核ゴミの最終処分地問題

原発政策最大のアキレス腱 今ならまだ間に合う

北海道議会議員 市橋 修治

 日本原子力研究開発機構は昨年1月、北海道幌延町の深地層研究期間の延長を決め、8月には500mの追加掘削を道と幌延町に提案した。期間延長間もなくの追加掘削提案は道民の大きな不信を招くことになった。そんな折、北海道の西部の町と村に突然の衝撃が走った。考えもしなかった「高レベル放射性廃棄物の最終処分地」を巡る閃光だった。

 「トイレなきマンション」と言われた原発政策最大のアキレス腱が急速に動きだした。 “核ゴミの最終処分地問題” の続きを読む

コロナ禍で困窮の学生を労働者・農民・市民が支援

「ほっかいどう若者応援プロジェクト」の取り組み

北海道労働者福祉協議会理事長 出村 良平

 新型ウイルス感染症の感染拡大の長期化は、多くの生活困窮者を生み出しています。国や地方自治体での支援策も打ち出されましたが、要望に応えきれていません。学生の窮状もマスコミでも取り上げられ、なかには退学を考えている学生も数多くいるなどと悲痛な声が届けられるようになってきていました。 “コロナ禍で困窮の学生を労働者・農民・市民が支援” の続きを読む

球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る

温暖化と戦後の土地利用、森林・河川政策などの人災

水害がない流域の未来を考える

つる 詳子

 2020年7月4日に球磨川流域を襲った水害から9カ月。いまだに被災地はその爪痕を強く残したままである。護岸の樹木がなぎ倒され、見通しが良くなった球磨川の両岸は、補強用の黒いフレコンバッグで覆われ、泥出しや家財搬出を終えた窓、ドアがない家、柱だけになった家、解体して家屋がなくなった更地と、殺風景な景観が広がっている。 “球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る” の続きを読む

球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る

嘉田由紀子さんオンライン講演と討論の集い開催

ダムによらない治水・利水を考える県議の会代表 西 聖一(熊本県議会議員)

 2020年7月4日の豪雨は熊本県人吉地域を中心に、球磨川に注ぐ支流や本流の氾濫をもたらし、死者・行方不明者67名、家屋被害は一部損壊まで含めて7359棟、今なお仮設住宅で暮らしている方が1814戸という大災害を引き起こした。

 この災害を受けて、川辺川ダムの建設を中止としていた熊本県蒲島知事は、ダムも含めたあらゆる治水対策を行うと転換を表明した。知事は12年前の就任直後に、50年にわたる川辺川ダム建設論争に終止符を打つべく、ダム建設中止を表明した。しかし、治水協議会では12年間、治水方法を巡って議論だけが空転し、具体的治水事業も行われない中に、今回の惨事を迎えてしまった。

 ダム建設推進派がここぞとばかり、「生命と財産を守るためにはダム建設が必要である」という主張を強め、知事も方針を撤回せざるを得ない状況となってしまった。その後は、議会、国交省にも方針転換の承認を受けたとして、大変なスピード感で進んでいる。 “球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る” の続きを読む

農業政策は国民の命を守る真の安全保障政策

「飢餓の危機は日本人には関係ない」は誤っている

東京大学 鈴木 宣弘

 

2050年ごろに起きるかもしれない渋谷駅頭の暴動(21年2月7日、NHKテレビ画像)

 先日、NHKスペシャルが2050年ごろに日本人が飢餓に直面する危険性に警鐘を鳴らした。画期的である。だが、その危険性はもっと早くに迫っているかもしれない。下の表はその可能性を示唆している。 “農業政策は国民の命を守る真の安全保障政策” の続きを読む

インタビュー ■ 歴史的転換期の進路を考える

サステナブルでインディペンデントな日本へ

現代に生きる石橋湛山の思想とその行動

衆議院議員(元自民党幹事長)石破 茂氏は語る

 

今、日本は1年に50万人ずつ人口が減っている。私の地元の鳥取県が人口55万人ですから、毎年鳥取県が一つ消えてなくなる勢いで減っています。私より10年ほど年上の「団塊の世代」の方々も不老不死ではないので、お亡くなりになってくる時になると、1年に100万人減る時代が来る。そして、この勢いでいけば2100年に日本の人口は5200万人になる計算です。

 21世紀は、世界の人口が倍になる一方、日本の人口が半分になるという恐ろしい時代でもあります。このまま後200年たつと日本の人口は1391万人という話です。これで日本は国家として持続可能なんですか、ということだと思います。 インタビュー ■ 歴史的転換期の進路を考える” の続きを読む

これ以上沖縄を犠牲にしてはならない。これは全国民の課題だ

米軍兵をはじめすべての性暴力の根絶を目指して

高里 鈴代さん(基地軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)に聞く

聞き手 山内 末子(沖縄県議)

たかざと・すずよさん(左)
オール沖縄会議共同代表、基地軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表、軍事主義を許さない国際ネットワーク沖縄代表。元那覇市議。

1995年結成の「基地軍隊を許さない行動する女たちの会」は、結成から25年を迎える。高里鈴代さんは、共同代表として一貫して米軍兵の性暴力と基地に反対して奮闘している。高里鈴代さんに、東日本大震災から10年、節目の3月11日、毎月11日に全国で開催されている「フラワーデモin沖縄」開催前に、会場の沖縄県庁前広場で山内末子沖縄県議がお話を伺った。文責、見出しとも編集部 “これ以上沖縄を犠牲にしてはならない。これは全国民の課題だ” の続きを読む

