沖縄を再び戦場とさせてはならない
日米「2+2」、対中戦争準備を確認か
参議院議員(会派『沖縄の風』代表) 伊波 洋一
今年は、日本と中国の国交正常化から50年であり、沖縄の施政権が米国から日本に返還された50年目の年でもある。しかし、年明け早々の1月7日に開かれた日米の外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会(日米2+2)」で、日米両政府は、南西諸島で台湾有事を想定した対中国戦争の準備作業に入ることを確認したと言える。
参議院議員(会派『沖縄の風』代表) 伊波 洋一
今年は、日本と中国の国交正常化から50年であり、沖縄の施政権が米国から日本に返還された50年目の年でもある。しかし、年明け早々の1月7日に開かれた日米の外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会(日米2+2)」で、日米両政府は、南西諸島で台湾有事を想定した対中国戦争の準備作業に入ることを確認したと言える。
丹羽宇一郎 氏に 聞く
にわ・ういちろう 1939年、愛知県生まれ。現在、伊藤忠商事株式会社名誉理事、公益社団法人日中友好協会会長。2010年、民間出身では初の中華人民共和国特命全権大使に就任。著書多数、近著に『会社がなくなる!』(講談社現代新書)。
日本と中国が50年間、武器をとらないで、戦いをしないで平和に過ごしてきたのはまさに記念すべきことです。口でのいざこざはありましたが、武器をとって戦いをやったことがないというのは日本と中国というだけでなく、世界全体を見ても、歴史上記録に残るようなことだと思うんです。そういう意味で今年はまさに50周年記念と同時に、平和というのはこういうことなんだと、歴史に残るような平和な姿を世界に示しました。武器をとってのいざこざがないのは、日本と中国以外にないだろうと、誇りに思ってこの50周年記念を祝うべきだと思います。国民連合の皆さんがたも努力されてきたということに、大変に感慨深い思いを私はもっております。日中両国とも皆さんもぜひこれは誇りに思っていいと思うんです。
(一社)日中協会理事長 瀬野 清水
日中国交正常化から50周年の佳節を迎える。この間、日中両国で合意をみた条約や声明などは4回発表されており、これらは「4つの政治文書」と称されている。両国が常に立ち返るべき原点だ。改めてこれら4つの政治文書を読んでみると、共通した内容の文言があることに気づく。日中不再戦の誓いである。表現の違いこそあれ、いずれの文書にも日中両国は「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないこと」を確認している。
沖縄大学地域研究所特別研究員 泉川 友樹
1979年、沖縄県生まれ。沖縄国際大学卒、放送大学大学院修士課程修了。2003年、北京外国語大学に留学。06年から日中経済交流促進団体に勤務、20年から沖縄大学地域研究所特別研究員。
2022年は日本、中国、沖縄にとって極めて重要な意義を持っている。一つは沖縄の「復帰」50周年、もう一つは日中国交正常化50周年だ。
元早稲田大学総長 西原 春夫
今年は日中国交回復50周年という節目の年に当たる。本来なら、紆余曲折を経ながらそれなりに友好関係を結んでこられた日中関係を祝賀し、今後さらにこの関係を発展させるよう両国で盛大な諸行事を開催すべきところだろう。しかしここ数年、中国に対する国際社会の対応は今までになく厳しくなったので、日本も日中関係だけを考えた対応ができないようになってしまった。まして50年前両国首脳が日中共同声明を出した9月29日という日に中国が国際社会の中でどのような位置づけになっているかさえ見当がつかない。これが与えられた現実である。
参議院議員(会派「沖縄の風」代表) 伊波 洋一
ご参加の皆さん、参議院議員の伊波洋一です。本日の取り組みに会場参加したかったのですけれども、衆議院総選挙に向けた取り組みの中で、今先島の方に来ております。あらかじめレコーディングして皆さまに私の方から沖縄の報告をしていきたいと思います。沖縄の現場からは、今日の集まりの課題になっております「対中国外交の転換」がなぜ必要かということがよく見える状況です。
青山学院大学名誉教授 羽場 久美子
私からは、少し情報過多になるかもしれませんが、事実から、近隣国の相互信頼と発展が日中関係の基礎になるということを提起したい。それが戦争を避けるための基本になるというお話をさせていただきたいと思います。
国際地政学研究所理事長(元内閣官房副長官補) 柳澤 協二
私は防衛官僚でしたが、軍事の専門家でも中国問題の専門家でもない。しかし、戦争というのは別に軍事だけでやるものではなく、軍事と政治と経済・社会と、そういうものの総合的作用として戦争があることははっきり言えます。
元駐中国大使(元内閣外政審議室長) 谷野 作太郎
いただいたテーマが「対中国外交の転換を求める」という大変大きなテーマ、それを短時間でお話しすることはなかなか難しいんですが、時計を見ながらお話ししたいと思います。鳩山先生のお話の中の「日中両国は国交正常化の原点に戻ろう」という点についてはお手元に配布されている資料の中に、同じテーマで私が書いたもの(谷野作太郎著・東洋経済新報社2017年刊『中国・アジア外交秘話』第5章の一部、「日中両国は45年前の関係正常化の原点に帰れ」32ページに要約を掲載)がありますのでここでは省略します。
伊波 洋一
台湾有事での戦争というのは日本が関与しなければ、アメリカはできないということができると思います。だから、集団的自衛権として日本が台湾有事に関与しないことを、大事にしないといけないと思います。
先ほどの沖縄の島々からのロケット砲の発射や、中距離ミサイルを日本に展開させ、そこから発射することは、日米安保条約の事前協議の対象なので、日本が了解したことになり、その時点で中国と敵対することになります。 続きを読む
広範な国民連合代表世話人 原田 章弘
日米共同宣言で菅は「反中国」「台湾」の踏み絵を踏んだ。前安倍政権はQuad(クアッド)で「中国封じ込め」を提起し、以降も、米同盟国が香港、台湾を巡って東アジアの対立を煽っている。横須賀を母港とする米第七艦隊が台湾海峡の警戒航行を繰り返す。日本は米の対中戦争を許すべきでないし、協力もすべきでない。 続きを読む
企業経営者が個人として集まる公益社団法人経済同友会は6月、「日中経済交流の役割」と題する、2020年度日中交流PT活動報告書を発表した。報告は、「日本が、同じアジアの一員として中国と接し、欧米諸国と中国の関係性強化、国際社会の安定に貢献することは十分可能である」と、冒頭に断言する。政界やマスコミから「中国脅威・敵視」が振りまかれる厳しい状況下ではあるが、なおかつ多くの企業家、経済人が日中関係の発展を求めていることを示している。「中国は敵ではない」「アジアの共生だけがわが国の活路」である国の進路を実現する上で重要な意義をもつ提言である。
(以下要旨、編集部。全文は、https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/210608a.pdf) 続きを読む
『日本の進路』編集部
「総選挙を待ってはいられない」と、コロナ被災者支援に取り組む反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長は訴える。職も住居も失う労働者、営業困難に陥っている中小零細商工業者などの実態は厳しく緊急の支援が待ったなしだ。コロナ禍中、オリンピックどころではない。国民生活と経済が直面した危機的事態に、国と地方自治体の抜本的な対策が求められる。 続きを読む