国民連合一覧

沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■黄 星原

この先の50年、われわれは何をなすべきか

日中友好会館中国代表理事 黄 星原

 

 

 皆さん、こんにちは! 日中友好会館の黄星原です。
 先月、東京で小学生のスピーチ大会に出席した時に、日本生まれの8歳の中国の子に、「日本と中国はまた戦争やるの?」と聞かれて、本当にびっくりしました。とにかく深く考えさせてくれました。
 本来なら、日本と中国の間に戦争の教訓があって、「日中平和友好条約」を結んでいるので、戦争がそもそも話題になるはずがない。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■屋良 朝博

平和のハブを形成する

ジャーナリスト・元衆議院議員 屋良 朝博

 

 

「有事」を煽る怪しさ

 台湾有事は日本有事と語った元首相がいた。有事の対語が平時=平和であれば、平和主義者をナイーブな理想論者だと批判する思想が勢いを増してきた。ロシアのウクライナ侵攻がその推進力となっている。
 仮に元首相らが言うように中国がロシアに倣い、台湾で武力を行使し、それが日本有事へと延焼するなら、その時に沖縄は真っ先に戦禍に巻き込まれるだろう。多くが思い描くリアルなシナリオではなかろうか。あまりにも悲惨でグロテスクな光景を想像できるからこそ、「それでも戦争できますか」という問いかけもまた大いに現実的である。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■上里 賢一

東アジアの平和的安定こそ、沖縄の生き残る道

琉球大学名誉教授 上里 賢一

 

 

「台湾有事」は、沖縄の破滅

 アジアの地図を広げると、沖縄は絶妙な位置にあることがわかる。西に広がる中国大陸の東南、日本列島の九州の南に弓状に連なって台湾につながっている。さらに南に目を向けると、フィリピンから太平洋島嶼、インドシナ半島からマレー半島、インドネシアへと続いている。
 かつて、琉球王国時代の琉球は、これらの地域を相手に交易し、「舟楫を以て、万国の津梁となす」(万国津梁の鐘銘)という言葉で知られる「大航海時代」の黄金期を形成した。1372年(明の洪武5年)に中山王察度が、明の皇帝の招諭に応じて使者を派遣してから、1879年(明治12年)に日本に武力併合されるまでの約500年間、琉球は独立国として明・清の冊封を受けた。途中、1609年に薩摩の侵攻を受けて、幕藩体制に組み込まれるが、幕府と薩摩の対中国貿易への関心から、薩摩支配は隠蔽され、中国との交易は薩摩侵攻後も継続された。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■朴 相鉄

東アジアに3つのメガFTA
IPEFの台頭で紛争のリスク

韓国ポリテク大学教授 朴 相鉄

 

 

 私は今スウェーデンにおります。戦争が行われているウクライナまで1500キロしかありません。ここにはウクライナから避難してきた難民の方々がたくさんいます。戦争はどのような形態であれ、人間性を抹殺します。ですから私たちはいかなる戦争もやってはいけない、反対しなくてはいけないということです。
 そういった側面から、沖縄において現在推進しようとしている「平和のハブ」は、非常に素晴らしいことだと思います。先に発表なさった皆さまのお話のように、東アジアにおいてもいかなる戦争も起きてはいけない。沖縄の平和がこれからも続くことを祈ります。
 併せて、このシンポジウムに招待してくださいました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■楊 伯江

日米同盟と中国との対立の最前線になるか、
アジアの平和と協力のハブになるか

中国社会科学院日本研究所所長 楊 伯江教授

 

 

 今日のテーマは、「沖縄は平和協力のハブになるか大陸対抗のフロントになるか」です。
 中国では沖縄と聞くと琉球を思い起こします。万国津梁の地とされて中国と緊密な関係を築いていました。北には九州と朝鮮半島、南西には中国の福建省、南には東南アジア諸国。貿易の中継地として東アジアの海上貿易において重要な役割を果たしていました。その時代は、琉球王国の大航海時代とも呼ばれています。琉球と中国の関係は、相互依存であり、切っても切り離せない関係です。この時代は、沖縄の歴史において重要なページであるだけではなく東アジア貿易システム、地域の平和と協力の歴史においても重要な部分でもあります。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■羽場 久美子

■基調の問題提起 ― 沖縄をハブとし東アジアの平和ネットワークを作る

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

 

 皆さんこんにちは。羽場久美子でございます。
 「沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム」という場で、まさにその沖縄をハブとし東アジアの平和ネットワークをつくる、中国や近隣国とは戦争しないという立場から、報告をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム ■鳩山 友紀夫

相互尊重・相互理解・相互扶助 東アジアの共同体を 相違乗り越えるのが外交の本筋

鳩山 友紀夫

 

 

