地方一覧

元福島県知事佐藤栄佐久さん追悼

合掌 さようなら佐藤栄佐久さん

金沢市議会議員 森 一敏

 

 3月28日、私が代表世話人を務める市民の政策研究会「くるま座」が金沢からお送りした弔意です。
 ……ご一緒した在りし日に 政治家の神髄をみました
 その慈愛に満ちたお姿を偲び 心よりご冥福をお祈りいたします

 あの忌まわしい「収賄ゼロの収賄容疑」で知事の座を追われたにもかかわらず、行き交う人に知事さん、知事さんと親しげに声をかけられる柔和で腰の低い栄佐久さんが、権力の横暴には毅然として妥協なく立ち向かうその姿勢に、政治家の神髄をみたのです。 続きを読む


沖縄の先島諸島からの避難計画

 避難計画   私たちの島
〝だれもいない場所〟になってしまうのか

石垣市議会議員 花谷 史郎

 

 

 今年3月27日、政府は沖縄の先島諸島からの避難計画をまとめ、公表しました。約12万人を6日程度で九州と山口県の32自治体へ避難させるものです。民間フェリー、海上保安庁や自衛隊が確保した船、航空機などを使って、1日およそ2万人を輸送する計画となっています。 続きを読む


日米地位協定の抜本的見直し

日米地位協定の
抜本的見直しを求める意見書が採択

鳥栖市議会議員 牧瀬 昭子

 

 

 「沖縄だけの問題ではない」
 この言葉を、どれだけ自分の中に落とし込めていたのだろうか―そう問いかけながら、私は今回の意見書作成に取り組みました。
 沖縄の皆さんが長年にわたって受けてきた数々の理不尽。米軍基地からの騒音、事故、汚染、そして繰り返される性暴力事件。
 その多くは、日本本土に住む私たちが「沖縄に押しつけてきた」現実でもあります。 続きを読む


社会保障 ■ 地域のケアをどう支えるか?

岐路に立つ日本の社会保障と介護保険

鹿児島大学法文学部教授 伊藤 周平

 

いとう・しゅうへい 1960年生まれ。専攻は社会保障法。東京大学大学院修了。法政大学、九州大学助教授を経て、2017年より現職。著書に『社会保障入門』(ちくま新書)、『岐路に立つ日本の社会保障―ポスト・コロナに向けての法と政策』(日本評論社)など多数

 

【1】社会保障の基本は公的責任

 日本国憲法25条は、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(「生存権」といわれる)を明記し(25条1項)、同条2項で「国は、すべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定し、生存権を保障する義務を国(自治体も含む)に課している。 続きを読む


「漁場を返せ!」漁民が防衛省を告訴

「漁場を返せ!」漁民が防衛省を告訴

種子島の漁師 浜田 純男さん

 

 鹿児島県西之表市の塰泊浦の漁師浜田純男さん(68)が今年3月12日、馬毛島周辺で漁を営む権利が侵害されたとして、国に対し馬毛島の港湾施設工事差し止めを求める訴訟を鹿児島地裁に起こした。馬毛島では現在、米軍陸上空母離着陸訓練(FCLP)基地移転を伴う自衛隊基地建設が進んでいる。
 馬毛島の唯一の漁港である葉山港の周辺は、対岸の塰泊浦集落の共有地である。浜田さんはその地権者の一人でもある。
 本誌編集部は浜田さんにお話を伺った。

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地方自治法「改正」

緊急事態条項改憲の先取りを止めよう

―金沢からの闘いの報告―

金沢市議会議員 森 一敏

 

 

 

問題意識

 私は、石川県憲法を守る会の運動、憲法改悪NO!市民アクション・いしかわの共闘運動の中で、両院の憲法審査会において、緊急事態条項改憲の突破口として国会議員の任期延長改憲の発議を、憲法論を度外視して強行しようとする改憲5党派の動きに危機感を強めていました。ですから、地方自治法に国の指示権を創設する法改正、すなわち非常事態を理由として、国家権限を強化する自治法「改正」は、改憲無き実質改憲、狙われている緊急事態条項改憲の先取りになりかねないと危機感を強めました。 続きを読む


地方自治法改定 ■ 髙橋 康輔

意見書を全会一致で採択

山形市議会議員 髙橋 康輔

 

 

 

