9/6 最高裁要請行動・東京集会

陸自南西シフト

石垣だけでなく全国の問題だ

石垣市住民投票を求める会

左から原告の川満、金城、宮良さんと大井弁護士(9月6日、東京)

 石垣市・中山義隆市長は2015年、陸上自衛隊配備受け入れを表明。「住民投票を求める会」(金城龍太郎代表)は18年10月末、配備計画の賛否を住民投票で問う署名を約1カ月で規定を超えて集め条例制定を請求した。しかし、19年2月、市議会は条例案を否決した。
 「求める会」は19年9月、市に住民投票の実施義務付けを請求する訴えを起こしたが那覇地裁は請求を棄却した。「求める会」は直ちに控訴したが福岡高裁も訴えを退け、今回、最高裁上告に踏み切った。
 23年3月、住民投票は実施されないまま陸自石垣駐屯地が開設された。
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 「求める会」代表の金城さんほか川満起史さん、宮良麻奈美さんら原告3人が9月6日、上告を受理し弁論を開くよう最高裁に要請し、全国から集まった署名2万4157筆も提出した。要請行動後、国会内で集会を開いた。
 マンゴー農家を営む金城さんは、「東京に来て8時から、川満君と二人で横幕を持って通行人に声を掛けました。初めは向かい風だったけど、途中から風向きが変わってきました。これは横幕を持っていなくてはわからなかったことですよね。僕たちが声を上げ続けて、帆を張っていたから皆さんの支援もあり、多くの方が足を運んでくれて、追い風になったかっていう感じもしました。やっぱり帆を張って、声を上げることが大事だと実感できて楽しかったです」とにこやかに話し、共感を誘った。
 同じく農業を営む川満さんは、「6年前に求めた住民投票は、実現できぬまま今に至っている。これが次世代を担う中高校生に政治不信を抱かせてしまったことに、怒りに近い感情を抱いている。石垣市民は自らの意見を表明する機会を奪われた。政治とは未来を語ること。最高裁の判断を通して少しでも明るい未来を見せることが私たちの責任だ」などと述べた。さらに 川満さんは吉田松陰の言葉も引きながら、「国の未来は人がつくっていく。未来を築く子供たちに、当たり前の権利が奪われていく姿を見せてはいけない。後の世に恥ずかしくない決断をするよう最高裁に要請した」と述べた。
 最後に登壇した宮良さんは「学生時代を東京で過ごし、15年には安保法制を巡るSEALDsのデモもあり、自衛隊の変容を見ていた。石垣島に帰ったら陸自配備の問題が起きていて、住民投票運動に参加した。島民がいないかのように、大きな話が先行しているように感じたのが、関心をもったきっかけ。私たちは意思を持っていないわけじゃない、問題に直面せざるを得ないのは私たちなのだ、とアピールする運動にしたいと思った。賛同者も増えて、皆さんに見つけてもらうことができて6年、頑張ってきてよかったと思っている。でも、自衛隊の南西シフトが背景にあるこの運動は、自分たちだけで抱えきれる問題ではない」と述べ、「全国から支援をいただき、心強く感じている」と締めくくった。
 集会には支援者百数十人が参加し、大井琢弁護団長、名古屋学院大学飯島滋明教授、馬毛島基地反対住民訴訟団の塚本和也弁護士と村瀬はるか弁護士などが報告した。
 全国からの支援を呼びかける。