朝鮮問題一覧

米朝は平和条約の締結で、朝鮮戦争の正式終結を!

衆議院議員 川内 博史

 朝鮮半島で南北会談が開かれ、南と北が、平昌オリンピック大会を成功させるために協力し、朝鮮半島の平和的な環境をつくるために共同して努力すること、南北関係の問題を対話と交渉で解決していくことで合意しました。これは歓迎すべきことです。
 一方、小野寺防衛相はオリンピック後に米韓合同軍事演習を再開するよう米太平洋軍司令官に要請し、北朝鮮への圧力を最大限まで高めようと申し合わせました。米国務長官はカナダで20カ国の外相会合を開き、北朝鮮の弾道ミサイル発射は世界全体の脅威だと主張しました。河野外相も対話ではなく、最大限の圧力をかけようと呼応しました。
 北朝鮮は経済がアメリカの千分の一もない、小さな国です。なぜ、こんなことになっているのか。 続きを読む


戦争を回避し、「対話」の流れをつくろう

朝鮮の「今」を理解し、市民への情報還元も

北原 守(福岡県日朝友好協会会長、元福岡県議会副議長)

 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の平昌五輪への参加などもあって、米朝関係は一時的には緊張緩和の状態にあるが、本質は変わらないと考えている。朝鮮側は、圧力には絶対に屈せず、米国が核保有国と認め、平和協定を結ぶまでは核・ミサイル開発はやめないとしており、一方で日米は、北朝鮮が核政策を放棄(非核化)するまでは圧力を最大化するとし、制裁をさらに強化しようとしている。このまま真逆の対立が続けば、米朝間のチキンレース(ののしり合い)はさらに激化し、戦争の危機が実際化すると見ているのは私だけではあるまい。 続きを読む


緊張緩和の南北合意を断固支持する

わが国も民族の運命を自らが握る道へ!

「日本の進路」編集部

 新年を迎え、韓国と朝鮮民主主義人民共和国の双方は、朝鮮半島情勢を劇的に転換させるべく動いた。昨一年、対中国を中心に強引な「巻き返し」を狙うアメリカ・トランプ政権の登場で、とりわけ朝鮮半島での軍事緊張は限界近くにまで高まっていた。こうした中で南北双方は1月9日、閣僚級会合を板門店で開き、緊張を緩和へと導き、民族の運命を自分たちの手に握るための壮挙、誠に意義深い合意に達した。われわれはこの動きを歓迎するとともに、日本でも呼応し、緊張緩和へ日朝関係打開の世論を促さなくてはならない。 続きを読む


九州地区日朝友好親善訪問団に参加して

長崎県教職員組合中央執行委員長 堤 典子

 去年、10月2日~7日の日程で、福岡県日朝友好協会が主催する「九州地区日朝友好親善訪問団」(兼/福岡県第10次・鹿児島県出水市第6回)」に参加して、初めて北朝鮮を訪問した。「(米朝の関係が緊迫している)今の時期に行って大丈夫ですか?」と何人からも聞かれた。外務省も渡航自粛は言っていたようだ。しかし、本当に大丈夫でないなら、許可されるわけがない。 続きを読む


労働組合は隣国と平和な関係を築く政治を求める

労働運動の社会的役割を考える

全日本港湾労働組合 中央執行委員長 松本耕三

本稿は、松本耕三委員長が9月6―7日、全港湾第88回全国大会で行った委員長あいさつの原稿である。今日の情勢下で「労働運動の社会的役割を考える」問題提起として松本委員長の提供で掲載する。掲載に際し一部割愛した [編集部]

 はじめに、北朝鮮のミサイルと核実験の問題について触れないわけにはいかない。
 昨今の報道は非常に偏っている。北朝鮮が挑発行為を繰り返していると報道されているが、アメリカの強大な軍事力とアジアの小さな北朝鮮が戦争をしたらどうなると思うか? 明らかに勝負は決まるではないか。そういう小さな国がなぜ挑発をしなければならないのか。実は1950年から行われた朝鮮戦争がまだ終わっていないのだ。アメリカと平和条約が結ばれず、まだ休戦協定となっている。 続きを読む


緊迫する朝鮮半島情勢 戦争に近づくのではなく遠ざかること

すべての核保有国による核開発・使用の2年間禁止合意など平和に向かって
問われる日本のリーダーシップ

広範な国民連合第23回全国総会 記念講演者 (元伊藤忠商事会長・社長、元駐中国大使、日中友好協会会長)
丹羽宇一郎さんに聞く

 今、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の相次ぐミサイル発射、そして核実験を受けて、北東アジア情勢が緊迫しています。

 そのなかで、安倍政権は、アメリカの後を追随するように、北朝鮮の敵対国になろうとしています。これではむしろ逆に、どんどん戦争に近づくことになってしまいます。日本のこうした姿勢を見て、北朝鮮は敵国の一つに日本を考えてくるでしょう。だから、安倍政権のこのままの政策でいいのですか、国民の皆さんはそれを分かっているんですか、ということを言いたいのです。 続きを読む


