課題・言葉一覧

多文化共生

 全国知事会が「排外主義」を批判

多文化共生社会を目指し未来拓く

 

 7月23~24日、青森市で開かれた全国知事会議は「青森宣言」を全会一致で採択した。23日には、「外国人の受入と多文化共生社会実現に向けた提言」も発表した。そこでは「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す我々47人の知事がこの場に集い、対話の中で日本の未来を拓くに相応しい舞台となった」と、排外主義を否定し多文化共生社会をめざす方向を鮮明にした。さらに、「誰一人として置き去りにしない」「平和的で協調的な社会」「真の地方創生の実現」を唱えた。
「日本人ファースト」などと唱える政党すら登場し、参院選でも一定の支持を集めるほど、日本社会は行き詰まって、打開が求められている。ある知事は「参院選結果を受けた全国知事会の思い」だと述べている。「日本を変える! 政治を変える!」うえで、この全国知事会会議の宣言や提言は支持でき、大いに広げたい動きである。(編集部) 続きを読む


議員交流会 ■ 資料

自治体が生み出す貧困問題と自治体議員の役割

北海学園大学経済学部教授 川村 雅則

 

 

 

失業率は低いが
貧困率が高い日本

 日本は、諸外国と比べて、失業率が低いのに貧困率が高い国である。働いていながらにして貧困という問題が広くみられる。理由の一つであり貧困の給源地となっているのが非正規雇用という領域である。非正規雇用は今や4割弱を占めるに至っているが、この問題は女性に大きく偏って発生している。雇用の非正規化は、「夫は仕事、妻は家庭」といった固定的な性別役割分業をはらんで進んできた。非正規雇用・貧困問題の解決にあたっては、ジェンダーをめぐる問題の解消を念頭におく必要がある。ILOによって提唱されるディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)においても、そのことは課題として強く意識されている。 続きを読む


「令和の百姓一揆」実行委員会代表・菅野芳秀さんに聞く

市民皆農、国民皆農。食料自給を確立する

 

 

 「令和の百姓一揆」実行委員会代表で置賜自給圏共同代表、自らも山形県長井市で養鶏とコメ作り農業を営む菅野芳秀さんにインタビューした。文責編集部。菅野さんは、10月27日から札幌市で開催される第21回全国地方議員交流研修会に全体会合で問題提起し、2日目の分科会でも助言者を務められます。

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アジアの平和と未来をひらく若者訪中団

琉球の視点から見た中国の歴史と国際関係へのまなざし

団員 沖縄大学学生

 

 今回の訪中では、北京とハルビンを中心に、中国の歴史や文化を学び、日中関係や国際問題について考える機会を得た。教科書やニュースでしか知らなかった場所を自分の目で見て、歴史の重みや現代社会とのつながりを肌で実感することができた。 続きを読む


アジアの平和と未来をひらく若者訪中団

自分の無知と向き合い、歴史を体感した訪中の旅

団員 西南学院大学学生

 

 今回の訪中は、私にとって、ただの旅行ではなく、「歴史」と「現在」に向き合う重要な体験となった。中国に対する漠然としたイメージしか持っていなかったが、現地での見学や人との対話を通して、自分の無知と向き合い、考え方が大きく変わった。 続きを読む


アジアの平和と未来をひらく若者訪中団

長崎の記憶を胸に、中国と向き合った訪中体験

団員 長崎純心大学学生

 

中国で向き合った
日本の加害の事実

 今回の訪中は、戦後80年という節目の年に、歴史を学び未来のあり方を考えることができた、私にとって忘れられない経験となりました。訪問先では資料館の見学や現地の方々との交流を通じて、多くの学びや気づきを得ることができました。 続きを読む


アジアの平和と未来をひらく若者訪中団

「知る」から「変える」への歩みを始める旅に

若者訪中団員 伊礼 悠花

 広範な国民連合は2025年8月14日から19日までの6日間、東京の中国大使館、および現地受け入れ先の中国国際友好連絡会による多大な協力のもと、「アジアの平和と未来をひらく若者訪中団」を呼びかけた。東京・大阪・福岡・長崎・沖縄など全国各地から35歳未満の若者を中心に42人が参加した。いくつかの被侵略の資料館、さらには現代中国の最先端技術の現場を自らの目で見て、現地の人々と交流しながら、過去と未来にわたる日中関係の課題と可能性について学びを深めた。 続きを読む


日本敗戦・朝鮮解放から80年

関東大震災朝鮮人虐殺の民衆責任と国・東京都の責任を明確に

東京朝鮮人強制連行真相調査団代表 西澤 清

 

