日中不再戦のために ■ 日中不再戦九州自治体議員の会

広がる日中不再戦九州自治体議員の会(準)

地方と地方、民と民の交流が力に

 

 日中不再戦・平和友好を進める九州自治体議員の会は4月13日、福岡市で結成準備会を開いた。その後、西聖一熊本県議を団長に九州3県の自治体議員と事務局員の計9人が参加して4月23日から28日まで北京、南京を訪ねる訪中団を派遣した。訪中の成果を広め戦争回避・日中友好の機運を高めるため、賛同会員の拡大と、当面二つのことに取り組むことになった。一つは、結成準備会での羽場久美子・青山学院大学名誉教授の記念講演と訪中報告をまとめた冊子を発行すること。もう一つは、訪中報告会を各県で開催すること。報告会は7月21日に福岡市で、8月21日に長崎市でそれぞれ開催された。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 楊 伯江

「一つの中国」という立場を否認?

日本政府は地域対立の「パンドラの箱」を開けようとしている

中国社会科学院日本研究所所長 楊 伯江

 

 

 7月26日にラオスで開いた中日外相会談での上川外相の発言をめぐり、台湾について中国側の事後発表で「『一つの中国』を堅持する立場は何も変わっていない」としたことについて、上川外相は8月2日に「中国側の発表は日本側の発言を必ずしも正確に示すものではなく、日本側の立場を申し入れた」と明らかにした。これをも含めて、最近のさまざまな動きから見受けられるように、日本政府は1972年以来の台湾政策を公然と修正しようとしている。本当にそのようなことになれば、アジア太平洋地域対立の「パンドラの箱」を開けてしまうこととなろう。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 羽場 久美子

 戦後79年 沖縄戦、広島・長崎の原爆

戦争回避・東アジア不戦共同体の実現

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

 戦後79年の暑過ぎた夏。沖縄戦、広島・長崎の原爆、終戦の日を迎えるたびに、なぜ政府も、国民も、戦争を止められなかったのか、と深く自問します。さらになによりも、遅過ぎたのが終戦宣言です。なぜすべてを失うまで、戦争をやめることができなかったのか。
 イスラエルによるガザのジェノサイド戦争と、沖縄・広島・長崎の民衆の悲劇がダブって見えます。それは始まったら止められない東アジアの戦争の予兆でもあります。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 篠原 孝

 中国のめざましい発展

この大国と今後どう付き合っていけばよいのか

衆議院議員 篠原 孝

 

 7月2日から11日まで10日間、中国(北京・天津・淮安・常州)を訪問した。農水省時代、日中韓農業政策研究所長会議で北京に数日滞在したことがあり、実質的には二十数年ぶりの中国だった。 続きを読む


日中不再戦のために ■ 与那国島 住民有志の会

 声明

「日中共同声明」に立ち返り、日中間のすべての紛争は平和的手段で解決しなければならない

 

 日本最西端の与那国町の住民有志は8月4日、島で続く軍事的な動きを懸念し、日本が中国に不戦の誓いを表明した「日中共同声明」に立ち返ることを求め声明を発表した。

続きを読む


主張 ■ 歴史の反省を踏まえなくてはならない(下)

日中国交正常化から52年 激変の世界

「対米自立、アジアの共生」こそめざす国家像

『日本の進路』編集部

 

 日ごとに困難さを増す国民生活、米中対立激化で戦争の危険が高まる東アジアで、わが国の進路が厳しく問われている。
 9月には自民党の総裁選と立憲民主党の代表選があるが、これは単なる党内行事、権力闘争ではあるまい。政権与党とそれに対抗する野党第一党の基本政策=国家ビジョンが争われてしかるべきだ。そう期待したい。 続きを読む


「日中戦争回避、国交正常化の原点に戻ろう」 緊急集会全記録 発行のお知らせ

「日中戦争回避、
国交正常化の原点に戻ろう」
緊急集会(6/17) 全記録

2024年8月1日 発行

発行者 「一つの中国」原則の堅持を求める集会実行委員会
編 集 広範な国民連合・月刊 『日本の進路』編集部
発行者

広範な国民連合全国事務局

〒212-0011川崎市幸区幸町4-8青柳ビル2階
℡ 044-511-0427
e-mail: info1@kokuminrengo.net

頒 価 250円

 


