沖縄一覧

「アジアの平和のハブを」―私たちに出来ること

第19回全国地方議員交流研修会特別講演(要旨)

沖縄、長崎、そして地方から

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子 さん

 最初に、いま起こっているパレスチナに対する攻撃とイスラエルの著しい人権侵害の爆撃の問題から話します。もう3週間になろうとしており、ガザで8千人超(当時、2023年12月25日現在は2万人以上)が死傷し、うち半分が子どもと赤ちゃんです。ガザ地域を絶滅させようとするほどの攻撃です。
 これに対しアメリカは国連での「停戦」決議に反対票を投じ続けています。爆撃を支持し、ウクライナでも武器を供給しているのはアメリカや欧州なのです。しかし12月に、国連総会でアメリカを支持したのはたった10カ国。殺戮を止め、停戦と平和を望んでいる国は153カ国にも及び、国連加盟国の79%、世界のほとんどの国々です。それを拒否しているのが米国です。 続きを読む


オスプレイ墜落、南西諸島で戦争準備

「生命を守れ」を躊躇してはならない

鹿児島県議会議員 上山 貞茂

 「民主主義の否定、何を恐れて」――川内原発20年延長の是非を問う県民投票条例が自民党・公明党らの反対多数で否決された時に、県民投票の会の事務局長を務めた向原祥隆さんが発した言葉である。「議員は県民の側に立った判断をしたのか。反対した議員は党派の顔色ばかり窺う。思考停止だ」と怒りをあらわにした。県民投票を求め集まった署名は4万6112筆、法定数2万7千を大きく上回った。地元紙でも「反原発運動を続ける市民団体だけでなく、福島第1原発事故以降、潜在的に原発の不安を感じている人が少なくないことが明らかになった」と報じた。 続きを読む


[米軍オスプレイ墜落]「国家主権なき日本」を改めて暴露

自主的でアジア共生だけが平和で安全の道

『日本の進路』編集部

 米軍オスプレイ墜落とその後の飛行継続強行、さらには事故から1週間後の米軍による飛行全面一時停止決定などの経過は、国家主権なき日本の現実を改めて暴き出した。この国の政府には、国民のいのちも安全も財産も守れない。
 国民のいのちと安全、財産も守れず、何が安全保障か。米軍依存、「抑止力強化」一辺倒ではなく、中国敵視をやめて、対話と外交を中心に自主的な安全保障の確立こそ求められる。
 主権国家を取り戻す、自主の日本を実現する2024年にしたい。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

若者からのメッセージ

「子育てがしたい安心して生きていける島に」

桑江 優稀乃

 私は那覇市出身の桑江優稀乃、いま26歳になりました。先祖代々沖縄です。去年、医師の国家試験に無事合格して(拍手)、今は戦争の足音の高まる沖縄に危機感を感じ、平和を軸にお話し会や反戦ライブを全国各地で行っております。
 大学卒業後、どんどん軍拡されていく沖縄の状態に危機を感じて、中米の国に渡航したり、中国、韓国、アメリカ、タイの学生らと米軍基地を訪問したり、さまざまな国の人たちと交流しています。
 さまざまな経験をするなかで私が大事にしていることは、まず自分自身の心の平和をつくることです。目の前のニュースで流れる戦争などの悲しい現実に心を何度も奪われます。そんなときはこの沖縄の美しい空を見上げて海に身を委ねて、このご先祖さまからつながれた大切な命を感じています。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

平和外交こそ政府が力を入れるべきこと

宮古島平和ネットワーク 福里 猛

 多くの皆さんのご参集に、今とっても奮い立つ思いです。宮古島から来ました宮古島平和ネットワークの福里猛です。
 今、日米両政府は中国が国家統一のために台湾侵攻すると煽り立て、それに備えるとして抑止力の名の下に南西諸島の軍事化を進め、島々が標的にされるリスクを急激に高めています。地対空ミサイル部隊など700人あまりを配備し、集落民家から250メートルの目と鼻の先に弾薬庫2棟、23年3月には射撃訓練場を完成させ、運用を始めています。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

「国民保護計画の検証から」

石垣市議会議員 内原 英聡

 先ほど八重山出身の山根安行さん(八重山古典民謡伝統協会師範)が「とぅばらーま」(八重山民謡)を歌っていらっしゃいました。私が石垣島で生まれ育って島の先輩方から教えられてきたことの一つは、祈りでは平和はつくれないけれど、祈りなくして平和はつくれないということでした。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

「私たちはこの島を捨てられない」

与那国島の明るい未来を願うイソバの会 狩野 史江

 島に自衛隊基地ができて7年。人口流出は止まらず田畑は荒れ、後継者不足で深刻です。その一方で人口に対する自衛隊員比率は現在17%、この先どんどん増え続けることは確実です。
 島の自治が国によって翻弄され、自分たちの島であって自分たちの島でなくなっていくことが悲しいです。台湾有事では与那国島がいちばん危ないと言われ、日本各地からも外国からもたくさんのマスコミが訪れ、島の人を不安に陥れています。町は国へのシェルター要請や避難基金条例を制定し、戦争への準備をあわただしく進めています。自衛隊の隊舎がどんどんつくられ、島が騒々しくなっています。昨年(2022年)11月、日米共同訓練で小さな与那国空港に巨大な戦車が現れ、私たちはどうしても止めたい一心で抗議をしましたが、とうとうここまで来てしまったかと悔し涙がこぼれました。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]基調報告