 お集まりの皆さん、こんにちは。鳩山友紀夫でございます。今回はお招きを賜りまして、ありがとうございました。先ほど主催者の山本さんからご提案がありましたが、全面的に賛成申し上げます。
 私が着ているこの「かりゆし」は、先月私が訪沖の際に自分で染め上げた藍染めで、とても気に入っています。
 さて現在の世界を見れば、残念ながらさまざまな危機に瀕しております。気候変動やコロナの蔓延も、そして、平和という視点、安全保障の面から見ても、世界的な危機が目の前に横たわっているという話から申し上げます。そして、その解決のために私が従来申し上げている東アジア共同体という構想とその実現に向けて努力をすることがとても意義のあることではないかということを、私なりに申し上げたいと思っております。

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沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム

沖縄会場と日本全国、中国、韓国を結んで開催。
恒常化を確認 

■8月7日、那覇市

 

 「沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム」が8月7日午後、沖縄県那覇市の自治会館ホールで開催された。同時に、オンライン配信され、日本全国と韓国や中国でも視聴された。日本と沖縄、中国、韓国の専門家らが登壇し沖縄を軸とした平和構築の課題について提起、議論した。シンポジウムは、自主・平和・民主のための広範な国民連合が提唱、主幹し、実行委員会が主催した。

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日米首脳会談 台湾有事策動反対

沖縄を再び戦場にさせてはならない

 

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 

 岸田首相とバイデン米大統領は5月23日の首脳会談で、「中国をめぐる諸課題への対応」を検討し、「日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化」を確認した。

 米国は、ウクライナ戦争に軍事資源を集中し対中国に手が回らない。その分、日本が前面に立った「対中国軍事同盟」の強化であり、アジア版NATOだとも言われる。日本は、「敵基地攻撃能力」で、自衛隊発足以来の「専守防衛」原則を公然と投げ捨てる。英国BBCは国際放送で「日本は平和主義を放棄」と報道した。韓国でのサプライチェーンなど経済のみの「約束」とは大違いだ。当然にも、中国などアジア近隣諸国は、日本が軍拡競争に乗り出したと身構える。沖縄では、「再び戦場にするな」の危機感が高まっている。日本を守る「平和戦略」、アジア共生の外交重視こそ政治の責任である。「専守防衛」の原則を堅持しなくてはいけない。

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参院選で争われるべきは何か

『日本の進路』編集部

 

 参議院選挙が迫った。
 広範な国民連合はこの選挙で、「自主・平和・民主」の政治方向で一致する候補者を推薦するとともに、一人区での「野党統一」候補を応援する。
 全国の皆さんと共に、自公与党と岸田政権に鉄槌を下すため闘う。

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各地の活動 広範な国民連合・東京

広範な国民連合・東京 第18回総会開催(4月25日)

 

広範な国民連合・東京はさる4月25日、第18回総会を開催した。4つの都政報告で年間方針の提案を補足し、新役員の選出を行った。
記念講演として、新外交イニシアティブ代表の猿田佐世さんを講師に、「台湾有事を避けるために」と題してウクライナ情勢と緊迫の度を増している東アジア情勢について話していただいた(概要)。

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各地の活動 広範な国民連合・福岡

「日本の食と農の未来を考える」つどい その後

 

 5月8日の「日本農業新聞」は、「通常国会終盤の攻防・食料安保が焦点」という記事を掲載した。しかし読んでみると、そうであってほしいという農業新聞(つまり農家)の願いではないかと、私には感じられた。野党の皆さんには、食料自給率37%という現実を踏まえて、腰を据えて頑張っていただきたいと思うのだが、同じ紙面に「維新、企業の農地取得に執着」という記事が。何をか言わんやである。大阪あたりのビルの中で考えていると、こういう発想になるのだろうと、一人毒づいているところだ。

 さて私たちはこうした状況に抗して、先日「日本の食と農の未来を考える」つどいを福岡市で開催した。このことに関しては本誌の先月号で報告させていただいたが、集会アピールに「本日の『つどい』が、その為の小さいけれども確かな第一歩になることを私たちは希望し、かつ確信しています」と記したことに関わって、その後の一月余りの間の動きを箇条書き的に報告させていただく。

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『マンガで伝える沖縄戦』に込めた思い

琉球新報社編集局デザイングループ 仲本 文子

仲本文子作、琉球新報社刊、定価各1600円+税

 

 

 

 

 

 

 恥ずかしながら私は新聞社に勤めているにもかかわらず、昔から活字が苦手です。琉球新報では沖縄戦や政治、経済、文化的な記事が日々掲載されます。どれも私たち沖縄県民にとって重要な内容ですが、私のような活字嫌い人間にとって、漢字や専門用語が並んだ新聞記事を全て読み込むのは大変な作業でもあります。「マンガ」という手法で沖縄戦を表現したのは「私のような活字嫌いな人や、まだ漢字の読めない子どもにも沖縄戦を伝えたい」と思ったからです。

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