課題・言葉一覧

転換点で方向模索する労働運動

2023年 IGメタル第25回定期大会に参加して

ものづくり産業労働組合JAM会長 安河内 賢弘

 「あなたは投票結果を受け入れ、会長に就任することを承認しますか?」
 「はい!」
 一瞬の静寂の中で、一人の女性が立ち上がり、代議員席に向けてすべての参加者が驚愕するほど大きな声でイエスと叫んだ。次の瞬間、会場全体が総立ちになり興奮に包まれた。彼女の手には作業服を着た短髪の女性が握りこぶしを作ったイラストの描かれたプラカード。そのプラカードにはIGメタルのロゴとともに、“We Can Do It”と書かれていた。紺色のスーツに身を包み、長身でいかにもドイツ人らしい骨格をもった彼女は、鳴りやまない拍手の中で壇上に上がり、スピーチを始めた。
 「IGメタルは強くあり続けることが世界から求められている」
 彼女の名前は、クリスティアーネ・ベナー、IGメタル初の女性会長の誕生である。 続きを読む


[米軍オスプレイ墜落]「国家主権なき日本」を改めて暴露

自主的でアジア共生だけが平和で安全の道

『日本の進路』編集部

 米軍オスプレイ墜落とその後の飛行継続強行、さらには事故から1週間後の米軍による飛行全面一時停止決定などの経過は、国家主権なき日本の現実を改めて暴き出した。この国の政府には、国民のいのちも安全も財産も守れない。
 国民のいのちと安全、財産も守れず、何が安全保障か。米軍依存、「抑止力強化」一辺倒ではなく、中国敵視をやめて、対話と外交を中心に自主的な安全保障の確立こそ求められる。
 主権国家を取り戻す、自主の日本を実現する2024年にしたい。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

若者からのメッセージ

「子育てがしたい安心して生きていける島に」

桑江 優稀乃

 私は那覇市出身の桑江優稀乃、いま26歳になりました。先祖代々沖縄です。去年、医師の国家試験に無事合格して(拍手)、今は戦争の足音の高まる沖縄に危機感を感じ、平和を軸にお話し会や反戦ライブを全国各地で行っております。
 大学卒業後、どんどん軍拡されていく沖縄の状態に危機を感じて、中米の国に渡航したり、中国、韓国、アメリカ、タイの学生らと米軍基地を訪問したり、さまざまな国の人たちと交流しています。
 さまざまな経験をするなかで私が大事にしていることは、まず自分自身の心の平和をつくることです。目の前のニュースで流れる戦争などの悲しい現実に心を何度も奪われます。そんなときはこの沖縄の美しい空を見上げて海に身を委ねて、このご先祖さまからつながれた大切な命を感じています。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

平和外交こそ政府が力を入れるべきこと

宮古島平和ネットワーク 福里 猛

 多くの皆さんのご参集に、今とっても奮い立つ思いです。宮古島から来ました宮古島平和ネットワークの福里猛です。
 今、日米両政府は中国が国家統一のために台湾侵攻すると煽り立て、それに備えるとして抑止力の名の下に南西諸島の軍事化を進め、島々が標的にされるリスクを急激に高めています。地対空ミサイル部隊など700人あまりを配備し、集落民家から250メートルの目と鼻の先に弾薬庫2棟、23年3月には射撃訓練場を完成させ、運用を始めています。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

「国民保護計画の検証から」

石垣市議会議員 内原 英聡

 先ほど八重山出身の山根安行さん(八重山古典民謡伝統協会師範)が「とぅばらーま」(八重山民謡)を歌っていらっしゃいました。私が石垣島で生まれ育って島の先輩方から教えられてきたことの一つは、祈りでは平和はつくれないけれど、祈りなくして平和はつくれないということでした。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]発言・メッセージ

