課題・言葉一覧

米軍PFOS汚染水を普天間基地などで垂れ流し

処理費用約1億円を日本政府が負担、これで独立国か

沖縄県議会議員 玉城 健一郎

 自民党の総裁選告示日の翌日、地元紙の一面は自民党総裁選と「米軍PFOS(ピーホス)日本が処分 普天間汚染水費用9200万円負担」(琉球新報)、「普天間汚水日本が処分 PFOS含有費用9200万円負担」(沖縄タイムス)だった。
 米軍は7月、普天間飛行場内で泡消火剤などに使われたPFOSを含む汚染水を厚生労働省の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)に処理した上で公共下水道に流したいという意向を日本政府に伝えた。これに対して、地元である宜野湾市、沖縄県は焼却処分を求めていた(宜野湾市議会においては汚水の適切な処理を求める意見書決議まで出した)。それにもかかわらず米軍は8月26日、PFOSを含む汚染水を公共下水道に放出。これに対して、沖縄県議会は9月10日、宜野湾市議会は8日に意見書と抗議決議をそれぞれ全会一致で採択した。そのような中で今回の日本政府の対応である。 続きを読む


コロナと米と農村の現場から

 

山形県・農業、一般社団法人・置賜自給圏推進機構代表理事 渡部 務

 これが掲載されるころ、当地方は稲刈りが終わって、冬の準備だろうか。今年は盆後の長雨と一時的な低温で「いもち病」の心配もあったが、まずまずの出来である。黄金色に色づき始めた稲穂を見るにつけ一年の努力が実を結ぶうれしさと、その上を飛ぶ赤とんぼ、そのバックには真っ赤に染まった夕日を思い浮かべると、日本人の琴線にふれる風景をこれからも残さなければと思う。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-8

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

地域にも不可欠な中国との経済関係

 

筑紫野市議会議員(福岡県) 上村 和男

 先だって、「日経新聞」に「トヨタが大幅に黒字」という記事がありました。その理由の一つは、中国への自動車輸出が伸びているということが理由として挙げられていました。
 福岡県はトヨタ、日産、ダイハツの工場が立地しています。ですから、かつて九州は「シリコン・アイランド」と言われたんですが、最近は「カー・アイランド」というふうに言われています。それくらい地域経済のなかで自動車の占める割合は大きいのです。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-7

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

アジアの共生を進める

金沢市議会議員(石川県)  森 一敏

 金沢大学の教育学系の学生たちと討論する機会がありました。金沢市では育鵬社の歴史教科書を採択、再採択しており、この問題について議論したら、ある学生から、「韓国のように反日の教科書を編集して使用させている国は他にもあるのか」という問いが私に投げかけられました。
 これが一般的な現在の学生の認識かどうかは分かりませんけど、金沢市の教科書採択の動向などが影響を与えている可能性があるのかなと思っています。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-6

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

自治体の立場で何ができるか考える

柳澤 協二

 はい。とりあえず2点だけ申し上げますと、まずは私も台湾問題にどういう答えを出すべきなのかといろいろ悩んでいるんですね。
 とりあえずは、「『一つの中国』の合意に戻れ」と政府レベルでアメリカに対しても言うこと、それはあり得るとは思うんだけど、緊急避難的にね。しかし、「一つの中国」ということを台湾の人たちが望んでいるのかという、もっと本質的な問題もあるわけです。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-5

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

日米地位協定の抜本改定の闘い

神奈川県議会議員 日下 景子

 はい。皆さん、こんにちは。神奈川県議の日下景子です。
 今日は、日米地位協定の抜本改定と、「思いやり」予算の廃止などを求めた知事要請の報告をします。
 7月13日に国民連合・神奈川の皆さん、そして、その他4団体十数人で要請書を出しました。これは今年でもう5回目になります。基地対策課の部長等が出てきます。毎年、渉外知事会というのが8月初めにあるので、7月の終わりくらいということで毎年出しているところです。沖縄に次ぐ「第二の基地県」ということで、黒岩知事が渉外知事会の会長をずっと務めています。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-3

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

南西諸島での自衛隊基地強化の実態

西之表市議会議員(鹿児島県) 長野 広美

 はい。ありがとうございます。
 皆さん、こんにちは。西之表市議会議員の長野と言います。
 まず、馬毛島の現状を少しご報告いたします。
 今、私たちが戦々恐々としているのは、日本のどこにもない、もしかしたら世界のどこにもない軍事施設が馬毛島にできるのではないかという思いです。
 馬毛島は鹿児島県のおへそにあたる部分にあります。小さな島ですけど、航路、空路の中心に位置します。そして、私たちが暮らす西之表市から西に10キロしか離れていません。実は大隅半島からも30キロしか離れていない位置にあります。面積は約8千平方キロメートル、南北に2・5キロ、東西に2キロ程度の島です。 続きを読む


