遺志を受け継ぎ、玉城デニー候補必勝へ

故 翁長雄志沖縄県知事を追悼する

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 

 翁長雄志沖縄県知事が8月8日、急逝された。心から哀悼し、ご冥福をお祈り申し上げます。


 9月30日が新しい知事を決める知事選投票日となった。翁長知事の遺志を受け県民多くの負託に応えて、玉城デニー氏が立候補を表明された。翁長知事を支えた沖縄経済人の中心、金秀グループ会長呉屋守將氏が選挙母体「平和・誇りある豊かさを!ひやみかちうまんちゅの会」代表に就任し、仲里利信前衆議院議員が本部長を務め「オール沖縄」体制の再構築をめざしている。 続きを読む


全国知事会 日米地位協定抜本改定を求める

「国内法を原則として米軍にも適用」を主張

 全国知事会は7月26、27日、札幌市で開いた全国知事会議で「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。全国知事会が日米地位協定の改定を提言するのは初めての画期的な動きである。沖縄の地元2紙は大きく報道したが、全国紙やテレビは大方、無視している。翁長雄志知事が言うように「日本国憲法の上に日米地位協定」がある。その地位協定抜本改定を47都道府県知事が全会一致で政府に求めたのである。文字通り画期的で、対米従属の安倍政権にとっては衝撃的だったであろう。
 全国で、この提言を支持し沖縄に連帯して政府に強く迫らなくてはならない。全国の地方議会の9月議会で支持する決議を上げる必要がある。 続きを読む


7月27日、前知事の埋め立て承認撤回を表明

翁長沖縄県知事、記者会見で決意を述べる

今の日本の動きではアジアから締め出されるのではないか
私たちの沖縄は何百年も苦労してきたが、今やっと飛び立とうとしている。それは十二分に可能な世の中になってきている

翁長雄志沖縄県知事が承認撤回を表明した、臨時の記者会見での発言要旨

 はいさいぐすーよー、ちゅうがなびら。
 発表事項に入ります前に辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例の署名活動が7月23日に終了し、主催者によると中間集計で必要署名数約2万3千筆を大きく上回る約7万7千筆もの署名が集まったとのことであります。
 署名活動に取り組まれた皆様のご努力に心から敬意を表するとともに、政府におきましてもこれほど多く県民が署名を行った重みについてしっかりと向き合ってもらいたいと思います。 続きを読む


翁長雄志知事の「承認撤回」の英断を断固支持する

『日本の進路』編集部

 翁長雄志沖縄県知事は7月27日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、「前知事の埋め立て承認撤回」を表明した。そして「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考え」を改めて表明した。「オール沖縄」を強化する、この知事の英断を断固支持する。
 政府は、地方自治体としての沖縄県のこの決定を受け入れなくてはならない。
 全国で翁長知事を支持し、沖縄県民とともに新基地建設を許さない世論を盛り上げなくてはならない。この秋が天王山である。 続きを読む


タネが危ない

野菜は人間に食べられるためではなく、子孫を残すために生きている

 

野口のタネ店主 野口 勲さん

 西武池袋線飯能駅の西北西7キロ、秩父山地のふもとに、手塚治虫の『火の鳥』と『野口のタネ』の看板を掲げた、野口勲さんの野口種苗研究所があります。タネ屋に生まれた野口さんは手塚治虫のそばにいたい一心で大学を中退して虫プロに入り、『火の鳥』の初代担当編集者となりました。虫プロが倒産した後、家業のタネ屋を継いだ野口さんは、『火の鳥』を看板に使う許可をもらい、看板に恥じないタネ屋になろうと決意しました。「生命の尊厳と地球環境の持続」です。
 野口さんは今、「タネが危ない」と、F1種のタネを大量生産するために「雄性不稔」の株を利用する技術があらゆる植物に広がっていることに警鐘を鳴らしています。野口勲さんのお話を聞きました。(編集部)

 

固定種とF1

 日本では江戸時代に、良いタネを選抜し、形質を固定して販売する専業のタネ屋が現れました。一般の農民は、形質が固定した野菜のタネ(固定種)を買い、何年も自家採種して、その土地に合った野菜にしていきました。1960年頃までは、販売される野菜のタネのほとんどはこの固定種でした。 続きを読む


友好交流を支えた苦難の4000キロ「朝鮮通信使の道」

祝・朝鮮通信使のユネスコ「世界の記憶」登録!

