v=ReoQ77BvWFw)。
取材は、河原弥生さん(同センター事務局長)と小橋川共仁さん(同センターYouFOメンバー)の二人。
台湾有事が声高に叫ばれ、日米政府が中国敵視のミサイル軍拡と軍事演習を強める中で沖縄県民の「再び戦場か」との危機感は急速に高まっている。中国敵視でなく、平和友好の外交を求める動きが広がっている。玉城デニー知事も呼応している。戦争の危機は南西諸島だけでなく日本全国の課題である。この沖縄県民の危機感を共有し県民の闘いを支持し、全国で闘いを発展させることが求められている。 続きを読む
屋良朝博前衆議院議員が基調講演
広範な国民連合は中国の華語シンクタンクと共同主催で2022年12月28日夜、日中国交正常化50周年記念事業の一環として第5回日中時事交流フォーラムをオンラインで開催した。「日中不再戦で世界平和を目指す」をテーマとする今回のフォーラムでは、屋良朝博前衆議院議員が「アジア安保におけるソフトパワーの可能性」と題して基調講演を行った。
冒頭、中国側司会を務めた徐長銀華語シンクタンク常務理事より、「世界情勢が緊迫した中、米中・日中関係はともに十字路に立たされている。中国は東アジアの重要な隣国日本とは外交で問題解決を望み、日本は軍事路線に頼るべきではない」との問題提起があった。
石垣市議会議員 花谷 史郎
昨年、石垣市議会12月定例会で「陸上自衛隊石垣駐屯地(仮称)への長射程ミサイル配備に関する意見書」を提出、可決することができました。
「台湾有事」のワードが独り歩きし、軍拡をミスリードするような状況の中、その最前線ともいえる石垣島からこの意見書を提案した意図と、可決に至るまでの経緯、そしてこれまでの市民活動の一端を報告させていただきます。