米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-1

 第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

沖縄での米軍基地と県民生活の実態

うるま市議会議員(沖縄県)国吉 亮

 はい。よろしくお願いします。
 沖縄県うるま市は、地図で説明するとちょうど沖縄県の真ん中にあたります。
 今日は沖縄県うるま市の基地の現状ということで6点報告したいと思います。
 まず1番目です。
 うるま市では、今年6月10日に、米軍基地キャンプ・コートニーからPFOSという有害成分を含む汚染水が流失しました。このPFOSという成分は人体に悪影響を引き起こし発がんの可能性があり、奇形児が生まれたりする大変恐ろしい物質です。 続きを読む


9・18満州事変90周年

寺沢秀文・満蒙開拓平和記念館館長に聞く

今、生かさなくてはならない『満蒙開拓』の歴史

 

 9月18日、満州事変の発端となった柳条湖事件(1931年)から90年を迎える。旧南満州鉄道の線路が「爆破」されたという事件である。日露戦争の結果「満州」での権益を獲得した日本は、植民地権益拡大を狙い兵力行使の口実をつくるために、関東軍幹部が仕組んだものであった。翌年には、傀儡国家「満州国」がつくられ、中国への侵略が拡大していく。軍隊だけでなく、青少年を含む民間人も「開拓団」として送り込まれた。
 今日、衰退するアメリカの中国封じ込め戦略に従った安倍・菅政権のもとで日中関係はかつてない険しさとなっている。政府やマスコミにあおられ、国民の間にも「嫌中」「反中」感情が高まっている。こうした今、歴史に学び、今に生かすことは重要である。編集部は、長野県阿智村に民間の力でつくられた『満蒙開拓平和記念館』館長の寺沢秀文さんにお話を伺った。文責、見出しを含めて編集部。

オンラインで話される寺沢さんと展示に見入る中学生たち

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コロナ禍の困窮者支援の現場からの提言

今こそ公助の出番!

コロナ災害対策自治体議員の会共同代表
広範な国民連合・東京世話人/足立区議会議員
おぐら 修平

 8月10日に開催された全国地方議員交流研修会で、コロナ禍の困窮者支援の現場からの報告を行った。コロナ禍で失業、家賃滞納や派遣切り寮退去などで職も住まいも失った人々を支援する現場から見えてきた課題と、国や自治体に求める政策について述べたい。 続きを読む


「遺骨土砂問題」への取り組みで学ぶ

「草の根」市民運動にとどまらない可能性

イェール大学学生、「遺骨土砂問題」に取り組む 西尾 慧吾

 防衛省・沖縄防衛局が、沖縄戦戦没者の遺骨が染み込んだ沖縄本島南部の土砂を用い、辺野古新基地建設を強行しようとしている「遺骨土砂問題」。これは人道上の問題で、国は一刻も早くこの蛮行をやめるべきだ。 続きを読む


「沖縄返還」50年を前に 川平朝清さんに聞く

歴史を踏まえて、平和なアジアに生きる日本を

 

 

 沖縄はコロナ感染で大変なんですけれども、私もワクチンは2回受けたものですから、7月1日の「沖縄タイムス賞」受賞の日から4日間、久しぶりに沖縄に行ってまいりました。そのときに経験したこと、これは施政権返還と関係があることです。

かびら・ちょうせい
1927年、植民地台湾に生まれ、沖縄で戦後初のアナウンサー、初代沖縄放送協会会長となる。その後NHKを経て、昭和女子大副学長などを務める。東京沖縄県人会名誉会長。本年度「沖縄タイムス賞」受賞。

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「沖縄返還50年」を前に ■玉城デニー沖縄県知事インタビュー

自立型経済の構築へ 辺野古反対は県民の総意

聞き手 山内末子(広範な国民連合全国世話人、沖縄県議)

来年5月、沖縄返還50年を迎える。50年を振り返り今後を展望することは日本全体の課題である。沖縄県の玉城デニー知事に伺った。聞き手は、山内末子全国世話人(沖縄県議)。文責、見出し含めて編集部。

山内末子 来年5月、沖縄が「復帰50年」を迎えるにあたって、知事は、50年を振り返り、今後50年の沖縄の展望をどう描かれていますか?
玉城デニー知事 復帰50周年の大きな節目である2022年は、新たな振興計画のスタートの年になります。
 1972年5月の本土復帰以降、10年ごとの3次にわたる沖縄振興開発計画がつくられました。県の「沖縄21世紀ビジョン基本計画等総点検報告書」では、これまでの沖縄振興策の展開によって多くの成果が上がっていることが示されました。 続きを読む


緊急の国民的課題は二つ

貧窮化極まる生活危機打開と中国「敵視」政策の撤回

『日本の進路』編集部

 「総選挙を待ってはいられない」と、コロナ被災者支援に取り組む反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長は訴える。職も住居も失う労働者、営業困難に陥っている中小零細商工業者などの実態は厳しく緊急の支援が待ったなしだ。コロナ禍中、オリンピックどころではない。国民生活と経済が直面した危機的事態に、国と地方自治体の抜本的な対策が求められる。 続きを読む