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改めて問われる植民地支配と国家・民衆の責任

9・1「関東大震災朝鮮人虐殺96周年犠牲者追悼会」に寄せて

東京朝鮮人強制連行真相調査団
代表 西澤 清(広範な国民連合全国代表世話人)

 東京都墨田区の都立横網町公園には、96年前の関東大震災時に東京の街中で在日朝鮮人数千人が日本人の自警団によって虐殺されたことを悼む追悼碑がある。9月1日、追悼碑の前で二つの追悼会が行われた。午前中には日朝協会の主催する追悼会が行われた。午後1時から、朝鮮総聯東京都本部と東京朝鮮人強制連行真相調査団が主催、フォーラム平和・人権・環境が後援する「関東大震災朝鮮人虐殺96周年追悼のつどい」が行われ、「広範な国民連合」はこの集会に賛同団体として参加した。 続きを読む


「命をつなぐ政治」を国政に

滋賀県知事から参議院議員へ

嘉田 由紀子 参議院議員

 学者が知事職に挑戦して何をやりたかったのか、とよく聞かれます。もともと環境社会学者だった者が知事選挙に挑戦しました。2006年のことです。今となって振り返りながら、私は迷わず「命をつなぐ政治を求めてきた」と答えます。そのポイントは二つです。一つは、「子どもが生まれ育ち、そして親もうれしく元気、社会全体としても子育てを前向きに評価ができる」ということです。「子育て三方よし」と私は名付けました。二つ目は「災害で命を失わない」ということです。これはいわば「入り口」と「出口」です。この両方を2期8年、私なりに政策実現をめざしてきました。 続きを読む


内外で重大な危機に直面した日本、打開の道は

広範な国民連合第24回全国総会の課題

『日本の進路』編集部

 国際情勢の激変でわが国は重大な困難に直面した。安倍政権は危険な道に踏み込んだが、野党は対抗できていない。広範な国民連合第24回全国総会では、安倍政権を打倒し平和と国民生活の危機を打開する展望が問われる。読者・友人の皆さんの討論への積極参加を希望する。 続きを読む


最悪の日韓関係■打開を考える [2]

[声明] 韓国は「敵」なのか

 日韓関係の悪化を憂慮する日本の有志らによる声明「韓国は『敵』なのか」が7月25日、インターネット上で公開された。立教大学教員の石坂浩一氏、恵泉女学園大学名誉教授の内海愛子氏、弁護士の内田雅敏氏、共同通信客員論説委員の岡田充氏、雑誌「世界」元編集長の岡本厚氏、一橋大学名誉教授の田中宏氏、東京大学名誉教授の和田春樹氏の世話人7人をはじめ77人が、声明への賛同を呼びかけている。賛同者は30日8時現在で3274人に上る。アピール署名人は8月15日現在で8404人。
 「世話人一同」のホームページによると、この声明に応答する形で、韓国の元首相、元国会議員、知識人、ジャーナリストら67人による声明「韓日関係の危機を乗り越え東アジアの平和へ!」が、8月12日に公表された。その最後には、〈日本国民は令和の時代を平和の時代へと築き上げていくことを熱望しているものと、われわれは信じている。安倍政権が新時代を隣国との敵対で幕開けするのであれば、日本国民の期待を打ち捨てることになり、世界を大いに失望させるだろう。われわれは去る7月28日に発表された日本の知識人75人の声明「韓国は『敵』なのか」に共感し、日本政府もその問いに正面から答えるよう期待するものである。われわれは新しい時代を敵対と対決で迎えることがあっては、決してならないだろう。〉と記されている。編集部

はじめに

 私たちは、7月初め、日本政府が表明した、韓国に対する輸出規制に反対し、即時撤回を求めるものです。半導体製造が韓国経済にとってもつ重要な意義を思えば、この措置が韓国経済に致命的な打撃をあたえかねない、敵対的な行為であることは明らかです。 続きを読む


最悪の日韓関係 ■ 打開を考える [1]

日韓関係は1965年の国交正常化以来の「最悪」と言われる状況となっている。「アジアの共生」へ、隣国と永遠に敵対してわが国がやっていけるはずがない。打開のための真剣な努力が求められる。マスコミ報道に登場した識者の見解と、知識人を中心とした「韓国は『敵』なのか」の緊急アピールを紹介する(アピール署名人は8月15日現在で8404人に上る)。編集部

元外務省国際情報局長 孫崎 享

韓国に対する〝経済報復〟という安倍政権の強硬策は、徴用工問題の解決が目的ではない。政権浮揚のために、世論の反韓感情をあおる手段として徴用工問題を利用しただけです。それは、参院選の直前に半導体素材の輸出規制を打ち出したことからも明らかでしょう。 続きを読む


韓国「敵視」を煽り、支持浮揚を図る安倍政権

自主外交で、アジア近隣諸国との平和・共生へ

『日本の進路』編集長 山本 正治

わが国は避けようもない大激変に翻弄される!

