進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 横須賀と厚木

横須賀と厚木――大きく変わる基地の使い方

木元 茂夫(神奈川県を中心に反戦・反基地運動に参加)

 米の原子力空母リンカーン(全長333m、満載排水量10万3637トン)の入港について、外務省北米局日米地位協定室長が横須賀市に説明に来たのは5月18日。しかし、その内容たるや「具体的な入港日時、滞在期間については、米軍の運用に関わるため現時点では承知していない。原子力艦船が我が国に寄港する際、寄港の24時間前に米側から通報を受けることになっている。今回の寄港も同様である」という極めて不親切な、最小限の情報提供であった。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 京丹後市

米軍Xバンドレーダー基地(京丹後市)
目的は「米国本土防衛」、犠牲は日本に

京丹後市議会議員・米軍基地建設を憂う宇川有志の会 永井 友昭

 京都府京丹後市にある米軍Xバンドレーダー基地(在日米陸軍経ヶ岬通信所)は、丹後半島経ヶ岬の西の海岸に突出した崖の上に建設されています。このところ盛んに日本海へ発射される北朝鮮のミサイルを早期に捉えて米本国の防衛を果たすというのがその目的です。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 山口県

極東最大の岩国基地(山口県)
連日の訓練、機能強化が進む

岩国市議会議員 姫野 敦子

 極東最大の米軍基地になった岩国基地には、空中給油機、空母艦載機やF35Bなどに加えて、このたびステルス機能の戦闘機F35Aがカナダから、またF22も飛来。このF22はステルス性能に加えて多様な任務にも対応できる性能を持ち、猛禽類を意味するラプターと言われる。数日前には無人偵察機の「トライトン」も飛来している。

 議会中も昼休みの12時40分ごろには連日次々と爆音を轟かせて離陸していく。騒音の苦情もいつにも増して多いと聞く。

 訓練の狙いは即応能力の向上。背景には中国や北朝鮮の存在があり、外来機の飛来は力の空白を生じないようにとの配慮などで仕方ないと言われている。

 空も心配だが、基地に付設の軍港には2021年度には17隻、本年度もこの2カ月で4隻が寄港と、これまでの15年間に5隻とは比べものにならない数の艦船が接岸、戦略上の拠点化が進んでいる。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 福岡県

自衛隊築城基地(福岡県)
「沖縄の基地が武力攻撃で使用不能になった場合」
にと急ピッチで進む米軍基地化

平和といのちをみつめる会代表 渡辺 ひろ子

 築城基地は、太平洋戦争中は海軍の航空隊の基地であり、戦後の一時期は米軍が駐留、その後、航空自衛隊基地になりました。戦時中は米軍の激しい攻撃で多大な被害を受け、戦後の米軍駐留時には米兵による犯罪の犠牲に泣いた人々も多くいます。

 しかし、そういう体験をもつ人たちも高齢化し、「米軍は絶対にダメだ!」と語る老人もいなくなりました。

 1988年に始まった築城基地での日米共同訓練はその後、「在日米軍再編に伴う訓練移転」という名に変わり、「沖縄の負担軽減のため」という大義名分を得て実施されています。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 佐世保市

自衛隊水陸機動団強化(佐世保市)
訓練に反対し漁民や住民が声を上げる

広範な国民連合・長崎 代表世話人 中村 住代

 西海市の崎戸町で陸上自衛隊水陸機動団の訓練計画についての住民説明会が開催されたのは、昨年2021年10月18日だった。

 訓練は町内すなわち島の全域で、しかも毎月7日未満で年間70日未満の訓練期間で恒常的に実施されるという。ヘリコプターの騒音による生活環境の悪化や漁業被害が危惧され、到底受け入れることはできない。急きょ「崎戸町生活環境を考える会」(代表・上野久美子さん)が結成された。11月24日、市長に訓練計画中止を求める文書を提出し、さらに12月22日に、市長に「住民の合意が得られていないことを踏まえ、陸上自衛隊水陸機動団の訓練計画中止を求める要望書」を直接手渡し、意見交換した。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」 宮崎県

自衛隊新田原基地(宮崎県)
F35Bを20機配備、米軍用弾薬庫も

宮崎市議会議員 中川 義行

 

 

 防衛省は新田原基地に新たにF35Bを2024年度に6機、25年度に2機配備し、将来的に約20機配備することを明らかにした。防衛省は新たな自衛隊基地整備が計画されている馬毛島(鹿児島県西之表市)に近いところから新田原基地が最適と説明。F35Bはレーダーに感知されにくいステルス性能を備え、短距離離陸、垂直着陸ができるのが特徴。F35Bを20機も配置する目的は何だろうか。

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進む軍事強化――「本土」の「沖縄化」  鹿児島

鹿児島での軍事基地化の動き
強引に進む馬毛島基地計画

鹿児島県議会議員 上山 貞茂

 

 

 西之表市矢板市長は2月3日、岸信夫防衛相と馬毛島自衛隊基地計画の件で会談をした際、地元の意向を反映させるため、計画を前提に国と市による協議の場の設置を要請、基地整備に伴う米軍再編交付金や自衛隊員の住居について「特段の配慮」を求める要望書を提出した。これまで「計画に同意できない」と反対の立場を堅持していただけに、馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会などに衝撃が走った。基地の賛否で島民の分断を避けたいと思いを語っていた市長だが、昨年末に総額3千億円超の基地整備費を計上した2022年度政府予算案が閣議決定され、1月には馬毛島が基地の「候補地」と日米間で確認、賛成派市民から「反対していたら交付金がもらえない」との声に押された形である。

