またしても沖縄の女性が凶悪犯罪の犠牲に

米兵による凶悪犯罪を許さない。これ以上の被害はいらない

参議院議員 高良 沙哉

 

 10月3日、那覇市内で普天間基地所属米兵による(とされる)強盗殺人事件が発生した。またしても、沖縄の女性が凶悪犯罪の被害に遭った。被害者や被害者遺族の痛みや無念を思うといたたまれない。事件を防げなかった無力感に包まれている。
 翌4日那覇市内で開かれた緊急の市民集会には、「緊急」の呼びかけにもかかわらず多くの人びとが集った。亡くなった女性に寄り添う気持ちと、ご遺族への配慮を求める思い、「次は私かもしれない」という恐怖が語られるとともに、深い悲しみがあった。
 今、被害者に対する心ない言葉がインターネット上であふれ、二次加害が生まれている。被害者支援・救済が求められる現代の刑事司法においては、二次的な暴力も慎まれなければならない。
 二次的な加害は、女性蔑視、沖縄人蔑視であるとともに、日米軍事同盟関係が脅かされることに対する恐れのためではないか。沖縄県民の米軍犯罪に対する強い怒りは、基地の整理・縮小の要求に直結し、在日米軍の7割を沖縄に置くことで維持できている日米軍事同盟を揺るがす。日本の99・4%の国土でたった3割の米軍基地しか負担していない日本本土の人びとにとっては見たくない現実なのかもしれない。
 2023年12月の米兵による未成年者に対する性的暴力事件を隠蔽し、通報手続きを1997年の日米間の「事件・事故通報手続」合意より後退させた政府は、今回は一転して、迅速に対応した。
 しかし、たびたびの「綱紀粛正」「隊員教育」は実効性を伴っていなかったのではないか。2017年に米海軍監察総監が、日本の刑事裁判権が関わる事案で8年分のデータを分析した結果、米軍の行動規制政策と重大事件の減少との「相関関係が確認できなかった」「制限的な政策は反発心を招き、門限前の駆け込み飲酒など意図しない行動を助長している可能性がある」として、さらなる検証を軍の上層部に勧告していたと報じられている(『沖縄タイムス』10月9日)。
 もしも日米両政府が住民の命と尊厳を重視するのであれば、これまでの十分に効果を出してこなかった再発防止策の効果を検証することが必要だ。日米の密室ではなく、より開かれた場で、軍隊の構造的暴力に関する専門家や加害者強制の専門等の知識を集結してなされなければならない。

地位協定改定、米軍基地整理縮小こそ必要

 さて、逮捕された普天間基地所属の米兵は海兵隊員であった。海兵隊の凶暴性、若年で粗暴な人が多いことが凶悪犯罪の要因として問題視されてきた。普天間基地に駐留する海兵隊は、徐々に移転する計画だったはずだが、まだ進んでいない。整理縮小に本気で取り組んでいるのか。
 また、事件後であっても日米合同の大規模な実動演習「キーン・ソード27」は実行されている。日米両政府の事件への迅速な対応は、実動演習を沖縄県民の反対を招かずに遂行するためのものなのだろうか。
 確かに、凶悪犯罪の政治問題化は、被害者やその遺族にとってあまりにもつらい。一方で、これまで日米両政府が政治の中で、地位協定改定や米軍基地の整理縮小、凶悪犯罪の再発防止に本気で取り組まなかったことで、次々の被害を生んでいることも事実である。日米の対応をパフォーマンスで終わらせてはならない。米兵犯罪の被害はもうたくさんだ。

 

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