復帰50周年 沖縄米軍支配の現状はヤマトの歴史的責任

「本土」は自らの課題として立ち向かわなくてはならない

 

広範な国民連合代表世話人 西澤 清

 

 沖縄は5月15日、「復帰」50年を迎える。
 昔、琉球諸島は、豊かで、交易によって栄えた独立王朝の国だった。琉球の交易船はヤマトの堺港から朝鮮、中国、さらにはマニラ、マラッカまで出かけていき巨額の利益を上げ、豊かな国を築いていた。友好的な関係を近隣諸国とつくり上げる中で生きていた。

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2022年2月4日衆議院予算委員会での参考人報告

新型コロナ災害 押し寄せる生活の危機 
   支援現場からの報告と提言 

 

一般社団法人反貧困ネットワーク事務局長 瀬戸 大作

 

 

反貧困ネットワーク事務局長の瀬戸大作さんが、2月4日の衆議院予算委員会で参考人として発言した。本稿は、その発言に、瀬戸さんが準備した資料から補足したものである。見出しとも文責編集部。

 

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貧困危機打開は喫緊の政治課題

  国民から奪った富を緊急支援に回せ

 

『日本の進路』編集部

 3月から電力料金も都市ガス料金も大幅引き上げ、食料品も値上げラッシュ。原油価格はうなぎ上り、1月の企業物価(指数、速報値)は前年比8・6%増、輸入物価は実に37・5%増だ。遅かれ早かれ消費者物価に反映され、すでに苦しい国民生活をさらに直撃する。

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日中時事交流フォーラム第1回開催

中国のTPP参加申請問題で相互理解進む

 

広範な国民連合と中国の華語シンクタンクとの間で、率直な意見交換で相互理解の深化をめざす研究者・知識人を中心とする「日中時事交流フォーラム」設立が進んでいる。準備の第1回の交流が昨年12月22日、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、以下TPP)への中国の加盟申請問題をテーマに開催された。日本側は羽場久美子青山学院大学名誉教授、丸川知雄東京大学教授、山本正治事務局長ほか広範な国民連合の賛同会員などが、中国側は龔剣事務局長、湯重南教授・中国日本史学会会長、周永生教授・中華日本学会理事ほかが参加した。仲介役の凌星光教授も参加、杜世鑫氏が通訳を担当した。以下、その概要。

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日中朝韓など東アジアの人びとの友好と交流を

「近隣4ヶ国児童絵画交換展」を実施して

 

広範な国民連合代表世話人 原田 章弘

 昨年11月12日午前中の準備から14日まで、横須賀市文化会館市民ギャラリーにおいて、私たち実行委員会の主催で、「近隣4ヶ国児童絵画交換展in三浦半島」を開催した。
 これまでより1日少ない日程だったが、会場費を含め児童に配布する「絵画募集チラシ」や間際になって配布する「お知らせチラシ」(これらは三浦半島全児童、約2万5千人への配布だが)、経費はすべて寄付金で賄った。今回も、多くの市民団体、平和運動団体、労組、個人篤志家などから寄付金をいただいた。先日、会計報告もできたが、収支トントンの事業が、多くの人々・団体によって実現した。感謝したい。

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対談 ■ コロナ禍、貧困の現場から

雨宮処凛 さん(作家・活動家)+ おぐら修平 さん(足立区議)    
今こそ公助をたたき起こすとき

 

 

 

 

おぐら 雨宮さんとはいつも相談会とかの現場で一緒になっていますけれども、本日はインタビュー兼対談という形でよろしくお願いいたします。
 まずは自己紹介から改めてお願いします。

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2022年「国際小規模漁業年」に思うこと

深刻な沿岸漁業の現況

 

JCFU全国沿岸漁民連絡協議会共同代表 高松 幸彦

 

 

 

 正月飾りの神棚に「二礼二拍手一礼」、感謝と願いをこめる。お節に箸をはこび、配達された年賀状に目を通す。「賀・春・寿・福・喜」などの漢字が目につく、親の代から変わらぬ正月の光景だ。
 ただ、こんなに「夢や希望を語れない」正月は過去になかった。
 世界中に再拡大した新型コロナウイルス、変異株も感染力が強く感染者数も急増、回復基調にある景気に水を差す。
 この2年間どの職種の人もなにがしかの制約を受け耐え忍んできた。国民の多くは初詣に「新型コロナウイルス感染症の収束」と願ったものとおおよその見当がつく。
 生活困窮者が食事の配給に列をなす姿がTVで流される。1年間で18万人も失業者が増加したのもうなずける。「自助努力」ではどうにもならないところまで追い込まれている。
 漁業も苦しいのは例外ではない。飲食、観光業界が大打撃だったのは自明であるが、それに応じて魚介の需要が落ち込むのだから魚価安になる。しかも、原油価格の高騰で燃油代も上がる。加えて、ひと昔前は庶民の味だった「イカ・サンマ・秋サケ」の大不漁。二重苦三重苦の経営を強いられた漁業者も多かった。