「私たちはこの島を捨てられない」

与那国島の明るい未来を願うイソバの会 狩野 史江

 島に自衛隊基地ができて7年。人口流出は止まらず田畑は荒れ、後継者不足で深刻です。その一方で人口に対する自衛隊員比率は現在17%、この先どんどん増え続けることは確実です。
 島の自治が国によって翻弄され、自分たちの島であって自分たちの島でなくなっていくことが悲しいです。台湾有事では与那国島がいちばん危ないと言われ、日本各地からも外国からもたくさんのマスコミが訪れ、島の人を不安に陥れています。町は国へのシェルター要請や避難基金条例を制定し、戦争への準備をあわただしく進めています。自衛隊の隊舎がどんどんつくられ、島が騒々しくなっています。昨年(2022年)11月、日米共同訓練で小さな与那国空港に巨大な戦車が現れ、私たちはどうしても止めたい一心で抗議をしましたが、とうとうここまで来てしまったかと悔し涙がこぼれました。 続きを読む


[沖縄 11・23県民平和大集会]基調報告

軍事に頼らない平和・安全保障を新しい時代を若い人がつくる

沖縄国際大学教授 前泊 博盛

 皆さん、こんにちは。
 昨日、中国の新華社通信の記者が取材に来ました。おそらく今日の皆さんの様子も含めて中国に発信をされると思います。その際に私から質問しました。
 「中国では台湾有事が議論になるのか」と。彼は、「そんなことはない。なぜ日本が騒いでいるのかよく分からない」と言いました。誰が台湾有事を仕掛け、そして今沖縄に、南西諸島にこれだけの軍備を強化しようとしているのか、ご存じの方がいるでしょうか。
 「台湾有事は日本有事」だという言葉を発した方がいました。総理をなさった方です。そして同時に軍拡がどんどん進められ始めました。そして沖縄が戦場として想定されるまでになってしまいました。
 なぜ沖縄が戦場になるのか。これについても新華社通信の記者に聞いてみました。「習近平氏に、あるいは政権にしっかりと伝えてほしい。沖縄に何があるからここが戦場になるのか。何がなければこの沖縄と南西諸島は戦場でなくなることができるのか」と。 続きを読む


[沖縄]11・23県民平和大集会

全国が呼応し沖縄で

「対話による信頼こそ平和への道」を強調

  「11・23県民平和大集会~対話による信頼こそ平和への道~」(主催:沖縄を再び戦場にさせない県民の会)が2023年11月23日、沖縄県那覇市の奥武山公園で開かれた。県内外から1万人余(主催者発表)が集まり、「台湾有事」を唱える日米政府の南西諸島軍事強化・戦争策動に反対する闘いを確認し、全国に運動を呼びかけた。
 県内70の団体・個人が呼びかけ人となった。第1部は音楽コンサートやエイサーが2時間、雰囲気を盛り上げた。展示・飲食ブース、巨大アート『スイミーバイ』などの多彩なイベントが同時進行した。同日同時刻に沖縄県石垣島でも集会が取り組まれ、また全国10カ所以上で連帯集会がもたれた。 続きを読む


朝鮮植民地支配の罪悪 西澤 清

民衆の立場で掘り下げよう 朝鮮植民地支配の罪悪

東京朝鮮人強制連行真相調査団代表 西澤 清

 

江戸時代の友好的朝鮮外交

 日本の朝鮮侵略の野望は、豊臣秀吉の「壬申の侵略」(1592年)、「慶長の侵略」(1597年)までさかのぼる。侵略の目的は朝鮮の植民地化と明の征服であり、朝鮮本土の住民虐殺、西国大名による良質な労働力収奪=陶工・奴婢の拉致などは、現在と同じ構造である。
 徳川幕府は、断絶していた李氏朝鮮との国交を回復すべく日本側から打診し、対馬藩を窓口として交易は開かれ、全行程に約1年を要した朝鮮通信使が12回も来ている。江戸時代に友好関係は維持されていたのだ。

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民族差別を許さない 谷口 滋

植民地主義、同化政策によるアイヌ民族差別

元東京教組委員長、広範な国民連合・東京世話人 谷口 滋

 

