日中平和友好条約締結45周年
日中関係は今まさに岐路に
鳩山 友紀夫さん あいさつ
東アジア共同体研究所理事長(元内閣総理大臣)
今から45年前の8月12日に日中両国が平和友好条約に署名したことを心からお祝いします。
主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則を謳い、すべての紛争を平和的な手段により解決をすることを確認した平和友好条約の意義と有効性は、今日に至るまでいささかも失われておりません。
東アジア共同体研究所理事長(元内閣総理大臣)
今から45年前の8月12日に日中両国が平和友好条約に署名したことを心からお祝いします。
主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則を謳い、すべての紛争を平和的な手段により解決をすることを確認した平和友好条約の意義と有効性は、今日に至るまでいささかも失われておりません。
「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は、麻生発言に対して那覇市で8月13日、「麻生発言に抗議し、発言の撤回を求める緊急集会」を開催した。
山城博治・県民の会事務局長が、麻生副総裁発言は「岸田政権の総意だ」と指摘して、県民挙げての抗議の必要性を訴え開会した。
同会共同代表の瑞慶覧長敏さん(東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター長/前南城市長)は、「私たちの国がまずやるべきことは対話・信頼だ」と力を込めた。
ジャーナリスト(元共同通信客員論説委員) 岡田 充
福島第1原子力発電所の溶け落ちた核燃料を冷却する汚染水の海洋放出が近づいている。
日本政府やメディアは、国際原子力機関(IAEA)の「国際的安全基準に合致」とした調査報告書(7月4日)によって、海洋放出の安全性と正当性が保証されたかのように主張する。
だが報告書が「排出の安全性を判断する内容ではない」ことを、どれほどの人が知っているだろう。報告書で「お墨付きを得た」とし、地元・福島の漁民や市民団体、中国や太平洋の島嶼国など海外の反対を「非科学的」「外交カードにしている」などと決めつけるのは、あまりに傲慢な態度ではないか。
『日本の進路』編集部
岸田文雄首相、バイデン大統領、尹(ユン)錫(ソン)悦(ニョル)大統領による日米韓3国首脳会談が、米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開かれ、安全保障協力強化で合意したという。日米の個別会談では、極超音速兵器に対処する新型迎撃ミサイルの共同開発も確認した。軍事的な3国同盟関係を事実上確認したといってよい。
衰退著しく内外に困難を抱えるアメリカが日本や韓国の協力を必要としたことは間違いない。時代錯誤の大国化願望の岸田首相は、麻生太郎自民党副総裁に言わせたように「戦う覚悟」を示した。
自主・平和・民主のための広範な国民連合 事務局
麻生太郎自民党副総裁は過日、台湾を訪問し、中国を念頭に「台湾海峡の平和と安定には強い抑止力を機能させる必要がある」、そのために「日本とアメリカ、台湾には『戦う覚悟』」が求められるなどと主張しました。「内閣と打ち合わせの上だ」と同行の自民党政調副会長が断言しています。公明党の北側一雄副代表も発言に理解を示したと報道されています。
驚くべき発言で、中国内政への乱暴な干渉、戦争挑発に他なりません。
長崎大学教育学部准教授 小西 祐馬
先日、大学での講義後、学生から「なぜ厚生労働省は、都道府県ごとの正確な子どもの貧困率を集計し、公表しないのですか。各自治体バラバラの基準・方法で出していてわかりづらいし、まとめづらいです」と質問された。想定していなかった質問に若干焦りつつ、とっさに「政府は都道府県別に貧困率を算出するほどのデータは収集できていないからではないか。そもそも都道府県ごとに貧困率を出すつもりがないのではないか」などと答えた。そして、「日本は国としての貧困率も長年出そうとしてこなかったので」と思い出して付け加えた。日本政府は、本当に長い間、国内の貧困問題を見ようとしてこなかった。
東京大学大学院教授 鈴木 宣弘
現行基本法はGATTウルグアイ・ラウンド合意を「過剰優等生」的に受け入れ、「市場原理主義」に立脚して価格政策(政府買い入れ)などを廃止していく流れをつくった。
その現行基本法の見直しを今やるということは、世界的な食料需給の悪化を踏まえ、「市場原理主義」の限界を認識し、肥料、飼料、燃料などの暴騰にもかかわらず農産物の販売価格は上がらず、農家は赤字にあえぎ、廃業が激増しているなかで、不測の事態にも国民の命を守れるように国内生産への支援を早急に強化し、食料自給率を高める抜本的な政策を打ち出すためだ、と誰もが(少なくとも筆者は)考えたが違っていた。
青山学院大学名誉教授 羽場 久美子
今回「沖縄を平和のハブに!」シンポジウムを2023年6月24日、「沖縄慰霊の日」の翌日に、昨年22年8月に続いて行うことができました。日にちもとても良かった。ぜひ来年からもこの日につないでいきたいと思います。皆さま、ありがとうござました。
まず、今回の成果と課題を、3点簡潔に述べたいと思います。
■ パネリスト
上原 美春さん 宮古島市、高校1年生 2021年沖縄全戦没者追悼式「平和の詩」朗読 |
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金城 龍太郎さん 石垣市、マンゴー農家 石垣市住民投票を求める会代表 |
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神谷 美由希さん 那覇市、沖縄ゼロエミッション共同代表 |
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司会 神谷 めぐみさん 沖縄国際大学法政研究所研究支援助手 |
