福岡「沖縄を再び戦場にさせない」つどい

瑞慶覧長風・南城市議が報告

新しい風を吹かせる若い世代の声を届ける

 広範な国民連合・福岡は10月1日、福岡県教育会館において「沖縄を再び戦場にさせない」映画と講演のつどいを開催しました。当日は150人ほどの参加でした。
 沖縄県南城市の市議会議員で30歳と若い瑞慶覧長風さんを講師に招き、長風さんと年齢も近く、4月に新しく議員となった筑紫野市議会議員の吉村陽一・春口あかねさんのフレッシュな二人に司会をしてもらいました。

 前段では、沖縄の現状を伝える映画を撮り続けている三上智恵さんの新作映画のスピンオフ作品を鑑賞しました。さらに高校生平和大使の女子高生二人にジュネーブ訪問を中心に活動の報告をしてもらいました。10代と若い二人でしたが、その堂々とした発表態度と内容に、参加者はもとより長風さんからも本当に素晴らしいとの感想が出ていました。
 続いてメインである瑞慶覧長風さんに講演してもらいました。
 長風さんは、格闘技漬けだった生活から父親の南城市長選挙を手伝うなかで、いまだ続く沖縄の不条理を知り、平和運動に関わるようになるなかで議員になることを決心したことや、若い仲間たちとつながり合っていく過程などを語られました。印象的だったのは、若い世代が既存の平和運動団体の人たちとの会議の場で、「争うよりも愛しなさい」というスローガンを提案し、それが認められるようになるまでの紆余曲折や苦労話でした。時には袂を分かつという意見まで出ながらも、結局はこれを第一のスローガンにするという決定に至ったということ。会議の場が「凍り付いた」という、一人の若い女性が発した「先輩方の活動に尊敬や感謝の気持ちはあるが、若い世代は憎しみや怒りのエネルギーが満ちている場所に自ら行かない」との発言に関する議論の過程も印象的でした。講演全体を通して、その人柄や熱意に満ちた話に感銘を受けましたし、参加者からも一様に「来てよかった」との声が聞かれました。
 個人的には不条理や不正義に対する怒りのパワーが私自身を突き動かす原動力であり、拳を固く握りしめて突き上げることも大事だと思ってはいます。しかし言われてみれば、長風さんの仲間たちのような、例えば小さな子どもを抱えた若いシングルマザーの女性たちも共感し、一緒に運動していけるような、若い人たちならではの感性やアイデアを大事にしていくことは、これからとても大切になってくるのではないかと強く思わされました。
 いくら「若者よ来たれ!」と声高に叫んでも、そうした視点や柔軟性がなければ若い世代とつながり合っていくことはできないのではないかと気づかされました。運動に関われば、自然に怒りを持つようになっていくでしょうから、まずは先輩たちがやってきたストレートな運動も大事にしながら、一方では、したたかにそしてしなやかに闘う道を模索することで若い世代ともつながり合っていく、そうした取り組みが必要だと思います。
 今回、沖縄の平和運動の中で新しい風を吹かせている若い世代の声を直接聞くことで、改めて沖縄とつながり合っていくことの重要さを再認識できました。また、私たち自身の活動でも新しい風を吹かせていこうという機運がより一層高まった、本当に意義深いつどいとなりました。
 (広範な国民連合・福岡事務局 西川真人)