軍事に頼らない平和・安全保障を新しい時代を若い人がつくる

沖縄国際大学教授 前泊 博盛

 皆さん、こんにちは。
 昨日、中国の新華社通信の記者が取材に来ました。おそらく今日の皆さんの様子も含めて中国に発信をされると思います。その際に私から質問しました。
 「中国では台湾有事が議論になるのか」と。彼は、「そんなことはない。なぜ日本が騒いでいるのかよく分からない」と言いました。誰が台湾有事を仕掛け、そして今沖縄に、南西諸島にこれだけの軍備を強化しようとしているのか、ご存じの方がいるでしょうか。
 「台湾有事は日本有事」だという言葉を発した方がいました。総理をなさった方です。そして同時に軍拡がどんどん進められ始めました。そして沖縄が戦場として想定されるまでになってしまいました。
 なぜ沖縄が戦場になるのか。これについても新華社通信の記者に聞いてみました。「習近平氏に、あるいは政権にしっかりと伝えてほしい。沖縄に何があるからここが戦場になるのか。何がなければこの沖縄と南西諸島は戦場でなくなることができるのか」と。 続きを読む


[沖縄]11・23県民平和大集会

全国が呼応し沖縄で

「対話による信頼こそ平和への道」を強調

  「11・23県民平和大集会~対話による信頼こそ平和への道~」(主催:沖縄を再び戦場にさせない県民の会)が2023年11月23日、沖縄県那覇市の奥武山公園で開かれた。県内外から1万人余(主催者発表)が集まり、「台湾有事」を唱える日米政府の南西諸島軍事強化・戦争策動に反対する闘いを確認し、全国に運動を呼びかけた。
 県内70の団体・個人が呼びかけ人となった。第1部は音楽コンサートやエイサーが2時間、雰囲気を盛り上げた。展示・飲食ブース、巨大アート『スイミーバイ』などの多彩なイベントが同時進行した。同日同時刻に沖縄県石垣島でも集会が取り組まれ、また全国10カ所以上で連帯集会がもたれた。 続きを読む


争うよりも愛したい。 髙良 鉄美

辺野古埋立て設計変更不承認に関する
最高裁判決と沖縄 ―法の支配の視点から―

参議院議員・琉球大学名誉教授 髙良 鉄美

 

 

 

辺野古訴訟の経緯

 米軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古の埋立て工事は、沖縄県民の反対にもかかわらず、強行されてきた。これまでいくつもの裁判が県と国との間で行われてきているが、ここでは2023年9月4日の最高裁判決について取り扱う。埋立て工事は辺野古側と大浦湾側(と言っても対岸ではなく、埋立て区域を便宜上分けただけである)で行われるが、辺野古側は浅瀬で比較的工事がしやすく、現在この部分は一応の埋立ては完了している。大浦湾側については軟弱地盤等の存在もあり、沖縄防衛局は沖縄県知事に埋立て工事の設計変更を申請した。知事が同申請を不承認としたため、沖縄防衛局はこれを不服として、国交大臣に県知事の不承認の取り消しを求めて審査請求を行った。国交大臣は不承認の取消裁決を行い、さらに承認するよう知事に「是正の指示」を行った。この是正の指示が地方自治に対する「違法な関与」にあたるとして県が国を被告として裁判所に判断を求めたものだが、最高裁判所は「国の指示は適法」として上告を棄却した。

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争うよりも愛したい。 屋良 朝博

ウソと詭弁で固めた対沖縄政策
地方は政府に従えー

衆議院議員 屋良 朝博

 

 

 

 米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる政府と沖縄県の裁判闘争は、軟弱地盤改良工事に必要な設計変更を玉城デニー知事に代わって政府が代執行する。地方は政府に従えーとばかりに、地方自治と自己決定権さえ踏みにじるモンスター事業が進んでいく。ひどい国だ。

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争うよりも愛したい。下地 あかね

家の近所から始まった小さな声に翼が与えられ

宮古島市議会議員 下地 あかね

 

 

 

 9月24日、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」設立キックオフ集会が、沖縄市民会館大ホールで行われました。宮古島からはオンライン会場をつないでの参加となりましたが、この集会にこぎつけるまで、10回を超える会合にオンラインで参加しています。侃々諤々の議論を経てのキックオフ集会開催に、大変感慨深い思いになりました。

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沖縄を再び 戦場にさせない!

沖縄県民大会同時集会inおおさか

「遺骨で基地を作るな!緊急アクション!」 

呼び掛け人 西尾 慧吾

 

 「沖縄差別」という言葉が、これほど当てはまるときはない。9月4日、最高裁第1小法廷は、辺野古新基地建設設計変更申請を不承認とした沖縄県に対して国土交通省が出した是正指示を適法とする判決を下した。5人の裁判官全員一致の意見だったという。政府はこの判決を錦の御旗にし、沖縄の自己決定権剝奪に驀進している。
 しかし、地方は国の下請けではなく、地方のことは地方で決める。これが国家総動員体制の復活を防ぐ、「平和国家」日本の屋台骨だ。沖縄の地方自治を政府が公然と破壊し、最高裁がそれにお墨付きを与える現状を、「沖縄の問題」として放置しておいてよいはずがない。

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争うよりも愛したい。阿利 斎生

島が戦場になるということは、
私自身を失うということ

石垣市出身・会社員・26歳 阿利 斎生

 

 

 皆さんこんにちは。石垣市出身の阿利斎生と申します。「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」の事務局におりまして、ふだんは那覇で会社員をしています。
 波照間で生まれ、石垣で育ちました。子どもの時には与那国島に住んでいたこともあります。私が育った島々には美しい歌や芸能があります。この夏、4年ぶりにそれが復活し、島の活気が戻ってきました。この風景がずっとずっとこの先も長く続いていけばいいなと思っています。

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