2009年5月アーカイブ

世界経済危機と日本の進路

月刊『日本の進路』編集部

金融サミットから見えたもの

 4月2日、ロンドンで第2回目の金融サミット(G20)が開かれた。
 アメリカが主張するGDP比2%の追加財政支出に対して、共通通貨ユーロの規律を重視するEU、特にドイツやフランスがこれを拒否し、「2%」の数値目標は声明に盛り込まれなかった。EUが資本移動など本格的な金融規制強化を求めたのに対して、アメリカが反発し、ヘッジファンドの登録制など、お茶にごしに終わった。かつてはGDPの約3割を占めていた製造業が1割に落ち込み、金融・不動産業が最大の産業となったアメリカにとって、金融規制強化は「飯のタネ」をを失うことになるからである。しきりに「協調」が強調された金融サミットだったが、実際は米欧の対立が浮き彫りになった。

「核兵器のない世界」

オバマ大統領のプラハ演説のねらい

広範な国民連合事務局長 加藤 毅

 アメリカのオバマ大統領は4月5日、チェコの首都プラハで「核兵器のない平和で安全な世界を追求する」と演説しました。
 この演説を日本のマスコミは、「画期的な演説。オバマ大統領の率直な姿勢を高く評価したい」(毎日)、「時代の歯車を回そうという呼びかけを重く受け止めたい」(朝日)、と絶賛しました。政党では共産党の志位委員長が「歴史的な意義をもつもの」と歓迎し、オバマ大統領あての手紙をアメリカ大使に手わたしました。共産党はさらにそれを、読売新聞の一ページ全面を使った意見広告に掲載して、大宣伝しました。

ソマリアの海賊と「人間の安全保障」

広範な国民連合代表世話人 武者小路 公秀


 ソマリアの海賊対策は、日本からの自衛隊も参加して進められることになった。国会での討論も新聞の論調も、自衛隊参加の可否についてはあったけれども、ソマリアの海賊がなぜ今ごろ出没するようになったのかということについては、誰も問題にしていない。もっとも、国際社会(実は「先進工業諸国中心の」という断り書きが必要である)が、米国や西欧諸国をはじめとして、中国まで含めて、こぞって海賊退治に参加する形を取っている以上、それ以上のことについて考える必要がないと思われているのかもしれない。

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