各地の活動 ■ 広範な国民連合・東京 第19回総会開く

都民のいのちと暮らしを守る都政を実現しよう

 広範な国民連合・東京は5月12日第19回総会を開催しました。
 前半は、伊勢崎賢治さん(東京外語大学名誉教授)に「自主・平和・民主の日本へ! 〜ウクライナ、パレスチナは即時停戦を〜」というテーマで記念講演をお願いしました。伊勢崎さんは「ウクライナ、ガザの戦争で世界の構図が大きく変わったが、戦争の中心にいるのはアメリカであり、日本はどう向き合うかが問われている。アメリカは決して自ら戦争はしない。大国の周辺にある〝緩衝国家〟である日本や韓国が戦争をすることになる」と厳しく指摘されました。前のめりで戦争準備を進める岸田政権に対し、戦争を止めるために政治を変えなくてはならないと強く感じました。(次号に詳細)


 後半は、都政に関わる活動報告を5人の方々にお願いしました。
 「米軍基地に反対する実行委員会」代表・大森進さんは、横田米軍基地の現状と、基地反対の活動を報告され、PFAS(有機フッ素化合物)公害についてすら責任の追及ができない日本政府の姿勢を批判されました。
 介護福祉士・ライターの白崎朝子さんは、介護保険制度の構造的な問題点、そして、今年の制度改正が現場に与える影響について報告。訪問介護の報酬が引き下げられ、ヘルパーはますます低賃金となり、人材不足で現場は成り立たなくなる。小さい事業所ほど経営難に陥ると指摘。それでも介護士の仲間たちはお年寄りの生活を守るために頑張っていると述べられました。
 東京交通局協力会労組委員長・上村武道さんは、都営地下鉄駅の業務委託と委託労働者の現状について報告。現在、101駅のうち6割がすでに民営化されているが、非正規雇用の割合が多く、賃金が安くてどの駅も欠員がある状態であること。また、偽装委託も指摘されるなど民営化には多くの問題があると報告されました。
 東京都公立学校教職員組合委員長・小田正道さんは、東京都の深刻な教員不足について報告。昨年度採用者のうち1年後の本採用時までに約160人が退職するなど新規採用者の大量退職が後を絶たない。全国の中でも特に東京は厳しく、青年部のアンケートでは平均在校時間が約12時間にも及ぶことが明らかになった。「給特法」改正が議論されているが小手先の改善ではどうしようもない状況であると指摘されました。
 介護、交通、学校という都民生活の根幹を支える公的なセクターの報告がすべて「人手が足りない」「ブラック労働」であったことは深刻です。
 最後に「くらしにデモクラシーを!板橋ネットワーク」の和田悠さん(立教大学教授)が大山地域の再開発問題について報告。大山ハッピーロード商店街の中心を分断する都市計画道路事業を利用したタワーマンション2棟の建設がすでに始まり、これに対し、先日は地元スーパーを先頭に反対デモも行われたとのことです。
 大山だけでなく、都内各地で進んでいる再開発では、公共の土地や公共の資金を利用して、大手不動産会社が莫大な利益を生み、街を破壊していくことは東京特有の重大な問題です。
 以上の報告を受け、最後に活動方針「都民のいのちと暮らしを守る都政を実現しよう」などを拍手で承認して終了しました。
 東京都知事選挙は7月7日に迫っています。都民各層の連携で、新たな東京都政をつくり出せるよう私たちも奮闘してまいります。

 (広範な国民連合・東京
事務局長 松尾ゆり)