課題・言葉一覧

社会学者 大澤 真幸さんは語る [1]

資本主義の限界露呈の下での米中激突
戦争の危険を遠ざける長期策と当面の策

 

構成
(前文)
 真に信じなければいけないことがある
コロナが突きつけた資本主義の本当のこと
 経済が急停止し地獄を見た
「裸の王様」
「2種類の資本主義」
 生き延びるとしたら「中国型」を不安がる米国
基本的な仕組みを全体的に再構想する(本号ここまで)
米中戦争をさしあたって避ける
 どっちつかずの日本は不可能
 拒否できない日本でよいか

 

 ちょっと変な話からですが、普通、人は予想していなかったことや知らなかったこと、未知のものとかが起こったりすると驚くわけです。それは当たり前です。しかし最近僕は、人はあらかじめ予想していたりある程度知っていたりしたことが起きても驚くことがあるということに改めて気がついた。 続きを読む


強制連行犠牲者追悼碑撤去処分

不当極まりない東京高裁判決を糾弾する

 

群馬の森追悼碑裁判弁護団長 広範な国民連合代表世話人 角田 義一

 

二度と過ちを繰り返さない誓い

 東京高等裁判所民事第10部高橋譲裁判長は8月26日、群馬の森追悼碑裁判で極めて不当な判決を下した。一審の前橋地裁は、群馬県の不許可処分を取り消す判決を下していた。ところが、東京高裁の高橋裁判長は原告の請求を棄却した逆転判決を下した。 続きを読む


臨時病院・増床でコロナ陽性者の入院治療を求める [2]

悪政による人災。人の力で止めましょう!

 

一般社団法人全国労働安全衛生研究会、甲府市議会議員 山田 厚

 8月31日、厚生労働省に、自治体議員賛同者による要望書を提出いたしましたが、賛同していただいた自治体議員さんは、社民党・新社会党・立憲民主党・緑の党・共産党・無所属などの皆さんの自主参加で306名になりました。わずか5日間の呼びかけで、これだけ多くの賛同者が集まったことは、入院治療できないことや感染へのいのちの不安が切実に強まっていることの表れかと思います。さらに「私も参加したい。第二次募集をしてください」との声をいくつもいただいています。 続きを読む


臨時病院・増床でコロナ陽性者の入院治療を求める [1]

全国の地方議員有志が要望書を厚労省に提出

 全国の地方議員有志は8月31日、田村憲久厚労相宛ての『コロナ陽性者の「自宅療養」をやめ、国の公的責任による臨時病院の病床増で入院治療を求める』要望書を提出した。賛同地方議員306人を代表して五十嵐やす子・板橋区議が参院議員会館で厚生労働省の担当者に手渡した(写真、要望書、別掲)。第17回全国地方議員交流研修会で報告者となった山田厚・甲府市議(一般社団法人全国労働安全衛生研究会代表)が呼びかけ(談話、別掲)、全国地方議員交流会事務局も協力した。コロナ感染症対策で人数が絞られたが、山田市議の他、福島みずほ・社民党党首、松尾ゆり・杉並区議(広範な国民連合・東京事務局長)、他が参加した。 続きを読む


米軍PFOS汚染水を普天間基地などで垂れ流し

処理費用約1億円を日本政府が負担、これで独立国か

沖縄県議会議員 玉城 健一郎

 自民党の総裁選告示日の翌日、地元紙の一面は自民党総裁選と「米軍PFOS(ピーホス)日本が処分 普天間汚染水費用9200万円負担」(琉球新報)、「普天間汚水日本が処分 PFOS含有費用9200万円負担」(沖縄タイムス)だった。
 米軍は7月、普天間飛行場内で泡消火剤などに使われたPFOSを含む汚染水を厚生労働省の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)に処理した上で公共下水道に流したいという意向を日本政府に伝えた。これに対して、地元である宜野湾市、沖縄県は焼却処分を求めていた(宜野湾市議会においては汚水の適切な処理を求める意見書決議まで出した)。それにもかかわらず米軍は8月26日、PFOSを含む汚染水を公共下水道に放出。これに対して、沖縄県議会は9月10日、宜野湾市議会は8日に意見書と抗議決議をそれぞれ全会一致で採択した。そのような中で今回の日本政府の対応である。 続きを読む


コロナと米と農村の現場から

 

山形県・農業、一般社団法人・置賜自給圏推進機構代表理事 渡部 務

 これが掲載されるころ、当地方は稲刈りが終わって、冬の準備だろうか。今年は盆後の長雨と一時的な低温で「いもち病」の心配もあったが、まずまずの出来である。黄金色に色づき始めた稲穂を見るにつけ一年の努力が実を結ぶうれしさと、その上を飛ぶ赤とんぼ、そのバックには真っ赤に染まった夕日を思い浮かべると、日本人の琴線にふれる風景をこれからも残さなければと思う。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-8

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

地域にも不可欠な中国との経済関係

 