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2022年の年頭に労働運動の課題を考える

原点に立ち返り平和・人権の大切さを将来世代に引き継ぐ

 

日本労働組合総連合会(連合)副事務局長 山根木 晴久

 

 

 昨年は、東日本大震災から10年、熊本地震から5年という節目の年であった。近年、特に脅威を増す自然災害に対し、尊い命を犠牲にされ、また今もなお不自由な生活を余儀なくされている方々に思いを馳せつつ、今に生きる私たちはその教訓を将来世代に生かし引き継いでいく、そうしたことを確認し取り組んできた一年だったと振り返る(復興五輪だった2020東京オリパラからそのようなメッセージが発信されたと思えなかったことは極めて残念であった)。
 さて、迎えた22年もさまざま周年記念を迎えるが、全国水平社宣言から100年、沖縄返還と日中国交回復から50年の節目を迎えるということをふまえれば、改めて、それら原点に立ち返り、平和や人権の大切さを再認識し、将来世代に引き継ぐ取り組みを進める年にしなければならないと思う。

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「台湾有事」を避ける道

50年前の原点に戻って東アジアの平和・繁栄を

 

『日本の進路』編集長 山本 正治

 1月7日、日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)が開催され、「(日米は対中国の)戦略を完全に整合させ」「南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取り組みを含め、日米の施設の共同使用を増加させる」と確認した。対中戦争準備と疑われて当然だ。沖縄は、「再び戦場化」の危険にさらされる。岸田首相は1月17日、国会の施政方針演説でこうした方向を確認した。
 日本が、中国「抑止」で「有事」をつくりだしてはならない。敵基地攻撃能力獲得など論外だ。

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日中国交正常化と沖縄「施政権」返還の50年

沖縄を再び戦場とさせてはならない  
日米「2+2」、対中戦争準備を確認か

 

参議院議員(会派『沖縄の風』代表) 伊波 洋一

 

 

 今年は、日本と中国の国交正常化から50年であり、沖縄の施政権が米国から日本に返還された50年目の年でもある。しかし、年明け早々の1月7日に開かれた日米の外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会(日米2+2)」で、日米両政府は、南西諸島で台湾有事を想定した対中国戦争の準備作業に入ることを確認したと言える。

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日中国交正常化50年を祝う ■ 日中韓の平和が今後の課題

戦争に近づかない勇気と決断

 

丹羽宇一郎 氏に 聞く

 

 

にわ・ういちろう 1939年、愛知県生まれ。現在、伊藤忠商事株式会社名誉理事、公益社団法人日中友好協会会長。2010年、民間出身では初の中華人民共和国特命全権大使に就任。著書多数、近著に『会社がなくなる!』(講談社現代新書)。

 

歴史に残る平和な50年

 日本と中国が50年間、武器をとらないで、戦いをしないで平和に過ごしてきたのはまさに記念すべきことです。口でのいざこざはありましたが、武器をとって戦いをやったことがないというのは日本と中国というだけでなく、世界全体を見ても、歴史上記録に残るようなことだと思うんです。そういう意味で今年はまさに50周年記念と同時に、平和というのはこういうことなんだと、歴史に残るような平和な姿を世界に示しました。武器をとってのいざこざがないのは、日本と中国以外にないだろうと、誇りに思ってこの50周年記念を祝うべきだと思います。国民連合の皆さんがたも努力されてきたということに、大変に感慨深い思いを私はもっております。日中両国とも皆さんもぜひこれは誇りに思っていいと思うんです。

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主権国家として国民の命を守れ

米軍基地から「染み出した」オミクロン株

 

全駐労沖縄地区本部・與那覇栄蔵 委員長に聞く

 

沖縄県でのオミクロン株感染拡大は、一時、「人口比で世界一」と言われ、米軍から広がったと言われる。全駐留軍労働組合沖縄地区本部の與那覇栄蔵委員長に伺った。聞き手は山内末子沖縄県議。

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