写真家 仁位 孝雄

1 私と朝鮮通信使

 私は、対馬をPRするため1989年から朝鮮通信使をテーマに、江戸時代ソウルから対馬を経由して江戸、日光までの朝鮮通信使の足跡をたどりながら写真を撮り続けている。撮り始めた90年代は、朝鮮通信使が宿泊したお寺(客館)に撮影に行っても、ご住職が朝鮮通信使って何ですか?と全く通じなかった。
 2002年に長崎市で開催した朝鮮通信使の写真展では、これは遣隋使ですか遣唐使ですか?との質問があるなど一般の方には朝鮮通信使は全く認知されていなかった。 続きを読む


国際環境の激変と地方・地域、自治体の課題(中)

山本 正治(本誌編集長)

3 安倍政権の国内政治、地方政策のポイント、批判的検討

 2012年12月、政権に復帰した安倍晋三首相は翌年1月28日、政権復帰後最初の国会所信表明で「危機的な状況にあるわが国の現状を正していく」と大上段から振りかざした。具体的には、「日本経済の危機」「東日本大震災からの復興の危機」「外交・安全保障の危機」、それに「教育の危機」の4つの危機を正すとした。 続きを読む


安倍政権の「林業改革」は山を荒廃させるだけ

零細な農林家が国土の7割の森林を守っている

 

農林家の能美俊夫さんに聞く

 安倍首相は1月22日、国会の施政方針演説で、「戦後以来の林業改革に挑戦する」と述べ、国会は5月25日、「森林管理経営法」を成立させた。
 日本の国土の7割近くは森林である。森林は、材木を供給するとともに、緑のダムと呼ばれ水を貯え、国土を保全し、緑の環境を維持し、CO2を吸収し酸素を供給する。薪や炭などとして熱エネルギー源でもあり、今注目のバイオマス発電に燃料を供給する。
 その森林の大半は荒れ放題である。日本の森林と林業が直面したきわめて深刻な現状と打開の方向、安倍政権が進める方向の問題点などを、農林家の能美俊夫さん(福岡県北九州市・のうみ農園主)に伺った。

 

日本の森林と林業の現状

 日本では、10ヘクタール以下の森林所有者が全体の9割を占めており、大規模に森林を持っている人たちはごく少数です。私のところは4ヘクタールくらいしかありません。その人たちが日本の森を守っているのです。その人たちはどんな人たちかというと、農業と林業をやっている農林家です。なおかつ、他の仕事もしている兼業です。基本的にはそういう人たちが一生懸命、金にもならない山を一生懸命に守ってやっているのです。 続きを読む


緊張緩和をもたらした米朝首脳会談を歓迎する

朝鮮半島の平和に日本は
歴史的責任を果たさなくてはならない

『日本の進路』編集部

 金正恩国務委員長とトランプ大統領は、6月12日、シンガポールで初の米朝首脳会談を行った。両首脳は、「両国間に数十年間続いてきた緊張状態と敵対関係の解消」をめざすことなどを確認し、合意文書に調印した。トランプ大統領は対話中の米韓合同軍事演習の中止も表明し、18日、正式に8月演習が中止された。
 朝鮮半島での半年前までの息詰まるような軍事的緊張の緩和が確認された。
 アメリカによる核戦争挑発の大軍事演習などで緊張は一触即発の極限状況にあった。朝鮮は、日本にある米軍基地も報復攻撃の対象にすると宣言し、文字通り日本国民の生命すらも核戦争の危険にさらされていた。そうした脅威はひとまず遠のいた。 続きを読む


従属関係極まる米軍基地職場

今こそ平等な日米関係を

與那覇 栄蔵・全駐労沖縄地区本部委員長に聞く

■労働者の権利守れない基地職場の現実

 全駐労は在日米軍基地で働く従業員を組織して、北は青森の三沢基地から沖縄まで、全国7つの地区本部があります。現在、全国では2万5千人くらいの従業員が働いていますが、そのなかで全駐労は1万6千人ほど組織しています。沖縄では8千700~800人くらいの基地従業員がいますが、このなかで約6千人、70%くらいを組織しています。
 在日米軍基地が職場という特殊な環境ですから、いろいろなジレンマというものを抱えています。わが国は日米同盟を基軸に防衛政策を掲げ、政治・経済あらゆる分野でアメリカと密接に関わってきました。「従属関係」とよく言われますが、実は基地の職場に集中的に問題が露呈しています。 続きを読む


激動する東アジア情勢、安倍外交に異議あり!

