「政権交代にむけて―求められる安全保障政策―」
新外交イニシアティブ(猿田佐世代表)は8月24日、「政権交代にむけて―求められる安全保障政策―」との政策提言を発表した。執筆者は、柳澤協二(元内閣官房副長官補)、マイク・モチヅキ(ジョージ・ワシントン大学准教授)、半田滋(防衛ジャーナリスト/元東京新聞論説兼編集委員)、佐道明広(中京大学国際学部教授)、猿田佐世(ND代表/弁護士)である。以下要旨を紹介する。
新外交イニシアティブ(猿田佐世代表)は8月24日、「政権交代にむけて―求められる安全保障政策―」との政策提言を発表した。執筆者は、柳澤協二(元内閣官房副長官補)、マイク・モチヅキ(ジョージ・ワシントン大学准教授)、半田滋(防衛ジャーナリスト/元東京新聞論説兼編集委員)、佐道明広(中京大学国際学部教授)、猿田佐世(ND代表/弁護士)である。以下要旨を紹介する。
青山学院大学名誉教授 羽場 久美子
戦後79年の暑過ぎた夏。沖縄戦、広島・長崎の原爆、終戦の日を迎えるたびに、なぜ政府も、国民も、戦争を止められなかったのか、と深く自問します。さらになによりも、遅過ぎたのが終戦宣言です。なぜすべてを失うまで、戦争をやめることができなかったのか。
イスラエルによるガザのジェノサイド戦争と、沖縄・広島・長崎の民衆の悲劇がダブって見えます。それは始まったら止められない東アジアの戦争の予兆でもあります。 続きを読む
沖縄県うるま市(30代) 高橋 愛
まずは、〝言いたいことがありすぎる〟に尽きます。列挙させていただくと――、
ミサイルに税金を使わないでほしい。もっと私たちの暮らしに身近な社会保障を実現してほしい。「私のお金でミサイル買うな、軍事よりも生活」
どうせ、アメリカが使用・製造中止して持て余している格落ち戦闘機を買うのだろう。この手のアメリカによる日本の軍事支配政治、沖縄県内での事故多発をいつまで繰り返すのだろう。 続きを読む
宮古島市議会議員 下地 あかね
現在、国が進める「特定利用空港・港湾」は、指定した民間空港を自衛隊等がデュアルユース(軍民両用)するものと説明されています。すでに今年3月には国が管理する那覇空港や石垣港が指定されていますが、さらに指定を広げようと、宮古島市の下地島空港、宮古空港、平良港指定の検討を伝えに、6月26日、内閣官房の職員が宮古島市の担当者に面会に訪れました。
市側から民生利用への支障と米軍の利用についての言及があり、有事の避難の際に空港がどのように使われるか話し合われたうえで、内閣官房国家安全保障局の参事官は、記者の取材に「理解を得られるように説明を続ける」と述べたとされます。 続きを読む
波照間公民館館長 仲底 善章
昨年の10月6日、地元の「八重山毎日新聞」紙上で、波照間空港の軍事利用の足掛かりになる、国の「特定重要拠点空港・港湾(仮称)」への位置づけを前提に、内閣官房、内閣府、防衛省、国土交通省、海上保安庁の関係者19人が竹富町役場を訪れたことが明らかになりました。 続きを読む
与那国島の明るい未来を願うイソバの会 山口 京子
私が与那国に移住してきた頃(1981年)、島にはまだ〈ゆいまーる〉も残っていて、田畑には人がいて、キビ刈り作業に疲れたら誰かがトゥバルマを唄いだす。島は中央志向ではなく苦しい自給自足のような時代からやっと脱して、まさしく与那国という国のように豊かな島でした。あれから幾年月……。
2016年の与那国駐屯地開設から9年。22年からのこの24年へと与那国島は大きく変貌しています。なんの遠慮もなくこの周囲27㎞の小さな島の軍事基地化を進めています。 続きを読む
石垣市議会議員 花谷 史郎
6月に、昨年12月の米兵による性犯罪の情報が沖縄県に報告、共有されていなかったことが報道されてからも米軍関係者の事件や飲酒運転が後を絶ちません。
一連の事態が明らかになって以降、沖縄県内の各自治体の議会では事件と、情報を共有しなかった政府の対応を批判する意見書や決議が続々と可決されています。 続きを読む
軍事ジャーナリスト 小西 誠
日本を覆い尽くすような歴史的大軍拡が急速に始まっている今日、自衛隊の深刻な不祥事が次々に噴出し始めた。これは必然的な「戦争の宿痾」か!
