「社会保障の確立を求める自治体議員連盟」発足に際して

社会保障の現状と今後の明るい未来のために

長崎県長与町議会議員 安部 都

 社会保障の中で、今後最も重要視されるのが介護保険制度です。突然、介護が必要な状態になった人も介護度に応じて、福祉用具の貸与やデイサービスの利用といったサービスが1割から3割で受けられることになります。これには在宅サービスや、地域密着型サービスなどさまざまな介護サービスがあります。原則40歳以上の人が保険料を負担する仕組みとなっています。

いのちと尊厳を守る
社会保障の土台を

 保険制度で最も問題なのは財源の不足であります。それと介護を支える側のヘルパーさんの人材不足などもあります。ヘルパーさんの年齢は平均50〜60歳代が中心です。人材不足により倒産する介護事業者も増えてきているのが現状です。いかに介護士、看護師など、福祉を支える側の人材を構築するかが一番の課題であります。
 もう一つの問題は、若い世代のヤングケアラーの問題です。本来の役割ではない若い人が母親や高齢者の面倒を見て、本来の自分の果たすべき役割を果たせない。そういう負担を抱えているヤングケアラーが約26万人存在するのが現状です。このような支援の狭間にあって見過ごされがちな問題にも、しっかり国がいのちと尊厳を守り、社会保障の土台を構築しなければなりません。
 また「団塊ジュニア」世代が高齢者となり、日本の高齢者人口が過去最大の35%に達する、超高齢化社会のピークを迎える2040年問題です。労働の担い手となる若い世代の減少により、社会保障の維持が危機的状況に陥る大きな課題とされています。

住民と行政の共同による福祉を目指して

 地域における新たな支え合いを求めて、住民と行政の共同による福祉を目指していかなければなりません。少子高齢化に伴い、若い世代が減少し始めた地方でも、そして都市部でも、高齢者の介護を支える問題はこれからますます深刻になってきます。高齢者や障害者が今後も増加する中、どのようにこの高齢、障害福祉を支えていくのか課題です。
 障害者福祉においては、親が亡くなった後に残された、身体、知的、精神障害者など、あらゆる障害を抱えた弱者の人たちを、どのように支援し、福祉サービスを提供できるかという課題もあります。市町村が主体を発揮して、地域のニーズに応じて総合的、計画的に行政サービスを提供する体制を整えていかなければなりません。地域間の格差を是正して、どこに暮らしていても同じ支援を差別なく受けられることが必須です。
 障害があっても、高齢になっても、住み慣れた地域や自宅で生活をしたいと言う人々の要望を支え、孤立を無縁なものにし、地域で支え合うノーマライゼーションの考えを普及させ、在宅支援サービスの充実を図っていく必要があります。一人一人がその人らしく生きていけるように人権や尊厳を守る。専門的支援を必要とする困難な方たちにも、かゆいところに手が届くような体制作りが必要となってきます。
 最後に社会保障を問題とする議連が発足することで、高齢者や障害者等が抱える問題など厳しい現状と課題を共有し、個人の尊厳と人権を守り社会保障の充実した制度の実現を図っていただくことを願います。

 (見出し・タイトル編集部)