浅井 基文 (元外交官・元市立広島大学平和研究所所長)

 時局講演会「激動する東アジア情勢―安倍外交に異議あり!」が、東京都立川市で5月16日、開かれた。実行委員会の主催で、呼びかけ人は長谷川和男(元杉並教組委員長)、横森利幸(国労八王子地本書記長)、青山秀雄(昭島市議)、嶋﨑英治(三鷹市議)、大沢豊(立川市議)、菅谷琢磨(広範な国民連合・東京)の各氏。
 また、25日には横浜市で「『今こそ日朝対話を、国交正常化の時』神奈川集会」が開かれた。実行委員会主催で、呼びかけ人は桑原絵美(国際手話通訳者)、関田寛雄(日本キリスト教団牧師)、露木順一(元開成町長)、原田章弘(広範な国民連合代表世話人)、山本泰生(横浜国立大学教授)の各氏。
 両集会で元外交官で元市立広島大学平和研究所所長の浅井基文氏が、朝鮮半島情勢を中心に1時間余にわたって講演した。本稿は5月16日の立川市での講演の一部である。(文責編集部) 続きを読む


国際環境の激変と地方・地域、自治体の課題(上)

山本 正治(本誌編集長)

 安倍首相は今も「アベノミクスの成果を地方に」などと欺いている。日本経済は「緩やかな成長」が言われるが、国民は貧しく家計消費は伸びず、需要は海外依存、大企業の海外収益依存度は5割を超える。
 主要先進国は、どこもリーマン・ショック前の成長を超えることはない低成長傾向が続くが、なかでも日本は先進国の中で最低の成長にとどまっている。国内の需要は乏しく、バブル崩壊後の「失われた20年」を脱していない。
 安倍政権のアベノミクスで、大企業と資産家は極度に豊かになったが、地方はますます疲弊し、貧困化と格差が拡大し持続可能性が問題となっている。 続きを読む


TPP12より悪い、TPP11

鈴木宣弘(東京大学教授)

米国抜きのTPP11の発効は、日米2国間でTPP以上の対日要求に応えることとセットなので、「TPP11+米国へのTPP12以上の譲歩=TPP12以上の日本への打撃」となる。

「自由貿易」への反省の時代に入った

なぜ米国民にTPPが否定されたのか。「もうかるのはグローバル企業の経営陣だけで、賃金は下がり、失業が増え、国家主権が侵害され、食の安全が脅かされる」との米国民のTPP反対の声は大統領選前の世論調査で約8割に達している。トランプ氏に限らず大統領候補全員がTPPを否定せざるを得なくなった事実は重い。
「トランプ氏の保護主義と闘わなくてはならない」という日本での評価は間違いである。米国民によるTPPの否定は「自由貿易」への反省の時代に入ったことを意味する。 続きを読む


米国、自動車関税で恫喝。自由貿易協定を迫る

亡国・腐敗の安倍政権打倒!

自主・平和の政権をめざし連携を発展させよう

「日本の進路」編集部

 安倍政権と与党などは、離脱した米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)承認案を5月15日に、同関連法案を24日に、強行採決で衆院を通過させた。6月20日までが会期の参院での攻防となっている。
 この法案の本質は、鈴木宣弘東大教授が内閣委員会での参考人質疑(4~6ページに掲載)で指摘するように、「食を外国に握られることは国民の命を握られ、国の独立を失う」のであり、まさに亡国の協定である。関連法案を含めて阻止の闘いを強め、安全保障確立戦略の中心を担う恒久的な農林水産業政策確立をめざす闘いを発展させなくてはならない。 続きを読む