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少なくともまず東アジアを戦争のない地域に――長老たちの提言

「どうやって他の国が攻めてこないようにするか」を、国際政治・外交の本旨に

東アジア不戦推進機構代表 西原 春夫

各界長老が連名で発表した「東アジア不戦」の提言を紹介するにあたって、編集部は、「提言」を提唱され、運動を進めるために「東アジア不戦推進機構」をつくり代表を務めておられる西原春夫さん(早稲田大学元総長)からメッセージを頂いた。

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わが国は再び近隣諸国の脅威となってはならない

「敵基地攻撃能力」は戦後の反省と「非軍事」路線からの根本的転換

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 安倍政権は、コロナ感染症対策さえ満足でないにもかかわらず、「敵基地攻撃能力保有」の新たな安全保障政策の検討に入った。
 自民党の提言は、「憲法の範囲内で、国際法を遵守しつつ、専守防衛の考え方の下」という条件をつけてはいる。だが、どう取り繕っても実態を変えることはできない。
 わが国の自衛隊という軍隊が、米軍とともに相手国領域内に攻め込む軍事力を保有する。日本は明らかに一線を越える。 続きを読む


香港問題をどう考えるか(1)

『日本の進路』編集長 山本 正治

より歴史的にとらえないと未来を誤る

 私たちは、自由を求める香港の青年たちの要求と闘いに深い共感をもっている。いかなる政権であってもこうした行動を力で弾圧することは許されない。
 しかし、香港の問題(国家安全維持法制定)は完全に中国の内政問題である。アヘン戦争によって奪われた香港の領土と主権を回復する歴史的課題が中国国民と政府にはまだ終わっていない。「国際社会」による、「自由」とか「人権」という言い分での乱暴な内政干渉は許されない。それは植民地主義の手法である。問題を解決できるのは中国国民だけである。 続きを読む


香港問題をどう考えるか(2)

『日本の進路』編集長 山本 正治

アヘン戦争で「大英帝国」に奪い取られた香港

卑屈なわが国マスコミ

 朝日新聞社説は「19世紀以降、英国の植民地支配下で育まれた独特の都市文化は変質せざるをえないだろう」(7月1日)といって、英国の香港植民地支配を無条件に賛美し、中国政府を激しく攻撃する。「香港の声を聞かずに」「人権」「香港の高度な自治」等々と、わが国マスコミも野党も声高である。だがこれらの中国攻撃は、「大英帝国」がアヘン戦争を通じて香港を中国から強奪し、植民地支配を進めたことに一言も触れない。それどころか朝日新聞に至っては逆に、それを天より高く持ち上げる。「植民地都市文化の変質」、大いに結構、それこそ必要ではないか。植民地文化にどっぷり汚染されたマスコミ人は気づかないのであろうか。 続きを読む


香港問題をどう考えるか(3)

『日本の進路』編集長 山本 正治

司法権も民主制も大英帝国当時のママ

 例えば、「高度な自治権」の中には、「独立の司法権および終審裁判権を有し、現行の法律は基本的に変えない」ことも含まれていた。要するに、イギリス帝国の世界支配の法体系(コモン・ロー)をそのまま維持するという合意だった。コモン・ローは英国(帝国)独特の「一般的慣習法」のことで、英連邦の司法関係者以外には理解もできず、運用もできない。そこに司法支配を委ねるということである。香港基本法92条には「裁判官は、他のコモン・ロー適用地域から招聘できる」とも規定されている。この結果、現在も最終審(最高裁)判事は17人中15人が外国籍である。
 返還とは名ばかりで、ロンドンの金融街による香港の司法支配であり、それに従属した自由だった。司法制度は植民地のままだった。 続きを読む


東京で新規就農 ■ 都市農業に取り組む若者たち(1)

農業を「新しい生活スタイル」に

東京NEO-FARMERS!世話人代表
松澤 龍人 さん
(一般社団法人 東京都農業会議 業務部長)

東京都の非農家出身新規就農者の集まり、東京NEO-FARMERS!の松澤龍人さんと就農者の大塚聖子さんに話を聞いた。大阪でも、同様の組織が立ち上げられた。コロナ禍で、過密都市問題と食料自給への関心が高まっている。農林業就業と地方移住の希望者が増加している。都市と地方の結びつき強化は重要である。

 まず、東京都の農地についてですが、面積と生産量ともに、23区と多摩地域、伊豆諸島を合わせても、埼玉県の深谷市と同規模くらいですね。深谷市は農地面積が多いところですが、それにしてもひとつの市と同じ程度です。 続きを読む


東京で新規就農 ■ 都市農業に取り組む若者たち(2)

大塚 聖子さん(相模原市、つくいマルせい農園)の話

 

 農園の場所は、相模原市の山の中の津久井地域の寸沢嵐です。東京に適当な農地が見つからなくて松澤龍人さんにお世話になって就農することができました。「東京NEO-FARMERS!」の相模原グループということで一緒にやらせてもらっています。