 国との協議がなされないまま地元無視の強引な手続きに対し、市長は「現実的な対応で市民の不安を解消する必要がある」としているが、賛否が拮抗している問題であるからこそ拙速な行動は慎むべきだった。会談には、鹿児島4区選出の森山裕衆議院議員も同席、圧力が働いたのではないかと推察されるが、計画を受け止めることが前提でなければ協議の場を設けないとする国の姿勢は民主国家と言えるだろうか(市長は賛否を表明していない)。

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日米首脳会談 台湾有事策動反対

沖縄を再び戦場にさせてはならない

 

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 

 岸田首相とバイデン米大統領は5月23日の首脳会談で、「中国をめぐる諸課題への対応」を検討し、「日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化」を確認した。

 米国は、ウクライナ戦争に軍事資源を集中し対中国に手が回らない。その分、日本が前面に立った「対中国軍事同盟」の強化であり、アジア版NATOだとも言われる。日本は、「敵基地攻撃能力」で、自衛隊発足以来の「専守防衛」原則を公然と投げ捨てる。英国BBCは国際放送で「日本は平和主義を放棄」と報道した。韓国でのサプライチェーンなど経済のみの「約束」とは大違いだ。当然にも、中国などアジア近隣諸国は、日本が軍拡競争に乗り出したと身構える。沖縄では、「再び戦場にするな」の危機感が高まっている。日本を守る「平和戦略」、アジア共生の外交重視こそ政治の責任である。「専守防衛」の原則を堅持しなくてはいけない。

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沖縄県知事選挙 出馬表明

沖縄県知事選挙 出馬表明 (要旨)

 

 

 

 「平和・誇りある豊かな沖縄」「イデオロギーよりアイデンティティー」の県政運営を実践されていた翁長雄志前知事の逝去に伴い行われた県知事選挙で、県民から負託を受け、2018年10月に就任してからあっという間に3年余りがたった。首里城火災や豚熱、新型コロナウイルス、大量の軽石漂流といった災害級の対応に迫られながらも、県民の暮らしを支え、県政発展のために奮闘・努力する県庁職員とともに東奔西走してきた日々だった。これからも命と暮らしを支える政策を重点的に進める。

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台湾有事反対、沖縄を再び戦場にさせない

玉城デニー知事再選勝利へ全国から支援を

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 玉城デニー沖縄県知事が那覇市で6月11日、仲里利信後援会長(元衆議院議員、元自民党県連顧問、元県議会議長)をはじめ多くの支持者に囲まれて記者会見し、2期目の県知事選出馬を表明した。台湾有事が叫ばれて南西諸島での軍備強化が進む中で、県民の間には「再び戦場にされる」との危機感が高まり、新基地建設・ミサイル配備などに反対する闘いが発展している。

 私たちは、知事選での沖縄県民の賢明な選択を確信している。
 全国で、中国敵視・台湾有事の策動に反対し、沖縄県民の闘いを支持し連帯して闘うとともに、玉城デニー知事再選勝利へ物心両面の支援を呼びかける。

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参院選で争われるべきは何か

『日本の進路』編集部

 

 参議院選挙が迫った。
 広範な国民連合はこの選挙で、「自主・平和・民主」の政治方向で一致する候補者を推薦するとともに、一人区での「野党統一」候補を応援する。
 全国の皆さんと共に、自公与党と岸田政権に鉄槌を下すため闘う。

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各地の活動 広範な国民連合・東京

広範な国民連合・東京 第18回総会開催(4月25日)

 

広範な国民連合・東京はさる4月25日、第18回総会を開催した。4つの都政報告で年間方針の提案を補足し、新役員の選出を行った。
記念講演として、新外交イニシアティブ代表の猿田佐世さんを講師に、「台湾有事を避けるために」と題してウクライナ情勢と緊迫の度を増している東アジア情勢について話していただいた(概要)。

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各地の活動 広範な国民連合・福岡

「日本の食と農の未来を考える」つどい その後

 

 5月8日の「日本農業新聞」は、「通常国会終盤の攻防・食料安保が焦点」という記事を掲載した。しかし読んでみると、そうであってほしいという農業新聞(つまり農家)の願いではないかと、私には感じられた。野党の皆さんには、食料自給率37%という現実を踏まえて、腰を据えて頑張っていただきたいと思うのだが、同じ紙面に「維新、企業の農地取得に執着」という記事が。何をか言わんやである。大阪あたりのビルの中で考えていると、こういう発想になるのだろうと、一人毒づいているところだ。

 さて私たちはこうした状況に抗して、先日「日本の食と農の未来を考える」つどいを福岡市で開催した。このことに関しては本誌の先月号で報告させていただいたが、集会アピールに「本日の『つどい』が、その為の小さいけれども確かな第一歩になることを私たちは希望し、かつ確信しています」と記したことに関わって、その後の一月余りの間の動きを箇条書き的に報告させていただく。

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沖縄再併合から50年

ヤマトンチュとして沖縄に向き合う

イェール大学生 西尾 慧吾

 

 

 

 

 2019年2月24日に行われた辺野古新基地建設の是非を問う沖縄県民投票を呼び掛けた元山仁士郎さんが、5月9日から東京でハンガーストライキを始めた。私は「ヤマトの無関心が沖縄の人を犠牲にしている」と痛感した。県民投票では7割を超える人が反対の意思表示をした。憲法の定める地方自治に反して新基地建設を強行する国の強権政治に抗議し、一刻も早く元山さんの要求事項の3点(①辺野古新基地建設の即時断念、②普天間飛行場の数年以内の運用停止、③日米地位協定の運用にかかるすべての日米合意を公開し、沖縄県を含む民主的な議論を経て見直すこと)の履行を求めたい。

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