海自・潜水艦隊で起きた川崎重工との金銭癒着は、三菱重工にまで広がりつつある。「特定秘密」不正取り扱いは、海自から空自や統幕、内局に拡大。さらに海自隊員の潜水手当の数千万円の不正受給、防衛省内局のパワハラ等も多数が明るみなった。 続きを読む
ノーモア沖縄戦・えひめの会 高井 弘之
いま東アジアでは、戦争への危機がかつてなく高まっている。いや、高められている。
日本では、「中国への攻撃・戦争態勢」が急ピッチで構築され、沖縄・奄美を中心に中国軍への攻撃用ミサイル基地が次々と造られた。全国各地で、巨大なミサイル弾薬庫の建設が進められ、民間空港・港湾の軍事拠点化も企てられている。そして、米日両国にNATO主要国などを加えた合同軍事演習が中国の近くで、中国に圧力を加える形で、頻繁に行われている。 続きを読む
玉城デニー知事に聞く
沖縄県では令和5年度を地域外交の準備期間として、地域外交室というセクションを設けました。それまでも地域間外交に取り組んでいたのですが、基本方針がありませんでした。いろいろな分野の方々から意見を伺い、1年かけて基本方針を策定させていただきました。
それと並行して、コロナ禍で停滞していた経済・文化交流を復活し活性化させることを目的に、私や副知事が韓国、中国、アメリカ、カナダ、ブラジル、スイス、台湾、フィリピン、シンガポールなどを訪問し、海外との国際交流や地域外交を積極的に進めていきたいということを伝えてまいりました。
米軍は3月8日、昨年11月に米陸軍所属のオスプレイが鹿児島県屋久島沖で墜落した事故を受けて決めていた同機の飛行停止措置の解除、飛行再開を発表、14日には飛行を強行した。事故原因や安全対策について具体的な説明もないなかでの再開である。岸田政権もこれに追随、「米側から、事故の状況や原因や安全対策について、前例のないレベルで詳細な情報提供を受けている」(木原防衛相)などと米軍の主張をそのまま繰り返している始末だ。
国際地政学研究所理事長(元内閣官房副長官補) 柳澤 協二
2024年は、大きな災害と事故で幕を開けた。自然災害や事故は避けられない。なぜなら、そこに人間の意思が働いていないからだ。できることは、被害をできるだけ少なくすることだ。そのためには、被害情報と現場の実情に合わせた救助や支援が必要になる。そこでの対応の誤りが救えるはずの命を失うことになる。
東アジア共同体研究所長・元外務省情報局長 孫崎 享 さん
本日は長崎よりアジアの平和を考えるということで、少し核兵器の話をさせていただこうと思います。
いま、ウクライナ問題、ガザの問題そして「台湾問題」が非常に不安定な状況になっています。どうしたら平和をつくれるかということを考える時に、いま一度、第二次世界大戦以降のさまざまな英知を振り返りながら、私たちがこんにちの問題にどう対応するかを考えてみたいと思います。 続きを読む
鹿児島県議会議員 上山 貞茂
「民主主義の否定、何を恐れて」――川内原発20年延長の是非を問う県民投票条例が自民党・公明党らの反対多数で否決された時に、県民投票の会の事務局長を務めた向原祥隆さんが発した言葉である。「議員は県民の側に立った判断をしたのか。反対した議員は党派の顔色ばかり窺う。思考停止だ」と怒りをあらわにした。県民投票を求め集まった署名は4万6112筆、法定数2万7千を大きく上回った。地元紙でも「反原発運動を続ける市民団体だけでなく、福島第1原発事故以降、潜在的に原発の不安を感じている人が少なくないことが明らかになった」と報じた。 続きを読む