2010年7月アーカイブ

経団連の要求どおり

菅政権の「新成長戦略」

月刊「日本の進路」編集部

 菅首相は所信表明演説で、新内閣の政策課題として、「戦後行政の大掃除の本格実施」、「経済・財政・社会保障の一体的立て直し」、「責任感に立脚した外交・安全保障」の3つを掲げました。2つ目の「経済・財政・社会保障の一体的立て直し」は、6月18日に閣議決定された「新成長戦略」を先取りして述べたものです。この「新成長戦略」がどのようにして作られたかを見ると、菅政権がいかなる政権か、見えてきます。
 経団連は昨年9月15日、鳩山政権の発足に際して「新内閣に望む」という要望書を発表し、「産業競争力維持・強化を軸とする成長戦略」を示すよう要求しました。そして、12月15日に「経済危機脱却後を見すえた新たな成長戦略」を発表しました。

誰のための菅政権か

大企業法人税減税、消費税増税に反対する

月刊『日本の進路』編集部

 自民党は参院選公約で「消費税は当面10%とし、全額を社会保障費に」をうたった。これに対して菅首相は「今年度中に消費税の改革案をまとめる。税率は(自民党の10%を)参考に」と述べ、消費税問題が参院選の争点の一つとなった。
 また自民党、民主党とも、「国際競争力の強化」を口実に大企業の法人税減税を打ち出している。

財政赤字の原因は何か

 なぜ財政赤字が拡大したのか、消費税増税を主張する政党もマスコミも触れません。そして「ギリシャのようになったら大変だ」「年々増える社会保障費が破たんする」「国民全体で負担を」という議論になっています。多くの国民はぼう大な財政赤字が国民のせいかのように思い込まされています。

日米安保条約の破棄へ、国民的な議論を

日米安保条約の破棄へ、国民的な議論を

月刊『日本の進路』編集部

日米安保に縛られ、米軍基地問題 に決定権をもたない政府

 鳩山政権は、「自立した外交」、「緊密で対等な日米同盟関係」を唱え、普天間基地の移設は「国外、最低でも県外」と約束して登場しました。
 在日米軍基地の75%を押しつけられ、日常的に生活や安全をおびやかされて、米軍基地の縮小・撤去を求めてきた沖縄県民の期待は一挙に高まりました。普天間基地の閉鎖・返還を要求し、辺野古への移設を許さない闘いは、保革を超えて沖縄がひとつになり、巨大な闘いに発展しました。
 9万人の沖縄県民大会で、高嶺県議会議長は「沖縄は日米安保で基地を押しつけられた。安保改定から50年たったいま、日米関係はどうあるべきか、全国で解決しなければならない問題だ」、翁長那覇市長は「日本の自立なくして沖縄の自立なし」と訴えました。米軍基地の根源は日米安保だから、全国で力をあわせて従属的な日米関係を変え、日本の自立を実現しようと、闘いの方向を示したのです。訓練移転先に名指しされた徳之島の人びとは、1万5千人が参加する反対集会を開き、「沖縄の基地負担をなくすには軍縮以外にない」、「沖縄の痛みは分け合うものではなく、なくすものだ」と訴えました。米軍基地そのものをなくすことが解決の道だと、問題の本質を鋭くつきました。

菅政権とはいかなる政権か

菅政権とはいかなる政権か

月刊『日本の進路』編集部

 鳩山政権が崩壊し、菅政権が登場しました。同じ民主党の政権であり、政権交代を優先した時期と政権が確立した時期との違いはあっても、基本的な性格は同じです。
 民主党は昨年の総選挙で政権交代を優先し、自民党との違いを鮮明にすることに総力をあげました。実現の根拠もなく「生活が第一」を掲げ、日米関係ではその覚悟もないのに「対等」を演出し、普天間問題では「最低でも県外」と約束しました。政権さえとれば何とかなると考えたのでしょう。こうして、民主党は自民党政権のもとで困窮し出口を求める有権者の「受け皿」となることに成功し、鳩山政権が誕生しました。

日米共同声明撤回を

那覇市議会、宜野座村議会など意見書可決

「普天間基地問題」で行き詰まった鳩山政権は崩壊したが、鳩山前首相を継承した菅首相は辺野古移設を含む「日米共同声明」を踏襲することを表明した。
 沖縄現地では就任早々、菅首相のこの態度表明に対して激しい怒りの声が高まっている。

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