 

 1923年9月1日の関東大震災時の「在日朝鮮人大虐殺」は、日本人民衆が同じ町や村に住む在日朝鮮人を6000人も虐殺した国際犯罪であり歴史上特筆される事件である。
 そして、敗戦・植民地解放から80年過ぎた今でも、国は責任を認めず、虐殺を行った民衆責任も十分に糾弾されていない。日本の街ではヘイトスピーチをまき散らしながらデモをする集団があり、「日本人ファースト」をスローガンにした政党が国政選挙で多数の票を獲得する体たらくである。 続きを読む


エネルギー自給

泊原発が残したこと、これから始まること

泊原発立地4町村住民連絡協議会 代表 佐藤 英行(岩内町議会議員)

 

 積丹半島の海岸には99の袋澗がある。ニシン漁の最盛期に、海が暴風雨で大荒れになる時化のときがある。そのような場合、すでに漁獲され詰められた大きな網袋のニシンを海中に放棄しなければならなくなる。それを避けるため、ニシンを大きな網袋ではなく小さな袋網に入れる。舟も時化を避けるために小さな船着き場を建設して、そこの入り江の海中に袋網のニシンを一時貯蔵しておく施設が袋澗である。 続きを読む


戦争と平和をめぐる「二つの潮流」

若者が平和と未来をどうつくるか

青山学院大学名誉教授 羽場 久美子

 

 

 若者による訪中団の派遣、本当におめでとうございます。
 戦後80年、原爆投下80年、また、日清戦争終結の下関条約から130年、日露戦争終結から120年でもあります。若者が平和と未来をどうつくるのか、どうすれば平和をつくれるのか。 続きを読む


「食料安全保障推進法」の制定を

コメ騒動の深層とコメ増産の課題

東京大学大学院特任教授 鈴木 宣弘

 

 

 令和の米騒動は、①減反のし過ぎ、②稲作農家の疲弊が根底にあり、③猛暑の生産への影響、④需要の増加が加わり、コメ不足が一気に顕在化した結果で、流通・農協悪玉論は本末転倒だと述べてきたが、直近の政府の検証でもそれが裏付けられ、コメが足りなかったことを認めて増産に舵を切ると言う。
 しかし、そのために、相変わらず、規模拡大とスマート農業と輸出だと言っているだけでは、米価下落で稲作農家は潰れてしまう。消費者と農家の適正米価(2500円と3500円/60㎏)の差を補塡する直接支払いなどを急がないと、農村コミュニティーもコメ供給も維持できない。洪水防止などの多面的機能もさらに失われていく。 続きを読む


新参議院議員・髙良さちかさんを囲んだ座談会

   危機感とプレッシャーの中で当選!

人権を大事にする社会へ   女性議員をもっと増やそうね

髙良さちか    参議院議員
儀保  唯 沖縄県会議員
司会 山内 末子 沖縄県会議員
 
座談会参加の、写真左から儀保唯さん、髙良さちかさん、山内末子さん。その隣は親川裕子・髙良さちか後援会共同代表。髙良さんが抱いているのは儀保県議の子どもさん(9カ月)。(ベビーベッドも設置された沖縄県議会「てぃーだ平和ネット」会派室で)
 

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各地の活動 ■ 神奈川

日米地位協定改定を求める世論形成へ

 意見書提出を求めて県下全自治体6月議会に陳情・請願

 広範な国民連合・神奈川は3月末、日米地位協定改定を実現するため県下のすべての自治体議会で意見書提出を求め県民、団体と協同して世論を盛り上げるとの方向を確認した(本誌4月号参照)。結果は、大和市・伊勢原市・鎌倉市・藤沢市・中井町・葉山町の6自治体議会で意見書を採択した。陳情の「趣旨了承」としながら、国に対して意見書は出さないとした議会も二つあった。その他は不採択や審議なしで机上配布のみ。提出期限に間に合わなかった自治体もあった。 続きを読む


食料農業

協同組合が地域経済の担い手に

  農協攻撃は農業つぶし

全国農団労 大谷 篤史

 

 備蓄米放出によりあたかも米価が低下したかのような雰囲気がマスコミ等を通じて作られてきたが、小売価格は高値のまま推移している。この米騒動の根本的な要因は半世紀にわたる減反政策の結果であり、供給が需要に追いついていない状況に陥っているからだ。こうした現実を受け止め、これまでの大規模化一辺倒や輸出拡大といった農政の失敗を認め、コメの生産拡大、持続可能な農業経営への支援といった農政への転換が急務となっている。 続きを読む