 間もなく終わるが、「恐怖の夏」だそうだ。大恐慌の引き金となった1929年ニューヨーク株価暴落も、2008年リーマン・ショックも、夏の終わりに起こったからだろう。深刻な金融危機の爆発はいつか、世界中の投資家たちは身構えている。
 経済危機の中、世界中で貧困層が急拡大。世界一の「経済大国」アメリカでも、低所得者向け食料費補助(フードスタンプ)で国民の6人に1人が生き延びているありさま。生活必需品すら買えない人が激増、世界中が購買力不足、需要不足となるのは当然である。世界経済は中央銀行の資金供給、金融の肥大化に辛うじて依存してきたが、それも限界点を越えている。世界中、企業も家庭も、政府も借金だらけである。 続きを読む


農業とJAと地域環境

JA菊池代表理事組合長 三角 修

本稿は、8月17~19日に熊本市で開催された第16回全国地方議員交流研修会での三角修組合長の報告要旨である。文責編集部

 まずは、先ほどからお話があったように3年と4カ月前、あのような地震がございまして全国の皆さま方から本当に温かいご支援をいただきました。ありがとうございました。(一同拍手)
 私どもJA菊池の宣伝を少しさせていただきます。私どものところは熊本市のベッドタウンという感じのところで、熊本市の中心部までJA菊池の本所から40分、50分というところです。全国にJAは607くらいありますが、そのなかでも人口増加しているJA管内というのは私のところと、あといくつかあるかないかだと思います。 続きを読む


やはり「失うだけの日米FTA」

米中紛争の「はけ口」もセットで「TPP超え」いつの間にか消えた捏造語TAG

東京大学教授 鈴木 宣弘

「TPP水準」を意図的に強調する姑息

 日米FTA交渉をめぐって、多くの報道で農産物の開放を「TPP水準にとどめた」かのように強調されているが、これは間違いである。
 ①そもそも、TPP水準が大問題だったのだから、TPP水準にとどまったからよかったかのような報道が根本的におかしい。
 ②加えて、米中貿易戦争で行き場を失った米国農産物の「はけ口」とされ、トウモロコシなどの大規模な追加輸入の約束がセットで行われたのだから、これは明らかな「TPP超え」だ。 続きを読む


特集■農林漁業の再生へ国民的運動を!

日米FTA原則合意     
9月署名、臨時国会批准を許さぬ闘いを

 

 G7サミット時に行われた日米首脳会談で、日米貿易協定交渉が「原則合意」となった。トランプ大統領は、「原則合意に達した。非常に大きな取引。農家にとってとてつもない合意だ」と農業分野での成果を強調した。会談に同席した米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、農産品について「70億ドル(約7400億円)超の市場を開くことにつながる」との見通しを示した。 続きを読む


第16回全国地方議員交流研修会 概要報告

2019・8・17-19 in九州・熊本

全体会

◆8月17日午後2時から熊本市青年会館ホールで全体会が始まった

冒頭、現地実行委員会の岩田智子熊本県議から歓迎の挨拶があった後、司会を現地熊本の猿渡美智子菊池市議、沖縄の玉城健一郎宜野湾市議が務めて始まった。

まず、全国実行委員会代表の中村進一三重県議が主催者として挨拶した。 続きを読む


持続可能な農業・農村再生への取り組み(下)

全日本農民組合副会長 鎌谷一也(前鳥取県畜産農業協同組合長)

2、地域からの農と食の再生(未来づくり)への取り組み

②広域農業生産法人の取り組み

 飼料稲の取り組みを行う中で、畜産と提携すべき耕種側の組織の必要性を痛感する。とくに、高齢化が進み60歳以上が9割(65歳以上8割)といった情勢の中で、地元で集落営農法人に取り組む。畜産側で飼料稲の栽培などコントラクターの取り組みを強めたが、連携対象の耕種側は、地域に密着し世代を超えて地域の農地・農業を守るべき組織・農家であるべきという思いで、コントラクターでの利用権設定はせず、全面受託を原則としてきた。一方、当時の農政上も、集落営農法人等を組織すべきという課題が登場していた。 続きを読む


全国唯一の財政再生団体・夕張市の厚谷司新市長に聞く

「真の再生」に重要なのは「計画」にあるのではなく「人」

――このたびは当選おめでとうございます。

 ありがとうございます。私の前任者の鈴木直道前市長は2期務められた。その中で不可能であろうと見られていた財政再建策の抜本見直しも行って、財政の再生だけでなくて地域の再生もしっかり取り組んでいこうと舵を切られました。現在もまだその事業は例えば建設事業等が継続しています。まず私はその事業をしっかりと着地させるということが一つです。 続きを読む



自立した日本外交・安全保障へ向けて(上)

英 正道(はなぶさ・まさみち)

 1933年東京生まれ。58年に外務省入省、経済協力局長、外務報道官、ニューヨーク総領事、駐イタリア大使を務めた。

本論は、英正道氏が最近グッドタイム出版から刊行した『回想の外交官生活』のエピローグ「自立した日本外交・安全保障に向けて」のほぼ全文である。編集部は、本論の執筆時(昨年末)からさらに国際情勢の緊迫度が急速に進んだので加筆修正を筆者に要請したが、秋まで余裕がないとのことであった。そこで元のままの論文を筆者了解のもとに掲載する。日本の安全保障政策をめぐる議論に重要な一石を投じていると確信する。編集部

 国際社会の激変はまだまだ終わることなく続いている。残念ながら日本の国力も相対的に低下している。しかし変化し続ける一つの社会として、すでに日本が世界の中で最も素晴らしい国の一つになっていることも事実である。日本が国際場裏でどのような地位を占め、どのような役割を果たせるかという問題については、これからの日本人が取り組む必要がある。私は楽観主義的な性格もあり、舵取りを間違わねば日本は大丈夫と思っている。 続きを読む