8月18日から21日の11:00~18:30、JR新宿駅南口徒歩4分にあるJA東京アグリパークでマルシェを行う。

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私の日中関係史(1) 戸毛 敏美

日本の侵略、敗戦と新中国成立、そして関係正常化へ

NPO法人大阪府日中友好協会副会長
関西外国語大学外国語学部名誉教授
戸毛 敏美

私は中国東北部で生まれた

 私は生まれも育ちも中国東北部黒竜江省のハルビン市です。それは日本の中国侵略と関係があります。日本は、植民地支配の属国として中国東北地方に傀儡国家満州国をつくりました。満州を支配していた日本陸軍・関東軍は物資輸送に、中国東北地方の馬を利用していました。しかし、いわゆる満州事変により国際連盟を追い出された日本は原油が手に入らなくなったこともあり、力不足の馬の品種改良が課題でした。父は、東大農学部獣医学科を卒業後、品種改良を命じられハルビンの種馬場長として勤務しました。 続きを読む


コロナ第1波を検証し今後に備える ■ コロナ差別があぶり出したもの

差別が根差す社会に生きる人すべてが「当事者」であるという認識と行動

公益財団法人反差別
人権研究所みえ 常務理事兼事務局長
松村 元樹

三重県で何が起こったのか?

 三重県では、4月に松阪市の中華料理店が新型コロナに関するデマのターゲットになりました。「コロナが出た」「店の周りは気をつけた方がよい」「従業員が感染している」などのデマがSNSで拡散され、予約がすべてキャンセルになり、店には、「感染者が店にいるのか」などの電話が相次ぎました。昼の時間帯の来客は、30人~40人あったのに10人程度まで減ったのです。 続きを読む


コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える

民族や国籍で差別することなく支援すべき

参議院議員 徳永 エリ

あまりに場当たり的な政府の対応

 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に 1月31日時点のQ&Aで、「中国国内では、ヒトからヒトへの感染は認められるものの、ヒトからヒトへの感染の程度は明らかではありません。過剰に心配する事なく、風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行う事が重要です」と、危機感のない見解を示していた。 続きを読む


真の保守としてオール沖縄強化へ全力を尽くす ■ 金城徹さんに聞く

主権なく、いつまでも国民の命や権利を守れない国でよいのか

□ 沖縄の新しい保守政策集団代表 金城徹さん
■聞き手 山内末子・沖縄県議

――金城さん、こんにちは。「新しい風・にぬふぁぶし」の金城徹代表にお話をお伺いします。(にぬふぁぶし=北極星)
 金城徹さんは、もともと自民党で那覇市議会議員で議長の時に、当時の翁長雄志市長と共に辺野古には新基地はつくらせないということで、翁長知事を誕生させる立役者になられた。そのへんの経緯、その時の心情なども含めてお聞かせください。 続きを読む


コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える

真の政治家とはこうした危機の時に動けるか

国の難局、地方の難局に腹をくくって立ち向かうということ

Save Okinawa Project代表
玉城 研太朗
(沖縄県医師会理事・那覇市医師会理事・那覇西クリニック診療部長)

 「卯の花の 匂う垣根に 時鳥 早も来鳴きて 忍音もらす
 夏は来ぬ」

 1896年に発表された、佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲の日本の唱歌「夏は来ぬ」。
 わたくしはこの曲がとっても好きだ。長い冬が終わり、卯の花が咲き乱れ、ホトトギスが鳴く、いよいよ夏がやってきた、と何というのでしょうか、弾けんばかりの夏の爽快感が見事に歌われており、心躍らされるそんな歌ではないだろうか? 沖縄県に長く厳しい冬などないが、いよいよ梅雨も明け、まっつぁおな空と照り付ける太陽、エメラルドグリーンの海を眺め、わたくしはとある会議の前に沖縄県恩納村にある谷茶前の浜公園に立ち寄り、この歌を聴きながら、ここ数カ月の出来事、沖縄県が日本全国があるいは世界中が立ち向かって闘ってきた「COVID-19」のことを思い返していた。 続きを読む


コロナ第2波と大災害に備えを

安全保障とは国民の命と安全を守ること

「日本の進路」編集部

 75年目の8月15日がやってくる。アジアで何千万の人びとの命を奪い、日本人も何百万人が命を落とした日本のアジア侵略戦争と太平洋戦争。そして沖縄地上戦と米軍の原爆投下による広島・長崎の惨禍。莫大な犠牲の上に今日の日本がある。
 コロナ禍が加速し浮き彫りにした歴史の転換点で、過去の歴史をしっかりと振り返り未来を選択しなくてはならない。戦争をしない、させない政治、何よりも国民の命を守る政治。安全保障とは国民の命と安全を守ること、そして国際の平和を守り、諸国の共生を実現し、諸国民の命を守ることだ。
 安倍首相は口を開けば、「国民の生命、安全を守る」、そのため「強い国」をつくると言う。ところが、その政権の下で、他国の攻撃によってではなく国民の命が次々と奪われている。これは人災、いわば政災だ。 続きを読む