市民は「基地建設ノー」の意思を示した
西之表市議会議員 長野 広美
全国からも注目された鹿児島県西之表市の市長および市議会議員選挙は1月31日、投開票された。市長選は、馬毛島基地に反対する現職・八板俊輔市長が勝利した。市議会は、反対派7人で、賛成6人、中立1人と勢力図が変わり、今後の議会運営は困難が予測される結果となった。 続きを読む
西之表市議会議員 長野 広美
全国からも注目された鹿児島県西之表市の市長および市議会議員選挙は1月31日、投開票された。市長選は、馬毛島基地に反対する現職・八板俊輔市長が勝利した。市議会は、反対派7人で、賛成6人、中立1人と勢力図が変わり、今後の議会運営は困難が予測される結果となった。 続きを読む
八板俊輔 市長に聞く(聞き手、山本正治編集長)
◆2期目当選おめでとうございます。選挙結果をどう受け止めておられますか――
過半数の支持を受けて当選させていただきました。前回は、候補者が乱立したこともありましたが、今回は5103票で前回を大きく上回る支持をいただくことができました。大変心強く思っています。
同時に、島の経済基盤の確立や人口減少などに対する市民の皆さま方の心配なども、選挙を通じて実感しているところです。そうした課題に市を挙げて、団結して取り組んでいこうと考えています。
国際地政学研究所(IGIJ)理事長 柳澤 協二
今年の3月、「米海兵隊兵力デザイン2030」が議会に報告されました。海軍・海兵隊が戦略・編成を替えようとしている背景に、中国に対する米国の軍事的優位に陰りが見えてきたことがあります。インド太平洋軍のレベルでも、対中国の戦い方として「集中から分散」という方向を志向しています。こうした米国の戦略転換は、日本の防衛政策にも大きなインパクトを与えることになると思います。
辺野古への米海兵隊普天間基地代替施設の建設も、海兵隊の戦略・配備の変更に左右されます。また、陸上イージス計画の断念と「敵基地攻撃論」についても、グアムのミサイル防衛と長距離精密打撃力に重点が置かれようとしている米軍の新戦略のなかで、日本の役割を大きく変える可能性をはらんでいます。 続きを読む
自主・平和・民主のための広範な国民連合
安倍政権は、コロナ感染症対策さえ満足でないにもかかわらず、「敵基地攻撃能力保有」の新たな安全保障政策の検討に入った。
自民党の提言は、「憲法の範囲内で、国際法を遵守しつつ、専守防衛の考え方の下」という条件をつけてはいる。だが、どう取り繕っても実態を変えることはできない。
わが国の自衛隊という軍隊が、米軍とともに相手国領域内に攻め込む軍事力を保有する。日本は明らかに一線を越える。 続きを読む
編集部
イージス・アショア問題の核心は、どんな意味でもわが国の安全保障ではなく、安倍首相によるアメリカ(トランプ大統領と米軍需企業)のための計画だった。
しかし今、安倍政権の財界のための対米従属政治は問題噴出、国民的な批判の高まりの中で政権は末期症状。秋田、山口の県民の抵抗を前に防衛当局と安倍政権は計画停止を余儀なくされた。
こうして安倍政権と戦後の対米従属路線そのものの限界がまた一つあらわになった。次は、辺野古をやめさせる番だ。 続きを読む
参議院議員 伊波 洋一
基本的には歓迎しています。秋田にしても山口にしても、まったく地域住民のことを考えないで配備計画を進めていたわけです。やはり民意は反対です。
トランプにどれだけ忖度するかとの兼ね合いでしょうが、今後1兆円もかかるカネの問題でもあり、自民党的に国内政治を優先させたということでしょう。日本にとってメリットもないことを安倍首相がトランプに忖度してやっていたわけです。
今回の決定で、安倍政権の盤石さが消えつつあると感じます。さまざまな不祥事、コロナ対策のその場しのぎの取り組み等、内閣支持率もかなり落ち、政権への国民の信頼の揺らぎも見えてきています。自民党としても次の総選挙への対応の必要性を感じているはずです。 続きを読む
イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会
萩市議会議員 浅井 朗太
河野太郎防衛大臣が、イージス・アショア配備計画のプロセス停止を発表した。この計画は、2年半前の17年12月に、当時の防衛大綱にも中期防にもなかったにもかかわらず、閣議決定で導入が決まったものだった。国策と言える防衛政策が停止するという事態は極めてまれである。
さて、ここに至るまでに、この国策に向き合わざるを得なかったのが地元住民であり、地元自治体であった。 続きを読む
国際地政学研究所理事長
