「沖縄を再び戦場とさせないために」
日中・アジアの連携が重要
希望に満ちた中国を目にしてほしい
彭光謙理事長のコメント要旨
司会者の凌星光先生が冒頭で述べたように、今日9月3日は中国人民抗日戦争の勝利記念日だ。世界の反ファシズム戦争の勝利の日であり、日本人民を含むすべての平和を愛する人々の勝利の日でもある。
日本政府が昨年末に発表した「安保3文書」は、中国を史上最大の挑戦として、直接中国に矛先を向けた。岸田内閣は、米国と協力し中国包囲網をつくり、さらにNATOの力を東アジアに導こうとする動きもあり、非常に危険なことだ。戦後日本の「専守防衛」政策は根本的に転換された。自民党の麻生太郎副総裁は台湾に駆けつけ、「戦う覚悟」を公然と呼びかけ、中国の内政である台湾問題に手を突っ込んだ。
二人の報告者は、日米両政府が日本の南西諸島での軍事基地建設を強化し、沖縄を中国との最前線にしようとしていることについて語った。このように沖縄の人々を再び軍国主義の大砲の餌食にすることは、残念でならない。
百年に一度の大変革期を迎えている今日の世界では、どの国も、どの民族も、どこに向かうかという戦略的選択を迫られている。しかし、どのような選択をするにしても、それは全人類の幸福を尊重し、全人類の生存と発展という共通の利益を守ることを前提にしたものでなければならない。
領土が狭く、資源に乏しく、自然災害の多い日本は、平和的発展の貴重な機会をどの国よりも大切にすべきだ。
最後に、皆さまと6つほどの大事なメッセージを共有したい。
1、軍国主義という道は行き止まりであり、出口はなく、歩んではならない。
2、 米国の覇権主義は氷山であり、頼れる山ではなく、信用してはならない。
3、中華民族の復興は世界の福祉であり、災いではない、止められるものでもない。
4、台湾問題は高圧線であり、仮想線ではなく、触れてはならない。
5、核の汚染水は毒性が強く、純粋な水ではない、みんなの利益を害するものであり、決して海に流すべきではない。
6、沖縄は琉球人の故郷であり、強盗の楽園ではない、破壊してはならない。
皆さま方でぜひ中国を訪問する機会を持っていただきたい。皆さまはきっと希望に満ちた中国を目にすることができると信じている。
日中韓、東アジアで連帯して平和を創る
羽場久美子教授のコメント要旨
今回は、今まであまり触れていなかった沖縄の危険な現状と、そうした中で、沖縄県民をはじめ、全国への発展の動き、「二度と沖縄を、そして日本列島を戦場にしない」という活動が、国レベルでも県レベルでも、さらに石垣島や宮古島や与那国島などでも強化され、そして九州はじめ全国に広がっていることを報告してもらったことは大変重要だった。
この間の状況では、日中を対立させるような形で報道がなされているが、これには伊波さんも指摘されたように、アメリカの強い意図が働いている。それは中国封じ込めであり、また日本をアメリカに代わるような、代理戦争にするような形で、戦争の最前線に置こうとする非常に危険な意図であるということを認識しないといけない。
そして、これはアメリカの覇権が21世紀、特に2010年以後、急激に衰退しつつあること、それに代わって中国が経済的に成長してきているということ、特に軍事力によって中国の成長を押しとどめようとする側面があることを認識する必要があると思う。
では、私たちはどうすべきか、何をしていくべきか。これは伊波さんや花谷さんも言われたように、沖縄の県民、そして九州や日本本土全体の市民の連携、加えて中国、韓国や北朝鮮の市民を含め東アジアで連携して平和を私たちが下からつくっていくことを考える。私たちが共に協力していかなければならないではないか。そうでないとアメリカの軍事力による緊張をつくる動きに対抗できないのではないかと思った。
最後に、私たちとしてすべきことを3点提案したいと思う。
一つは、玉城知事も進めている民間地域外交、それを進めていくこと。これをぜひ中国も華語シンクタンクを中心に支援していただきたい。
二つ目は、「沖縄を平和のハブに」あるいは「沖縄対話プロジェクト」などの運動、さらに「沖縄を再び戦場にさせない」という声を沖縄だけではなく、日本全国で、さらには中国、韓国、台湾地区、インドなど含めて、アジアでは戦争をさせないという動きを広げていく必要がある。
緊張に危機感を抱く国際社会の力を結集しなければ、緊張をつくり出しているアメリカの力に対抗することはできないと指摘したい。
お互い真実の声、平和の声を届ける共同の努力を
また、羽場教授は、日本のメディアはまさに戦争前状態になっていて、沖縄の声がなかなか本土のメディアには反映されない、あるいは中国からの今日のような真摯な声や動きがなかなか日本では報道されない、共に協力しながらできるだけ正しい情報を伝えるようにしたいと提起した。
華語シンクタンク社長龚剣氏は次のように述べた。
「華語シンクタンクはメディアとして、現在30万人以上の読者を持っている。今やっている試みとしては日本の皆さんの平和の声を広めることだ。
このフォーラムで発表された意見や『日本の進路』誌に掲載されている平和の声を反映した記事を翻訳して掲載している。
『日本の進路』誌などにも華語シンクタンクの記事を翻訳して掲載し、中国から平和の声を発信してほしいと期待している。双方努力して、日中両国民のお互いに真実の声、平和の声を相手に届けるように努力したい」
羽場教授は最後に、このフォーラムは7回を数えるが、双方がこのようなオープンマインドで語り合うことこそ、相互信頼を強め、アジアに平和をもたらすための重要な基盤であると確信していると述べた。
これは参加者一同の共有するところであった。