これ以上沖縄を犠牲にしてはならない。これは全国民の課題だ

遺骨と血の混じった土を基地造りに使うな

具志堅隆松さんハンスト 応答する若者が緊急ステートメント

3月1日から沖縄でガマフヤー(遺骨収集者)の具志堅隆松さんがハンガーストライキを始めた。これに呼応し、若者たちが3月6日、「日本に生きるひとりひとり」に次のような呼びかけを発した。受け止めたいと考え、その要旨を紹介する。編集部

 今回の件については、なんとしても止めたいんです。これは基地に賛成とか反対とか以前の、人道上の問題だ

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国内矛盾激化で限界となった「帝国」アメリカ

近隣国同士を争わせる危険な「帝国戦略」

『日本の進路』編集長 山本 正治

 コロナ禍は、近代以来の世界の諸矛盾を一挙に暴き出している。産業化がもたらした気候変動、異常気象、豪雨災害等々も、人びとの生存と世界経済に重大な問題を提起している。

 世界的貧困の深まりとデジタル化で経済の「長期停滞」が言われ、とくに2007年の金融危機以来の世界経済はこの1年で文字通り未曽有の危機状況となった。いつバブルが崩壊し金融危機となるか、世界経済は休火山の火口の中にあるようなものである。

 人びとの職が失われ、失業者が激増、世界中で貧困化が著しく進み、何億人もの人が食べ物にも事欠く。他方で、これまた未曽有の金融政策の結果、保有資産10億ドル以上の世界の超富裕層2千人余りはここ約1年で資産を200兆円増やした。日経新聞が、富の偏在の矛盾が広がり「世界に埋めがたい深い断層」を刻んだ、「一つの地球に二つの世界がある」と、特集を組んだほどである。 “国内矛盾激化で限界となった「帝国」アメリカ” の続きを読む

中国敵視の同盟能力向上狙う 日米首脳会談に反対する

あくまで独立自主で東アジアの平和確保に全力を注ぐべき

『日本の進路』編集部

中村進一(三重県議会議員)

 菅義偉首相は4月8日訪米し、バイデン米大統領との首脳会談に臨む。大統領と最初に会談する外国首脳となるといって菅首相周辺ははしゃいでいるようだ。こうした政権では国の運命を誤る。

 米国の衰退、中国の強国化で米中対立と東アジアの緊張激化は現実である。衰退の「帝国」アメリカは、日中両国を対立させ、中国を抑え込み、アジア支配、ドル覇権を維持しようと画策している。

 米国は日本列島・琉球弧からフィリピンに至る島々に中距離ミサイルなどを配備し、中国海空軍の太平洋進出を阻止して軍事覇権維持を狙う。わが国には、新基地建設、「敵基地攻撃力」など自衛隊の強化、軍事費負担増を迫って、最前線として中国と対立させようとしている。日本列島は対中国の文字通りの不沈空母となる。焦点は、尖閣諸島であり、中国の一部・台湾である。このままいけば、沖縄など日本列島が戦場となりかねない。日米安全保障協議委員会(いわゆる2プラス2)合意では、米政府監査院も完成を疑う辺野古新基地建設をわざわざ再確認した。

 わが国は、あくまで独立自主で、東アジアの平和確保に全力を注ぐべきである。 “中国敵視の同盟能力向上狙う 日米首脳会談に反対する” の続きを読む

沖縄県うるま市長選 ■ 立候補を決意の照屋寛之さんに聞く

市民が主役、「誰一人取り残さない市政」

聞き手は、大学の教え子でうるま市議会議員の國吉 亮

これまでの研究成果の全てを注ぎ込んで市長選挙に臨む

國吉亮(以下、――) 沖縄国際大学の恩師である照屋寛之先生が、4月25日投開票のわがうるま市の市長選挙に立候補を予定されると伺い、大変うれしく思いました。必ず市長になっていただきたく全力で支える決意です。まずは、立候補を決意された心境を伺います。 “沖縄県うるま市長選 ■ 立候補を決意の照屋寛之さんに聞く” の続きを読む

農村活性化の「地域政策」の役割がポイント

家族農業など多様な経営体の共存・共生

北海道農民連盟書記長 中原 浩一

 北海道農民連盟の昨1年間の運動の柱は、「基本農政対策」、「米・水田農業対策」、「畑作・野菜対策」、「酪農・畜産対策」、「税制対策」等であった。一昨年からの継続課題を整理しつつ、新たな方針のもと活動してきた。 “農村活性化の「地域政策」の役割がポイント” の続きを読む

『雑感』■ コロナ禍における労働組合運動

私も、「未来は変えられる」を信じて

全農林労働組合顧問 柴山 好憲

工夫が求められるコロナ禍の運動

 新型コロナウイルス感染症は、1年を経過した現在も人々の暮らしや経済活動はもとより、労働組合の組織運営や活動にも大きな影響を与えている。OBとして当組合の活動を見たとき、「密の回避」と「非接触」を前提としたかつて経験したことのない組織運営に苦労しつつも、WEBによる協議や会議・打ち合わせ、さらにはユーチューブを活用した発信などを積極的に進めるなど、そのしなやかさに感心する日々である。しかしながら、集まりやオルグもままならず一方通行にならざるを得ない場面が多いなど、きめ細かな対応には一定の限界もあり、さらなる工夫が求められている。 “『雑感』■ コロナ禍における労働組合運動” の続きを読む

南西諸島軍事要塞化 ■ 馬毛島基地化の西之表市長選・市議選

市民は「基地建設ノー」の意思を示した

西之表市議会議員 長野 広美

 全国からも注目された鹿児島県西之表市の市長および市議会議員選挙は1月31日、投開票された。市長選は、馬毛島基地に反対する現職・八板俊輔市長が勝利した。市議会は、反対派7人で、賛成6人、中立1人と勢力図が変わり、今後の議会運営は困難が予測される結果となった。 “南西諸島軍事要塞化 ■ 馬毛島基地化の西之表市長選・市議選” の続きを読む