各地の活動 ■ 広範な国民連合・熊本

終わらない水俣病

県は被害者の立場にたて 県知事に要請行動

 今年5月1日、「水俣病犠牲者慰霊式典」後の環境省と患者団体との懇談会で、患者団体の発言をたった3分間で一方的に打ち切るという、まったく理不尽な事態が引き起こされた。熊本の木村知事もその場にいたが、何も言わないままだった。しかも木村知事は、後日の記者会見で「大臣はつるし上げになっていた」と発言し、水俣病被害者のことなどまったく考えていないことが暴露された。 続きを読む



農業基本法改正と関連法成立への懸念

「権利としての食料」を重視する
国際的潮流から考える

愛知学院大学教授 関根 佳恵

 

 

 

1.基本法改正と食料安全保障、フードセキュリティー

 2024年5月29日に、食料安全保障の強化を基本理念に掲げる「改正食料・農業・農村基本法」(以下、改正法)が成立した。日本で言う食料安全保障は、英語のフードセキュリティーを訳したものだが、国際的な定義と国内の定義には違いがある。そのため、本稿では日本の法律に基づくものを食料安全保障、国際的な定義の方をフードセキュリティーと呼ぶ。フードセキュリティーが国際社会で定義されたのは1974年だ。穀物輸出国だったソビエト連邦(現ロシア)が輸入国になることで世界市場が逼迫し、国連世界フードセキュリティー委員会(以下、CFS)が発足した。 続きを読む


食料自給の確立をめざして

農業の衰退を食い止めるための手だて

JA常陸組合長 秋山 豊

 

 

 編集部は、北海道、鹿児島県に次ぐ農業生産県である茨城県の主力JA(農業協同組合)であるJA常陸の秋山豊組合長に、農業の現状と課題、改定農業基本法について、熱心に取り組まれているオーガニック給食支援などについて伺った。(見出しとも文責編集部)

 とにかく現場の農業の衰退が激しいんです。 続きを読む


東日本大震災の経験を基に能登の復興に関わって

自らの住まう地域に
自らが責任を持つ当事者意識が大事

宮城大学特任助教・陸上自衛隊予備自衛官補 阿部 晃成

 

 

 2011年3月11日の東日本大震災で一晩の漂流を経験した私は、津波によって壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の復興に当事者として関わってきました。復興まちづくり協議会への参加や、雄勝町の雄勝地区を考える会といった自治組織も運営しました。実際に進められた被災者の多くが故郷を離れざるを得なくなる〝災害危険区域〟の指定や、3階建てのビルより高い9・7mの巨大防潮堤などの復興計画に対して、現地再建や原型復旧といった対案を示しました。しかし、結局のところ石巻市は被災者の意向を丁寧に聞くことなく、トップダウンの復興計画を実行してしまいます。 続きを読む


能登半島地震と原発

今回の地震は最後の警告と
国も電力会社も真剣に受け止めるべき

志賀町議会議員 堂下 健一

 

 

 厳冬期からせみ時雨へ。梅雨明けに地震関係での避難指示解除を検討したという当初の目標通りに解除がなされる予定です。
 7カ月暮らした施設は福島第一原発事故後に全国の原発立地自治体で整備された原発防災施設です。一人3㎡で70人収容が基準で、そこには簡易ベッドや防災毛布、長期保存のきく水や食料品が備蓄されており、要支援者の方が原発事故からの被害を最小限に抑えるために、しばらく避難できる施設として整備されています。 続きを読む


秋田県大館市の「中国人殉難者慰霊式」参加レポート

日中友好に後ろ向きの社会で、
平和の片鱗を見いだす

上海交通大学副研究員 石田 隆至

 

 現在の日本で「日中友好」という言葉を口にするには、時と場を選ぶ。〝中国と仲良くしよう〟という当たり前のことを言うだけでも、勇気が必要になったり、なぜなのかと説明が求められたりする。
 去る6月30日に大館市を訪れ、戦時中に強制連行された中国人犠牲者の慰霊行事に参加した。花岡町(現大館市)では1945年6月、苛酷な虐待に耐えかねた中国人800人が蜂起した。強制連行加害の象徴的な地の一つだ。一方、戦後間もない時期から市民が真相究明や、被害者の追悼に取り組んできた。 続きを読む