アメリカ追随、国民犠牲の大軍拡を許さず、自主外交でアジアの平和に貢献する日本へ

「日本の進路」編集部

 防衛省は来年度、過去最大5・2兆円の大軍拡予算要求を決めた。安倍首相は、小野寺防衛大臣を任命した際に、「防衛計画の大綱」を見直して、新「中期防衛力整備計画(中期防)」策定を指示した。19年度からの新中期防となると、さらに軍事費は膨らむ。
 歴代政権の対米追随政治、とりわけ安倍政権による輸出大企業と富裕層のためのアベノミクスで、労働者も商工業者も農民も、国民各層は塗炭の苦しみである。年金や生活保護など社会保障給付は次々と抑制され、直接税も消費税も大増税、社会保険料も大幅負担増。国民はミサイルによってではなく、安倍政権の生活破壊で生存の危機に直面させられている。 続きを読む


「朝鮮危機」があおられる中で

広範な国民連合第1次訪朝団

原田章弘(第1次訪朝団団長、全国代表世話人)

広範な国民連合は、7月4日から7日までの日程で、原田章弘全国代表世話人を団長に第1次訪朝団をピョンヤンに派遣した。朝鮮側の受け入れは、対外文化交流協会であった。団は、友好連帯と親善を確認し元気に帰国した。以下は、団長を務めた原田章弘氏の報告である。【編集部】

 今にも戦争が始まるような報道で、危機感があおられている時期の訪朝となった。 続きを読む


危機が叫ばれる真っただ中に朝鮮訪問

渋谷区議会議員 芦沢一明

 「こんな時に北朝鮮なんかに行って大丈夫か?」「帰ってこられるのか?」 5月3日~8日の6日間の朝鮮民主主義人民共和国訪問は、メンバー6人全員が、事前の周囲とのこんなやり取りに苦労させられた。もとより、明日にも戦争勃発かという報道が溢れたこの時期をわざわざ選んだのではない。 続きを読む


北朝鮮の脅威と日本の不可解な対応

2016-shinroRogo

<シリーズ・日本の進路を考える>
世界の政治も経済も危機は深まり、わが国を亡国に導く対米従属の安倍政権による軍事大国化の道に代わる、危機打開の進路が切実に求められている。
本誌では、各方面の識者の方々に「日本の進路」について語ってもらい、随時掲載する。(編集部)

丹羽宇一郎

 北朝鮮の脅威が再び高まっています。相次ぐ示威的な行動に対し、米国など国際社会も強硬姿勢を示しています。なんともきな臭い空気が漂う中で、どうしても首をかしげたくなる動きがあります。日本政府の一連の対応です。 続きを読む


極度に緊張激化する朝鮮半島情勢

緊張緩和へ日本は積極的に動くべき

 トランプ政権は、3月1日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)のたび重なる中止要求にもかかわらず、韓国とその周辺海空域で米韓合同軍事演習を開始した。史上最大規模の軍事演習が、4月末まで続く。

米空軍B1戦略爆撃機(右)とF15航空自衛隊戦闘機(左2機)の共同演習(防衛省HPから)

 地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を活用した訓練や、朝鮮の核・ミサイル施設への先制攻撃、さらには金正恩委員長の殺害を目的とする「斬首作戦」も訓練に含まれている。 続きを読む


緊迫する朝鮮情勢 重大な岐路に立つ日本

危機打開へ、今こそ朝鮮との国交正常化を

佐々木 道博(広範な国民連合代表世話人)

 臨時国会が始まった。
 安倍首相は所信表明で、キーワードとした「未来」を18回も口にしたが、それは国民の未来ではない。2020年東京五輪を見据え長期政権の狙いを隠さなかった。演説の最後では「憲法はどうあるべきか」と「国会議員の責任」にも触れて衆参両院憲法調査会での議論を呼びかけ改憲への意思を明確にした。先だって自民党は、総裁任期を事実上無制限化することを決める党大会を来年3月5日に開催すると決めた。
 安倍は、意欲満々のようだが、その前途はバラ色ではなく、イバラの道である。そこをを見抜き、安倍政権を打倒する広範な国民的戦線を構築しなくてはならない。

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朝鮮半島情勢 緊張打開の道筋を考える

国際問題研究者 浅井 基文

浅井基文いま、朝鮮半島では、国連安保理のかつてない朝鮮制裁決議採択、さらに実戦さながらの史上最大規模の米韓合同軍事演習がまもなく始まるなど、一触即発の緊張が高まっている。東北アジアの緊張打開に、いま、何が求められるか、国際問題に詳しい浅井基文さんに緊急にご投稿いただいた。
月刊「日本の進路」編集部

 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)は、1月6日に第4回核実験を行い、また、2月7日には人工衛星を打ち上げた。これに対して大韓民国(韓国)は、開城工業団地の操業全面停止を含め、朝鮮に対する強硬対決姿勢を打ち出した。また、米韓は3月開始の定例合同軍事演習を史上最大規模で実施する構えであり、3月以後の朝鮮半島情勢は再び一触即発の危機を迎える。 続きを読む