世界経済危機と日本の進路
月刊『日本の進路』編集部
金融サミットから見えたもの
4月2日、ロンドンで第2回目の金融サミット(G20)が開かれた。
アメリカが主張するGDP比2%の追加財政支出に対して、共通通貨ユーロの規律を重視するEU、特にドイツやフランスがこれを拒否し、「2%」の数値目標は声明に盛り込まれなかった。EUが資本移動など本格的な金融規制強化を求めたのに対して、アメリカが反発し、ヘッジファンドの登録制など、お茶にごしに終わった。かつてはGDPの約3割を占めていた製造業が1割に落ち込み、金融・不動産業が最大の産業となったアメリカにとって、金融規制強化は「飯のタネ」をを失うことになるからである。しきりに「協調」が強調された金融サミットだったが、実際は米欧の対立が浮き彫りになった。