 侵略と植民地主義によって差別が生まれることは周知のことですが、日本の植民地支配は、アイヌモシリ(北海道)に始まり、琉球、朝鮮、台湾に及びました。
 アイヌ民族に対して明治政府は、土地(アイヌモシリ)を奪い、生活の糧であったサケや鹿などの狩猟を奪い、名前や言語を含む文化を奪って、日本人への徹底した同化を迫りました。これらの侵略と植民地支配によって、アイヌ民族を蔑む差別を蔓延させたことは言うまでもありません。この植民地支配と同化政策は、琉球、朝鮮、台湾にも引き継がれました。
 アイヌ民族に限らず、琉球、朝鮮、中国への差別、偏見、敵対は日本の植民地支配と同化政策を歴史的事実として反省し、克服できていないことに起因すると思います。

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食料安全保障推進は喫緊の課題 鈴木 宣弘

日本の食料・農業危機の深層と日本社会崩壊の足音

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘

 ロシアがウクライナの穀物積み出し港の攻撃を7月に再開し、インドは世界の輸出の4割を占めるコメの輸出の多くを7月から停止した。紛争に備えて中国は人口14億人が1年半食べられるだけの穀物を備蓄するために買い占めているという(一方、日本の穀物備蓄能力は1・5~2カ月だ。この点でもまったく危機への備えに雲泥の差がある)。さらに、イスラエル・パレスチナ紛争も勃発した。国際情勢はさらに悪化している。

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「いちのたんぼの会」の20年を振り返る

市民が農作業を続けてきて

いちのたんぼの会代表 樋口 茂敏(福岡県大牟田市)

 

「いちのたんぼの会」草刈り隊(右端が会代表の樋口茂敏さん)

 

 福岡県大牟田市の市民団体「いちのたんぼの会」は結成から20年を迎え、8月下旬に「20周年を祝う会」を開催しました。当日は、大牟田市長、市議会議員、市農業委員会会長、グリーンコープ生協支部理事長などの来賓を含めて40名近くが参加し、20年の軌跡を振り返り、今後の課題を確認し合いました。編集部のご厚意により、この間の私たちの取り組みの一端を報告させていただきます。

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食料安全保障推進は喫緊の課題 渡部 務

日本に農業は無用か

山形県・農民 置賜自給圏推進機構代表理事 渡部 務

 

 

 

異常気象と資材依存

 猛暑どころか酷暑をくぐり抜け、なんとか米収穫を終わることができた。山形県の作況指数は101の平年並みとのことだが、予想された品質低下は現実となって表れた。
 水不足に見舞われた他県ほどではないが、1等米比率が昨年を32%下回る63%となっている(当農協9月末)。その原因は梅雨期間の曇天続き、梅雨明けからの猛暑、そして登熟期の降雨と暑さ、そのため腹白米、芯白米被害が発生し、米粒の充実不足も重なった結果である。その結果、米価は昨年より1000円(60キロ当たり)上がったものの、2等米は600円、3等米は1600円の価格差となり、値上げ分が吹っ飛んだ。

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福島第一原発処理水海洋放出問題 千葉 悦子

廃炉含めて次世代への責任

「福島円卓会議」(福島県男女共生センター館長、元福島大学副学長)千葉 悦子

原発に向き合わず悔いが

 私は30年余り福島大学で教鞭を執り、2018年3月に退職しました。東日本大震災以降は教育も研究も福島の復興・再生のために追われる毎日だったような気がします。
 東日本大震災に伴う原発事故で全村避難となった飯舘村には、これまで学生の実習や調査研究のフィールドとして多くのことを学ばせていただきました。とくに第五次総合振興計画の策定(04年)や中間見直しの作業(09年)では村職員と住民とひざを突き合わせて何度も話し合い、村民の方々との信頼を深めてきました。私たちは飯舘村の豊かな村づくりの実践を地域づくり論として発信しようと準備を進め、いよいよ刊行という段階にまで進んでいたそのさなかに東日本大震災が発災したのです。

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