2017年10月 総選挙の経過と結果から考える

「日本の進路」編集部

 第48回衆院選の投開票は10月22日、折からの台風がもたらした暴風雨の中で行われた。各候補者、運動員は、選挙期間中も雨にたたられ、ずぶぬれになりながら支持を競った。
 私たちは、急遽、「朝鮮半島危機。政局と総選挙の課題」緊急討論会を開催した。また、志を同じくする賛同会員の立候補者を推薦し応援するとともに、今回は同時に、「安倍政権と闘い、希望の党にも与せず主張を貫いて闘おうとしている候補者」を激励した。推薦候補者をは じめ安倍政権と闘って当選された皆さんに祝意を、奮闘された皆さんに、誠にお疲れさまを申し上げる。
 それにしても窮地に陥っていた安倍首相による突然の解散以来の経過、とりわけ野党状況は天候以上に波乱続きだった。当選を果たした陣営の方々を含めて、そのあまりの混迷ぶりに疲れが倍加したのではないか。 続きを読む


「朝鮮半島危機。政局と総選挙」10/3緊急討論会・動画

挨拶・西澤 清(広範な国民連合・代表世話人)
問題提起・角田義一(元参議院副議長) [動画ページ(西澤清・挨拶、角田義一・問題提起)]
問題提起・鈴木宣弘(東京大学教授) [動画ページ]
問題提起・柳澤脇二(国際地政学研究所理事長、元内閣官房副長官補) [動画ページ]
討論・上記三氏 [動画ページ]


「朝鮮半島危機。政局と総選挙」10/3緊急討論会 簡単な報告

  • トランプ政権による朝鮮核戦争危機。日本の安全と国民生活の危機。
  • 「平和と自主」対抗軸を鮮明に、国民生活の危機打開をめざす新たな政権をめざし、
  • 総選挙で安倍政権を追い詰め打ち倒す、国民運動を発展させる対抗軸明確な政治勢力をつくろう

 自主・平和・民主のための広範な国民連合は、10月3日、東京都内で、「朝鮮半島危機。政局と総選挙の課題」緊急討論会を開催しました。

 トランプ政権の朝鮮半島で核戦争にも結び付きかねない軍事挑発。そうした下で、安倍政権による、「疑惑隠しで延命」のための突如の衆議院解散。小池百合子都知事による「希望の党」の結成、「改革を引っ張って行く」と維新の会との連携推進。希望の党への民進党の合流と反発による分解、立憲民主党の結成、等々。議会政治、政党をめぐる構図が劇的に変わる新たな政治・政党再編が始まりましたが、日本の安全についても、国民生活の危機にも明確な政策方向は示されていません。

こうした状況下で緊急討論会は、政治闘争の方向と総選挙での争点を明らかにし、広範な連携を促進する機会となりました。以下は、その簡単な報告です。 続きを読む


緊迫する朝鮮半島情勢 戦争に近づくのではなく遠ざかること

すべての核保有国による核開発・使用の2年間禁止合意など平和に向かって
問われる日本のリーダーシップ

広範な国民連合第23回全国総会 記念講演者 (元伊藤忠商事会長・社長、元駐中国大使、日中友好協会会長)
丹羽宇一郎さんに聞く

 今、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の相次ぐミサイル発射、そして核実験を受けて、北東アジア情勢が緊迫しています。

 そのなかで、安倍政権は、アメリカの後を追随するように、北朝鮮の敵対国になろうとしています。これではむしろ逆に、どんどん戦争に近づくことになってしまいます。日本のこうした姿勢を見て、北朝鮮は敵国の一つに日本を考えてくるでしょう。だから、安倍政権のこのままの政策でいいのですか、国民の皆さんはそれを分かっているんですか、ということを言いたいのです。 続きを読む


朝鮮半島危機が高まる中での衆議院総選挙に際して

「小池新党」に右往左往せず、安倍政権を追い詰め、国民運動で打ち倒そう!

「日本の進路」編集部

 安倍晋三首相の衆議院解散・総選挙は、「モリカケ」の疑惑隠し以外の何物でもなく、言語道断の暴挙です。

 内外の危機の深まりと国民の怒りに追い詰められ、自民党内からも不満が高まり始めた下での、政権の延命策動にほかなりません。対米追随一辺倒の安倍政権を断じて許さず、国民の手で追い詰め、打倒しなくてはなりません。

 広範な国民連合は、国民運動とともに、議会闘争も重視しています。この総選挙でも、広範な国民連合の趣旨に賛同する候補者を積極的に推薦し、当選のために奮闘します。 続きを読む


「朝鮮半島危機 と 総選挙の争点」 緊急討論会

「 朝鮮半島危機 と 総選挙の争点 」
10/3 緊急討論会のご案内

自主・平和・民主のための広範な国民連合

■ 日 時 10月 3日(火) 午後6時半~9時(6時開場)
■ 会 場 日本教育会館 9階 会議室(千代田区一ツ橋)
■ 挨 拶 角田 義一さん(元 参議院副議長)
■ 提 言 朝鮮半島危機と安全保障政策
/柳澤 協二さん (元内閣官房副長官補、元防衛省)
国民経済と国民生活の危機打開
/鈴木 宣弘さん (東京大学大学院教授)
沖縄からの問題提起、ほか、交渉中
■ 参加費 1,000円(学生、失業者は500円)

