能登地震と羽田航空機事故から考える「有事」
国際地政学研究所理事長(元内閣官房副長官補) 柳澤 協二
2024年は、大きな災害と事故で幕を開けた。自然災害や事故は避けられない。なぜなら、そこに人間の意思が働いていないからだ。できることは、被害をできるだけ少なくすることだ。そのためには、被害情報と現場の実情に合わせた救助や支援が必要になる。そこでの対応の誤りが救えるはずの命を失うことになる。
国際地政学研究所理事長(元内閣官房副長官補) 柳澤 協二
2024年は、大きな災害と事故で幕を開けた。自然災害や事故は避けられない。なぜなら、そこに人間の意思が働いていないからだ。できることは、被害をできるだけ少なくすることだ。そのためには、被害情報と現場の実情に合わせた救助や支援が必要になる。そこでの対応の誤りが救えるはずの命を失うことになる。
全日本農民組合連合会共同代表 鎌谷 一也
1月1日に発生した能登半島地震は、地震大国であることを痛感させられるものでした。静かな半島を襲った大地震は幾多の尊い人命を奪い、暮らしを奪い、計り知れない甚大な被害をもたらしました。被災者の方々の心痛をお察しし、寄り添いながら、温かい食事とゆっくり休んで学ぶ場や働く場の提供を一刻も早くと願い、復興に向けた取り組みが急がれることを祈念するばかりです。
前JA全中副会長・前JA福島中央会会長
菅野 孝志さん
福島円卓会議事務局長・福島大学准教授
林 薫平さん
福島大学教授・副学長補佐
小山 良太さん
能登半島地震では、石川県で死者241人(2月16日現在)をはじめ新潟県、富山県に、家屋倒壊や農漁業基盤、輪島塗・伝統産業などに甚大な被害がもたらされている。志賀原発(石川県志賀町)でも一部の外部電源が喪失、燃料プールから水が漏れるなどトラブルに見舞われた。東日本大震災に襲われた東北一帯や熊本県をはじめ全国の人びとが心を寄せ、復興支援に駆けつけている。編集部は、福島県で大震災と原発事故からの復興に立ち向かっている3氏に集まっていただき座談会で語ってもらった(2月7日)。文責編集部
『日本の進路』編集部
能登半島地震から2カ月、東日本大震災3・11から13年。二つの震災は原発問題も含めて、現代日本の深刻な課題を暴き出した。
「復旧・復興」は緊急の課題だ。だが、「復興」には二つの考え方がある。政府やマスコミなどでは、「あんな所に財政をつぎ込んでも無駄だ」と「効率」「集住」との主張が中心だ。
しかし、多くの被災者が「ここを離れたらいつ戻ってこられるか分からない」と2次避難についても拒否し、先祖伝来の地域の持続・復興を望む。
地方切り捨て・「一極集中型」の日本は、確かに「効率」は良かった。だが大都市集中はいま矛盾を噴出させている。食料もなく、エネルギーは化石燃料輸入依存と原発で持続不可能。地方は衰退。人口減少が急テンポで進む。集中と効率化の日本は限界だ。
地域の復興は地域が決める、自己決定の復興が必要だ。能登の復興、地方・農林漁業と地域の再生で「持続可能な日本」をめざそう。