平和のハブを形成する
ジャーナリスト・元衆議院議員 屋良 朝博
「有事」を煽る怪しさ
台湾有事は日本有事と語った元首相がいた。有事の対語が平時=平和であれば、平和主義者をナイーブな理想論者だと批判する思想が勢いを増してきた。ロシアのウクライナ侵攻がその推進力となっている。
仮に元首相らが言うように中国がロシアに倣い、台湾で武力を行使し、それが日本有事へと延焼するなら、その時に沖縄は真っ先に戦禍に巻き込まれるだろう。多くが思い描くリアルなシナリオではなかろうか。あまりにも悲惨でグロテスクな光景を想像できるからこそ、「それでも戦争できますか」という問いかけもまた大いに現実的である。