課題・言葉一覧

沖縄の先島諸島からの避難計画

 避難計画   私たちの島
〝だれもいない場所〟になってしまうのか

石垣市議会議員 花谷 史郎

 

 

 今年3月27日、政府は沖縄の先島諸島からの避難計画をまとめ、公表しました。約12万人を6日程度で九州と山口県の32自治体へ避難させるものです。民間フェリー、海上保安庁や自衛隊が確保した船、航空機などを使って、1日およそ2万人を輸送する計画となっています。 続きを読む


戦争止めよう! 大分・湯布院の闘い

戦争の火ぶたを切らせない 大分・湯布院の闘い

戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク 大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会
運営委員 池田 年宏

大分駅前スタンディング

 

一、戦争を拒む大分の思い

 ミサイルを使って殺したいと思うまでに憎い人が、海の向こうにいるのでしょうか。「自衛のため」という大義名分による相手国への攻撃が「報復」を伴うことはないのでしょうか。弾薬庫のある大分市やミサイル連隊の司令部がある湯布院が標的になるのは明らかで、基地の強靱化により自衛隊幹部は守られるとしても、周辺住民や一般隊員の命と暮らしは奪われます。私たちの死は80年前のように「尊い犠牲」として片づけられ、挙げ句、骨や血肉の混ざる土が次なる戦争のための基地建設に使われることになるのでしょうか。 続きを読む


日米地位協定の抜本的見直し

日米地位協定の
抜本的見直しを求める意見書が採択

鳥栖市議会議員 牧瀬 昭子

 

 

 「沖縄だけの問題ではない」
 この言葉を、どれだけ自分の中に落とし込めていたのだろうか―そう問いかけながら、私は今回の意見書作成に取り組みました。
 沖縄の皆さんが長年にわたって受けてきた数々の理不尽。米軍基地からの騒音、事故、汚染、そして繰り返される性暴力事件。
 その多くは、日本本土に住む私たちが「沖縄に押しつけてきた」現実でもあります。 続きを読む


子どもの貧困

 「こども計画策定」にあたって

子どもの貧困の解消へ

㈳おきなわ子ども未来ネットワーク代表 山内 優子

全国地方議員交流研修会第4分科会の問題提起者、座長団の方がたなど(左4人目山内優子さん)

 

 私は児童相談所に勤めて、そこでたくさんの虐待された子どもとか貧困家庭の子どもを見てきました。今から10年ぐらい前に本土の方から「授業料を払えない、給食費を払えない、そういう貧困の子どもが増えてきている」という話を聞きました。そのときに「え?給食費払えない、授業料払えないとか、そういう子どもたちを貧困って言うの?」と思ったわけです。沖縄の子どもたちの貧困というのはそんなレベルじゃないと思いまして、その言葉に大変ショックを受けました。 続きを読む


主張 ■ 戦後80年総理談話を求める

70年安倍談話の国民的検証が必要である

『日本の進路』編集長 山本正治

 

 今年は、日本のアジア侵略戦争と対米戦争の敗戦から80年である。この節目の年に、しっかりと過去を見つめ直し、必要な反省と謝罪をもって次の世代に引き継ぐことは、今を生きる者の未来への責任である。 続きを読む


令和の百姓一揆 鈴木 宣弘

 国防の要は食料・農業だ

「日本型直接支払い」の実現に向けて

東京大学特任教授・名誉教授/食料安全保障推進財団理事長 鈴木 宣弘

 

 

 

はじめに

 日本の食料自給率は種や肥料の自給率の低さも考慮すると38%どころか最悪10%を切るとの試算もある。海外からの物流が停止したら世界で最も餓死者が出るのが日本との試算もある。
 国際情勢は、お金を出せばいつでも食料が輸入できる時代の終わりを告げている。片や、日本の農家の平均年齢は68・7歳。あと10年で日本の農業・農村の多くが崩壊しかねない深刻な事態に直面している。しかも農家は生産コスト高による赤字に苦しみ、廃業が加速している。これでは不測の事態に子どもたちの命は守れない。私たちに残された時間は多くない。 続きを読む


令和の百姓一揆 6

「令和の百姓一揆」連帯スタンディング・熊本

農家を応援する熊本の会 渡邉 浩

 

 東京でのトラクターデモのことを知って、知り合いに伝えると、「すごいことが始まるなあ」、「でも東京までは行けんなあ」とか「熊本でも何かやれんだろうか」という声をいくつも聞きました。そこで「農家を応援する熊本の会」というのを有志で立ち上げ、スタンディングの用意をして、できる限りの農家、消費者に呼びかけました。 続きを読む


令和の百姓一揆 5

福岡県大牟田市

広範な国民連合・大牟田地区懇談会 樋口 茂敏

 