 本年2月下旬、私が所属する地方議員ネットワーク主催の地方自治法改正に関する研修会がありました。研修では、第33次地方制度調査会が昨年12月21日に出した「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」に基づき、地方自治法が改正される見込みであるが、その内容が大規模な災害、感染症のまん延など国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例として、国が地方公共団体に対し、その事務処理について国民の生命等の保護を的確かつ迅速に実施するため講ずべき措置に関し、必要な指示ができることとするものであり、地方自治の観点から大きな問題だとの提起がありました。

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地方自治法改定 ■ 自治体への国の「特権的指示権」に反対する

沖縄のような抵抗が全国に広がってはいけないと政府は思っている

(玉城デニー沖縄県知事)

 

 地方自治法改定案が国会で審議中である。自治体に対する国の「特権的指示権」を地方自治法の中に新たに盛り込んだ法案だ。

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大分分屯地における火薬庫増設

市街地に敵基地攻撃用ミサイルを置くということは

大分県議会議員 守永 信幸

 

 

 陸上自衛隊大分分屯地は、大分市鴛野という住宅密集地域にあり、数㎞も離れないところに大分大学の本校がある文教地域だ。人口減少の流れの中で、住宅の世代交代がうまくは進んでおらず、高齢者比率が高く、病院等医療・介護施設の増加も目立つ地域である。

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沖縄の民主主義と地方自治を守る

県議選の勝利へ全国から支援を

北海道議会議員・全国地方議員交流研修会共同代表 北口 雄幸

 沖縄県議会議員選挙が、6月7日告示、16日投開票で行われます。
 今回の沖縄県議選は、今後の沖縄県を左右する重要な選挙であり、したがってわが国の進路に重大な影響を持つと思います。玉城デニー知事与党の圧倒的勝利のために全国からの支援を呼びかけます。

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「台湾有事」に揺れる八重山諸島 下地 あかね

農業基本法 全会一致で意見書採択

持続可能な農業振興を求める

宮古島市議会議員 下地 あかね

 

ボランティアで在来種の馬の世話をするあかねさん

 令和6年宮古島市議会3月定例会に提案した「新たな基本計画における持続可能な農業振興の強化を求める意見書」は、一人の退席があったものの、全会一致で可決されました。農業の島である宮古島ならではのことで、多くの議員が当事者ごととしてとらえたものと思います。
 「食料・農業・農村基本法」の改正にあたり他自治体から上がった要請や、3月21日「食料自給の確立を求める自治体議員連盟」による国への要請にも事前に目を通しましたが、重要な提言が多々ありました。

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防衛省 うるま市の陸自訓練場白紙に

「住民が団結すれば、政府よりも強い力を発揮する」

 木原稔防衛相は4月11日、沖縄県うるま市石川への陸上自衛隊訓練場の整備計画を白紙に戻すと表明、反対運動を進めてきた「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」は石川部落事務所で緊急記者会見を開いた(写真)。
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地方自治法改悪に反対 日本弁護士連合会

自治体・住民の「自己決定」を阻害する

 岸田政権は、開催中の通常国会に地方自治の根幹を揺るがす地方自治法の改悪法案の提出を準備している。これに対して日本弁護士連合会は今年1月18日、反対の意見書を発表した(第33次地方制度調査会の「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」における大規模な災害等の事態への対応に関する制度の創設等に反対する意見書)。その要旨を紹介する。(文責編集部)

意見書全文
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2024/240118_2.html

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福島第一原発処理水海洋放出問題 千葉 悦子

廃炉含めて次世代への責任

「福島円卓会議」(福島県男女共生センター館長、元福島大学副学長)千葉 悦子

原発に向き合わず悔いが

 私は30年余り福島大学で教鞭を執り、2018年3月に退職しました。東日本大震災以降は教育も研究も福島の復興・再生のために追われる毎日だったような気がします。
 東日本大震災に伴う原発事故で全村避難となった飯舘村には、これまで学生の実習や調査研究のフィールドとして多くのことを学ばせていただきました。とくに第五次総合振興計画の策定(04年)や中間見直しの作業(09年)では村職員と住民とひざを突き合わせて何度も話し合い、村民の方々との信頼を深めてきました。私たちは飯舘村の豊かな村づくりの実践を地域づくり論として発信しようと準備を進め、いよいよ刊行という段階にまで進んでいたそのさなかに東日本大震災が発災したのです。

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