台湾での麻生自民党副総裁「戦う覚悟」発言

麻生発言に抗議、沖縄で撤回求め緊急集会

 「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は、麻生発言に対して那覇市で8月13日、「麻生発言に抗議し、発言の撤回を求める緊急集会」を開催した。
 山城博治・県民の会事務局長が、麻生副総裁発言は「岸田政権の総意だ」と指摘して、県民挙げての抗議の必要性を訴え開会した。
 同会共同代表の瑞慶覧長敏さん(東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター長/前南城市長)は、「私たちの国がまずやるべきことは対話・信頼だ」と力を込めた。


 同じく共同代表の具志堅隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)は、「政府は『地域限定紛争』のような言い方をしているが、これは日本中が巻き込まれる戦争になる要素をもっている」と警鐘を鳴らし、玉城県政が進める地域外交や、同じく基地負担を強いられている環太平洋諸国の人びととの連帯の重要性を強調した。
 「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」の新垣邦雄事務局長は、「これはいわば『宣戦布告』」と危機感を示し、中国との戦闘を想定した防衛研究所の報告書は、「(中国との戦争は)『半年から1年、あるいはそれ以上の長期戦になる可能性』『ウクライナ以上の被害に遭う可能性が高い』と言っている。私たちに『死ぬ覚悟』を求めている」と提起。
 「ヤング・フレンドシップ・オキナワ」の瑞慶覧長風・南城市議は「世代を超えて大きな平和のエネルギーをつくっていきたいと思い、先輩方といっしょに新たな平和運動のあり方を模索している。国民の生活が苦しいなかで、真っ先に政府が決めたのは防衛費倍増と安保3文書改定。米軍、米国への自発的隷従のなれの果ての発言だ。この果ての上で私たちの沖縄が再び戦場に巻き込まれることはあってはならない」と結んだ。
 県内各地から多数の地方議員が参加した。「私たちは米軍由来のPFAS汚染に抗議を続けている。そのなかでの麻生発言は絶対に許せない」(桃原功・宜野湾市議)、「麻生さん、先に行け。私たちを道連れにするな。若者の命をないがしろにするな」(山内末子県議)、「子ども食堂の活動を行っている。お金がなく困っている人がいるなかで、なぜ基地や武器にこんなにお金をかけるのか」(山田マドカ・那覇市議)、「3人の子どもを育てている。命の大切さを自分の体を通じて学んだ。沖縄県民の命はもちろん、本土、海の向こうの国々の人びと命も同じ重さ」(仲宗根由美・北谷町議)などの発言が相次いだ。
 自衛隊基地の拡大・強化が進む宮古平和ネットワークの下地茜・宮古島市議は「戦争は政治家が決めて始まる。だからこそ、戦争にならないよう最大限の努力を尽くすことが政治家の役目だ。この国では戦争になることを想定する政策ばかりが進められている。それでは近い将来に本当に戦争を呼び寄せてしまう。アジアの平和構築、相互の信頼につながる言葉を宮古から上げたい」とのメッセージを寄せた。
 内原英聡・石垣市議からは、自衛隊が石垣での「島しょ奪還」作戦を想定して作成した「機動展開構想概案」の中に、「(敵・味方の)どちらかの残存率が30%になるまで戦闘を実施」という記述があることを紹介、「政府は命を捨てて『戦え』と言っている」と強い危機感を示した。
 集会は「全国民、沖縄県民に対し、『戦う覚悟』を迫ったものと受け止めざるを得ない。岸田内閣に満腔の怒りをもって抗議する」との集会宣言を確認し、「麻生発言糾弾」「軍事緊張をあおるな」「岸田首相は県民に謝罪せよ」とのシュプレヒコールで締めくくられた。

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日中平和友好条約締結45周年
記念大集会開催

日中平和友好条約締結45周年記念大集会が東京で10日、開催された。「村山談話を継承し発展させる会」(藤田高景理事長)の主催で、集会には300人を超える各界の人びとが参加した。鳩山友紀夫元首相や中国の呉江浩駐日大使があいさつ、浅井基文・元広島平和研究所長が記念講演、古賀茂明・政策アナリスト、泉川友樹・沖縄大学地域研究所特別研究員、他が発言した。

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