元内閣官房副長官補、元防衛省 柳澤 協二
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を停止すると河野太郎防衛相は表明した。理由として挙げられたのは、迎撃ミサイルを発射するブースター・ロケットの燃え殻を自衛隊演習場内などに確実に落とすようにするには膨大な費用と年月を要することが判明したからだという。
いつでもどこでも、過ちを認めるには勇気が必要だ。その勇気は評価したいが、問題は、「なぜ今まで放置していたか」と、「なぜ今決めたか」という二つの面から検証したい。 続きを読む
今年、現行の日米安全保障条約締結から60年を迎えた。安倍首相は調印記念日の1月19日、「100年先まで、日米同盟を堅牢に守り、強くしていこう」と述べた。いつまで日本はアメリカに縛られるのか。「日米同盟基軸論」は野党の中にも浸透している。
4月28日は、1951年9月8日に締結されたサンフランシスコ講和条約と旧日米安保条約の発効記念日である。この日、沖縄などが日本から切り離され米軍の直接支配下に置かれた。また、米軍は「合法的」に日本全土どこにでも駐留する特権を手にした。さらに「行政協定」(今日の「地位協定」)で日本の法律に縛られない特権も手に入れた。
沖縄県民はこの日を「屈辱の日」と呼んでいるが、まさに民族的屈辱の歴史であり、今も日本の現実である。この機会に日米安保同盟を検証する。(編集部)
ジャーナリスト 吉田 敏浩
今年は安保改定から60年の節目にあたるが、安倍政権のもとアメリカに追従しながら「戦争のできる国」への動きが加速している。安倍政権は違憲である集団的自衛権の行使を強引な解釈改憲によって容認した。専守防衛の原則を捨て、集団的自衛権の行使などにより、自衛隊が海外で米軍の補完戦力として参戦できるための安保法制つまり戦争法制も整備した。憲法9条を変えて自衛隊を明記し、実質的に戦争ができる軍隊に変えることも企てている。
米日同盟を米英同盟のような共に〝血を流す〟同盟へと変えたいアメリカの戦略と、それに呼応して軍事大国化を目指す安倍政権の思惑が合致している。軍事予算(防衛予算)は増え続け、アメリカからの武器購入も増加し、自衛隊の軍備は拡大する一方だ。 続きを読む
広範な国民連合顧問
元沖縄県教職員組合委員長 石川 元平
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去る3月9日の「琉球新報」は1面~2面にかけて、「沖縄は国連の『信託統治』であった」という誤認についての記事を大きく報じた。2014年に刊行され、15年に読売・吉野作造賞を受賞した獨協大学教授の福永文夫氏による『日本占領史 1945―1952 東京・ワシントン・沖縄』の初版本や、2019年に直木賞を受賞した真藤順丈氏の沖縄を題材にした小説『宝島』などにある誤認を挙げている。 続きを読む
沖縄県議会議員 次呂久 成崇
沖縄県にあるアメリカ軍の普天間飛行場の移設計画をめぐり、名護市辺野古の沿岸部を埋め立てることについて賛否を問う県民投票が2019年2月24日に投開票され、反対票が投票総数の7割を超えた。玉城デニー氏が18年の県知事選で当選した際に集めた過去最多の得票をも超えており、辺野古への移設に反対する県民の強い「民意」を改めて示したこの県民投票は全国のマスコミでも取り上げられた。 続きを読む
伊波 洋一 参議院議員
安倍政権は、2014年の解釈改憲による「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定を契機として、15年9月、平和安全法制整備法(〝戦争法〟)を成立させ、日本の軍事化を急速に進めてきた。
自衛隊の「南西シフト」、すなわち島嶼防衛を名目に南西諸島での戦争を想定した長崎県佐世保市相浦駐屯地への島嶼奪還部隊・水陸機動団3000人の創設、戦闘機(F35A)6機、新空中給油・輸送機(KC46A)、オスプレイ17機と水陸両用車52両等の米国からの購入、南西諸島の島々へ陸上自衛隊駐屯地を建設して対艦ミサイル部隊・対空ミサイル部隊および警備部隊を配備、等々である。 続きを読む
東京大学大学院教授 鈴木 宣弘
国民の命を守り、国土を守るには、どんなときにも安全・安心な食料を安定的に国民に供給できること、それを支える自国の農林水産業が持続できることが不可欠であり、まさに、「農は国の本なり」、国家安全保障の要である。そのために、国民全体で農林水産業を支え、食料自給率を高く維持するのは、世界の常識である。食料自給は独立国家の最低条件である。 続きを読む