 私たちは、「みんなで語ろう『食と農の今を考える』」というシンポジウムを4月19日に開く準備をしている中で「令和の百姓一揆」のことを知りました。呼びかけに「3月30日のトラクターデモを起点に、以降全国でデモやシンポジウムを」とあったので、私たちの取り組みもその一環として位置付けていただこうと思いました。そうすると3月30日は動く必要がある。 続きを読む


令和の百姓一揆 4

福岡の報告

福岡令和の百姓一揆実行委員会 福岡市議会議員 森 あやこ

 

 気候危機も叫ばれる水の星、地球の危機!
 「農は自然の恵み」「食はいのちの糧」、何とかせねば!!との思いで、福岡市でも「令和の百姓一揆」トラクターデモに連帯しました。 続きを読む


令和の百姓一揆 3

いま気づかなければ!

宮城県大崎市議会議員 小沢 和悦

小沢 和悦-食料自給確立自治体議員連盟(先頭右が筆者)

危機感共有の歴史的一日

 令和の百姓一揆実行委員会が呼びかけた「令和の百姓一揆」は集会への参加者数3200人、デモ参加者数はトラクター30台と沿道参加者を含め4500人超という首都東京の都心で繰り広げられた壮大な規模の行動となり、「食料自給確立をめざす地方議員連盟」の横断幕のもと参加させていただいた私は大きな感動を受けました。1970年代~80年代の農協主体の「日当動員」の米価闘争と違って、「令和の百姓一揆」の参加者はそれぞれ旅費を負担して参加した危機感を共有する農民であり消費者です。 続きを読む


令和の百姓一揆 2

北海道での取り組み強化の決意を誓った

北海道議会 民主・道民連合農業政策推進議員連盟
会長 北口 雄幸
事務局長 木葉  淳
事務局次長 清水 敬弘

北海道議会の3人(右が筆者)

 

 3月30日、「令和の百姓一揆」が全国各地で開催された。私たち3人は、あえて東京での集会に参加した。
 都心の公道を、全国から集まった色とりどりのトラクターが次々と進んで行く光景を、都心を行き交う人々はどのように受け止めたのだろうか。時は年度末3月の最終日曜日。週が明けたら始まるであろう新生活に向け、さまざまな思いが行き来する首都東京を舞台に行われたデモ行進。「農業を守ろう」「農家を守ろう」「欧米並みの所得補償を」トラクター30台の後に続き行進をする人々が声を上げる。「のぼり旗」や「筵旗」を手に……。実行委員が用意した4500枚の「令和の百姓一揆」と記された団扇はなくなった。 続きを読む


令和の百姓一揆 1

 農家と消費者の画期的行動

農業危機突破の烽火

 

 日本農業の危機突破を呼びかけた「令和の百姓一揆」(菅野芳秀代表)が3月30日、東京と全国14カ所ほかで開催された。
 メイン会場の東京では、トラクター30台を先頭とするデモ行進に4500人が参加した。沿道で共感を寄せる人々が手を振り、声援を送る光景が多く見られたことは大きな特徴だった。
 各地でも「令和の百姓一揆」は分かっているだけでも沖縄県、山口県、熊本市、熊本県山江村人吉、福岡南筑後、福岡市、鹿児島県いちき串木野市、奈良県、北海道札幌市、岐阜県、富山県、静岡県浜松市、大分県、京都、滋賀県などでさまざま取り組まれた。 続きを読む


社会保障 ■ 地域のケアをどう支えるか?

岐路に立つ日本の社会保障と介護保険

鹿児島大学法文学部教授 伊藤 周平

 

いとう・しゅうへい 1960年生まれ。専攻は社会保障法。東京大学大学院修了。法政大学、九州大学助教授を経て、2017年より現職。著書に『社会保障入門』(ちくま新書)、『岐路に立つ日本の社会保障―ポスト・コロナに向けての法と政策』(日本評論社)など多数

 

【1】社会保障の基本は公的責任

 日本国憲法25条は、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(「生存権」といわれる)を明記し(25条1項)、同条2項で「国は、すべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定し、生存権を保障する義務を国(自治体も含む)に課している。 続きを読む


核禁条約 ■ 第3回締約国会議と高校生平和大使の取り組み

日本は『非核3原則』堅持で核禁条約へ即時加盟を

平和活動支援センター 平野 伸人 (被爆体験者訴訟の原告団相談役、全国被爆2世団体連絡協議会・特別顧問)

 

 今年3月3日(日本時間4日)、アメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約第3回締約国会議は、5日間の日程で署名国・批准国政府代表等が集まり、核実験による被害者支援と環境回復に向けた話し合いをおこなった。 続きを読む