安倍晋三首相は衆議院解散・総選挙を決めましたが、疑惑隠しで言語道断の暴挙です。内外の危機と国民の怒りに追い詰められ、党内からも不満が高まり始めた政権の延命策動に他なりません。対米追随一辺倒の安倍政権を断じて許さず、国民の手で追い詰めて、打倒しなくてはなりません。 続きを読む


自由・人権・平和を求めて、立正大学生は立ち上がった

平和を求める立正大学生の会 橘内 優一さん

 2年前、戦争法反対運動が盛り上がった時に、立正大学でも私ともう1人の学生で「安全保障関連法に反対する立正大学の会」を立ち上げました。大学と駅の間の路上で宣伝活動したり、ツイッターアカウントを作ったりするくらいで、満足な活動ができず、やがて活動休止状態になりました。 続きを読む


労働運動の社会的役割を考える

北海道の課題と労働運動がめざすもの

連合北海道会長 出村良平

オスプレイに抗議して街頭宣伝する出村会長(中央)

オスプレイに抗議して街頭宣伝する出村会長(中央)

 今回北海道で開催された第14回全国地方議員交流研修会は、夕張市視察を盛り込むなど内容的にも充実し、意義深いものであったと思います。交流研修会の呼びかけ趣旨には、21世紀日本の縮図である北海道で開催とありました。 続きを読む


労働運動の社会的役割を改めて考える

水道は地域自治の問題であり生命の問題である

辻谷貴文(全日本水道労働組合書記次長)

日本の水道は「いま」

 「日本の水道は世界一」と、国内外からの呼び声が高い日本の水道。水ビジネスに興味津々の企業家や経済界は、「日本の水道の技術を世界へ」と、2025年には110兆円規模といわれる水ビジネス市場に打って出ようと躍起になっている。いまや石油ではなく「水」に起因して戦争が起こる時代であり、水(Water)=金(Gold) という構図が彼らの頭の中にあるようだ。 続きを読む


自治体議員から見た「社会の市場化」

新宿区議会議員・弁護士 三雲崇正

 私は、1977年生まれで、2004年に弁護士になってから約10年に、大手渉外法律事務所で国内外の大企業や投資家の経済活動を法的な側面からサポートする仕事をしました。その後、独立し、15年春からは区議会議員兼弁護士として、地域の中で活動しています。
 その間、山田正彦・元農水大臣に誘われて「TPP交渉差止・違憲訴訟」弁護団に参加し、自由貿易・投資協定について以前とは別の角度から検討する機会を得、また自治体議員として、地域社会や公共分野と民間事業者の経済活動との間の関係について考えさせられることとなりました。 続きを読む


農業の直面する課題と展望

日本の種子を守る会会長(JA水戸組合長) 八木岡 努さんに聞く

後継者不足の解決をめざす

 農業で今、一番重要な問題は高齢化と後継者不足、担い手不足だと思います。
 私は15~16年前から、新規参入者受け入れを行い、就農希望者を15組くらい指導しました。そこで育った教え子の多くが、県内各地でイチゴ作りをやっており、現在では都会からの就農希望者を受け入れるなど、後進の指導をするほどになってくれています。茨城県では農業経営士という制度があり、私もその現職ですが、教え子のうち3人くらいが農業経営士に認定されて、活躍しています。 続きを読む


翁長知事を先頭に前進する沖縄県民の闘い

最近の一連の県内市長選結果が突きつける課題

山内末子(前沖縄県議会議員)

本稿は、第14回全国地方議員交流研修会の第5分科会「首長交代!豊かに暮らせる地域をめざし、国に物申す自治体をつくる」での発言に、時間の制約で触れられなかった点を本人が加筆修正されたもの

うるま市長選で翁長知事の支援を得て奮闘する山内末子さん

 私は沖縄県中部にあるうるま市の市議会議員を経て沖縄県議会議員を3期務めてきました。そして今年の2月、うるま市長選に立候補するということで県議を辞して市長選に取り組みました。 続きを読む


アメリカ追随、国民犠牲の大軍拡を許さず、自主外交でアジアの平和に貢献する日本へ

「日本の進路」編集部

 防衛省は来年度、過去最大5・2兆円の大軍拡予算要求を決めた。安倍首相は、小野寺防衛大臣を任命した際に、「防衛計画の大綱」を見直して、新「中期防衛力整備計画(中期防)」策定を指示した。19年度からの新中期防となると、さらに軍事費は膨らむ。
 歴代政権の対米追随政治、とりわけ安倍政権による輸出大企業と富裕層のためのアベノミクスで、労働者も商工業者も農民も、国民各層は塗炭の苦しみである。年金や生活保護など社会保障給付は次々と抑制され、直接税も消費税も大増税、社会保険料も大幅負担増。国民はミサイルによってではなく、安倍政権の生活破壊で生存の危機に直面させられている。 続きを読む


突然廃止された種子法

食料の安全保障放棄、外資の種子支配に道開く

日本の種子を守る会会長八木岡 努さん(JA水戸組合長)に聞く

 4月14日の参議院本会議で、自民党・公明党・維新の会の賛成多数により「種子法」の廃止が決まった。施行日は2018年4月1日。廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などに道を開くことに。種子の開発・生産が民間企業に任されると、穀物価格に当然響く。民間の品種はF1(1代交配種)が中心のため、農家は種子を自家採種できず、穀物種子を毎年購入しなければならなくなる。民間開放先にはモンサントなど巨大種子資本の外資も含まれ、食料安全保障も脅かされることになる。
 「日本の進路」編集部は、結成された「日本の種子を守る会」の八木岡努会長(JA水戸組合長)を訪ねて、お話をうかがった。 続きを読む