筑紫野市議会議員(福岡県) 上村 和男

 先だって、「日経新聞」に「トヨタが大幅に黒字」という記事がありました。その理由の一つは、中国への自動車輸出が伸びているということが理由として挙げられていました。
 福岡県はトヨタ、日産、ダイハツの工場が立地しています。ですから、かつて九州は「シリコン・アイランド」と言われたんですが、最近は「カー・アイランド」というふうに言われています。それくらい地域経済のなかで自動車の占める割合は大きいのです。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-7

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

アジアの共生を進める

金沢市議会議員(石川県)  森 一敏

 金沢大学の教育学系の学生たちと討論する機会がありました。金沢市では育鵬社の歴史教科書を採択、再採択しており、この問題について議論したら、ある学生から、「韓国のように反日の教科書を編集して使用させている国は他にもあるのか」という問いが私に投げかけられました。
 これが一般的な現在の学生の認識かどうかは分かりませんけど、金沢市の教科書採択の動向などが影響を与えている可能性があるのかなと思っています。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-6

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

自治体の立場で何ができるか考える

柳澤 協二

 はい。とりあえず2点だけ申し上げますと、まずは私も台湾問題にどういう答えを出すべきなのかといろいろ悩んでいるんですね。
 とりあえずは、「『一つの中国』の合意に戻れ」と政府レベルでアメリカに対しても言うこと、それはあり得るとは思うんだけど、緊急避難的にね。しかし、「一つの中国」ということを台湾の人たちが望んでいるのかという、もっと本質的な問題もあるわけです。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-5

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

日米地位協定の抜本改定の闘い

神奈川県議会議員 日下 景子

 はい。皆さん、こんにちは。神奈川県議の日下景子です。
 今日は、日米地位協定の抜本改定と、「思いやり」予算の廃止などを求めた知事要請の報告をします。
 7月13日に国民連合・神奈川の皆さん、そして、その他4団体十数人で要請書を出しました。これは今年でもう5回目になります。基地対策課の部長等が出てきます。毎年、渉外知事会というのが8月初めにあるので、7月の終わりくらいということで毎年出しているところです。沖縄に次ぐ「第二の基地県」ということで、黒岩知事が渉外知事会の会長をずっと務めています。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-3

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

南西諸島での自衛隊基地強化の実態

西之表市議会議員(鹿児島県) 長野 広美

 はい。ありがとうございます。
 皆さん、こんにちは。西之表市議会議員の長野と言います。
 まず、馬毛島の現状を少しご報告いたします。
 今、私たちが戦々恐々としているのは、日本のどこにもない、もしかしたら世界のどこにもない軍事施設が馬毛島にできるのではないかという思いです。
 馬毛島は鹿児島県のおへそにあたる部分にあります。小さな島ですけど、航路、空路の中心に位置します。そして、私たちが暮らす西之表市から西に10キロしか離れていません。実は大隅半島からも30キロしか離れていない位置にあります。面積は約8千平方キロメートル、南北に2・5キロ、東西に2キロ程度の島です。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-1

 第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

沖縄での米軍基地と県民生活の実態

うるま市議会議員(沖縄県)国吉 亮

 はい。よろしくお願いします。
 沖縄県うるま市は、地図で説明するとちょうど沖縄県の真ん中にあたります。
 今日は沖縄県うるま市の基地の現状ということで6点報告したいと思います。
 まず1番目です。
 うるま市では、今年6月10日に、米軍基地キャンプ・コートニーからPFOSという有害成分を含む汚染水が流失しました。このPFOSという成分は人体に悪影響を引き起こし発がんの可能性があり、奇形児が生まれたりする大変恐ろしい物質です。 続きを読む


9・18満州事変90周年

寺沢秀文・満蒙開拓平和記念館館長に聞く

今、生かさなくてはならない『満蒙開拓』の歴史

 

 9月18日、満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)から90年を迎える。旧南満州鉄道の線路が「爆破」されたという事件である。日露戦争の結果「満州」での権益を獲得した日本は、植民地権益拡大を狙い兵力行使の口実をつくるために、関東軍幹部が仕組んだものであった。翌年には、傀儡国家「満州国」がつくられ、中国への侵略が拡大していく。軍隊だけでなく、青少年を含む民間人も「開拓団」として送り込まれた。
 今日、衰退するアメリカの中国封じ込め戦略に従った安倍・菅政権のもとで日中関係はかつてない険しさとなっている。政府やマスコミにあおられ、国民の間にも「嫌中」「反中」感情が高まっている。こうした今、歴史に学び、今に生かすことは重要である。編集部は、長野県阿智村に民間の力でつくられた『満蒙開拓平和記念館』館長の寺沢秀文さんにお話を伺った。文責、見出しを含めて編集部。

オンラインで話される寺沢さんと展示に見入る中学生たち

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コロナ禍の困窮者支援の現場からの提言

今こそ公助の出番!

コロナ災害対策自治体議員の会共同代表
広範な国民連合・東京世話人/足立区議会議員
おぐら 修平

 8月10日に開催された全国地方議員交流研修会で、コロナ禍の困窮者支援の現場からの報告を行った。コロナ禍で失業、家賃滞納や派遣切り寮退去などで職も住まいも失った人々を支援する現場から見えてきた課題と、国や自治体に求める政策について述べたい。 続きを読む