侵略を始めた日に不戦を誓うアクション
高市・小泉に戦争の惨禍を繰り返させない

関東軍が95年前の1931年9月18日、中国瀋陽市郊外で南満州鉄道を爆破した柳条湖事件を契機に日本帝国主義の中国東北部への本格的な侵略が始まった。翌年の「満州国」デッチ上げ、中国大陸への侵略戦争が激化する。
太平洋戦争が終わった8月15日だけでなく、日本が侵略を開始した日にも目を向ける平和運動「侵略を始めた日に不戦を誓おう9・18アクション」が9月18日、東京のJR新宿駅前で行われた。200人ほどの市民が集まり、繰り返してはならない加害の歴史に向き合う意義を訴え、不戦を誓った。
「新宿ペンライトアクション」と「青と花と光のレジスタンス」の二つのグループが主催した。かれらは新宿の街頭で「殺傷兵器も輸出OK?どうして内閣だけで決めちゃうの?」、「イランと交渉すればいいじゃん!アメリカ追従をやめればタンカー通れるよ!」など若者らしく率直に平和を訴えてきた若者たちだ。
侵略体制の中で生まれ育った自分と向かい合う
ゲストのエッセイ作家の渡辺一枝さんは「1945年1月、満州ハルビン生まれ、満州事変がなければおそらく私はこの世にいなかった」と語り始めた。
幼いころはハルビンでの母の思い出話を懐かしく誇らしく聞いていた。が、成長し日本の植民地支配の歴史を知ると、出生地や父母の選択を恥じ、憎むようになった。やがて家庭を持ち「この子らに平和な世界を残してやりたい」と思うようになり、母とハルビンを訪れると約束した。だが、果たせないまま母は亡くなった。母の死後ハルビンを訪ねた。
そこで出会った中国人の老女に、日本の加害を謝罪したが、老女は「それはあなたのせいじゃない、日本の政府と軍が悪かった。ここはあなたの故郷だ」と温かく応えてくれた。その時、これまで聞いてきたのは日本人の苦労の記憶ばかりだったことに気づいた。それからは侵略された側の声を聞くためにハルビンに通った。
2回目のハルビン訪問で4人の残留婦人と出会った。彼女たちの半生を聞き、日本の植民地政策が人々の生活に残した傷を当事者の言葉で知った。何度もハルビンや旧満州各地を訪ね、現地の人々の話を聞く中で「歴史に謙虚でありたい」という思いを深めた。
自分の出生も家族の歴史も植民地支配や満州事変と切り離すことはできない。だからこそ、歴史を「自分とは無関係な過去」とせず自身も歴史とつながりのある存在として向かい合いたいと考えている。
若者が引き継ぐ
難民や在留資格のない子どもたちの教育支援に取り組む大学生、金澤伶さんは高市早苗政権が推進する差別・排外主義政策を引き合いに「この国がいかに根拠もなく外国人を内なる敵として排斥し、生きる権利を奪っているかを間近で見てきた。差別がいまだに正当化されているのは侵略の歴史を断ち切れていないからだ」と批判。「戦争を知らない私たちだからこそ、戦争を知らないままにしない。差別され抑圧されている人と手を取り合っていく」と力を込めて語った。
排外主義の思潮が広がり「日本人ファースト」といった政治家が跋扈する時代に、危機感で若者たちが立ち上がって、歴史を知り反省しこれからに生かす活動が始まっている。