司会・神谷めぐみ(以下、司会) まず宮古島から参加の上原美春さんをご紹介します。2021年6月の沖縄全戦没者追悼式で「平和の詩」、「みるく世の謳」を朗読しました。これは姪っ子の誕生に抱いた喜びと戦争を生き抜いた先人たちの思いを「みるく世ぬなうらば世や直れ」という宮古民謡の一節でつないだ唄でした。22年8月に広島で行われました「第1回ひろしま国際平和文化祭」で「ひろしまアワード」音楽部門の国内の部を受賞しました。もともと絵が大好きだった美春さん。先日は宮古島内のアートスペースで2人展を開催するなど、大変精力的に活躍しております。お話を伺いたいと思います。
沖縄は第二のふるさと(陳海騰)
地域間交流のしくみを(周鵬邦)
沖縄に大きな可能性感じる(比嘉盛太)
■ パネリスト
陳 海騰 氏 東和株式会社代表取締役 (中国・福建) |
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周 鵬邦 氏 上海庄周企業管理顧問有限公司総経理 (中国・台湾出身) |
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比嘉 盛太 氏 株式会社フューチャーネオ代表取締役 (沖縄) |
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司会 泉川 友樹 氏 (一社)琉球経済戦略研究会事務局長 |
泉川友樹(以下、泉川) 本日は福建、台湾、そして沖縄からすばらしいパネリストの方をお招きしました。この3つの地域の経済発展、共に豊かになるというお話をしていきたいと思います。その前にお隣では、どういう経済発展の状況が起こっているのか、ビデオでご覧いただきます。広東省深圳市が数十年間でいかに劇的な経済発展を遂げたかのビデオです。(ビデオ上映)
これが私たちの隣の国、地域で起こっている現実です。それを踏まえて沖縄はどう発展していくのか、今回の経済トークで考えていきたいと思います。最初に自己紹介と手がけている事業をご紹介ください。
第1部 沖縄平和ハブ構築に向けて
第1部のテーマは「沖縄平和ハブ構築に向けて―安全保障、文化、経済、外交交流の拠点を考える」であった。パネリストは山崎拓・元自民党副総裁・防衛庁長官、劉江永・中国清華大学国際関係研究学院教授、我部政明・国際政治学者、羽場久美子・青山学院大学名誉教授。コーディネーターを、家族の病気で急遽参加できなくなった前泊さんに代わって髙良共同代表が務めた。政府が「今日のウクライナは明日の東アジア」などと「台湾有事」を煽り「抑止力」強化一辺倒の軍拡政策を進めるなかで、東アジアでの戦争の危機を回避し、いかにして持続可能な安全保障を築いていくか、東アジアで沖縄が果たすべき役割を探る議論を展開した。また、インド、台湾からもビデオメッセージで平和構築に向けた意見が届いた。以下、パネリストの発言要旨。なお、インドのプラディープ・チヤウハン(クルクシェトラ大学教授)と台湾のマーク・チェン(台湾欧州連盟中心執行長)のビデオ報告は割愛。(見出しとも文責編集部)
第1部 沖縄平和ハブ構築に向けて 台湾問題はあくまで中国の内政問題 元自民党副総裁・防衛庁長官 山崎 拓氏 |
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第1部 沖縄平和ハブ構築に向けて 中国清華大学国際関係研究院教授 劉 江永氏 |
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第1部 沖縄平和ハブ構築に向けて 国際政治学者 我部 政明氏 |
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第1部 沖縄平和ハブ構築に向けて パワーとパワーの境界線にある美しい地域を、 「沖縄を平和のハブに」プロジェクト共同代表、青山学院大学名誉教授 羽場 久美子氏 |
元自民党副総裁・防衛庁長官 山崎 拓氏
昨日の玉城デニー沖縄県知事の慰霊の日式典での発言で、昨年暮れの政府、岸田政権が発表した、「国家安全保障戦略」など3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)、知事は防衛3文書という表現をお使いになりましたが、これについて心配される方向性があるとおっしゃったように受けとめました。この中で緊迫するアジア情勢ということがうたわれております。それは東アジアの中でいわゆる政治体制の違いと申しますか、自由民主主義体制の国と専制主義の国との基本的な対立があるという見方です。そのことから生まれてくる東アジアの緊迫する軍事情勢があるというのが、この国防3文書、なかんずく防衛戦略文書であると思います。
「沖縄を平和のハブに」プロジェクト共同代表、青山学院大学名誉教授 羽場 久美子氏
「沖縄を平和のハブに」というのは、沖縄がパワーとパワーの境界線にあるからです。
ハワイや沖縄、台湾あるいはウクライナ西部、東部もそうですが、これらはいずれもとても美しい観光地であり、国と国のボーダーであり、歴史的に周りの多くの民族が移り住み、結果として多民族共存の地域をつくり出してきました。先ほどのエイサーも日本本土のわびさびとは少し違う、大変美しく壮大な芸術です。そうした歴史的な多民族共存の地域をミサイルや戦争の最前線基地にしていったのは近代以後、植民地以後です。そして、その結果ハワイのパールハーバーをはじめとして沖縄、台湾、朝鮮半島、クリミア、ウクライナ、「境界線」地域が全て戦争の最前線地域になっていきます。
国際政治学者 我部 政明氏
今日のシンポジウムにあるフレーズ「沖縄を平和のハブとする」と言うけれども、誰が、という主語がありません。沖縄の人の中には、自分たちではなく周りの誰かが沖縄を「平和のハブ」にしてくれるのでは思っている方がいるのでないでしょうか。このフレーズに主語がない以上、そう考えられても致し方ないと思います。