誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会へ

沖縄県玉城デニー知事は4月25日に多くの支援者と共に記者会見し、本年9月13日投開票の知事選挙に3選勝利を目指して出馬することを表明した。デニー知事は表明の最後に、「県民のために、沖縄のために、ヌチカジリ(命の限り)全身全霊で向かっていく」と決意を述べた。
「平和で誇りある豊かな沖縄」を目指して
玉城デニー知事立候補表明(要旨)
「誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会」「平和で誇りある豊かな沖縄」の実現へ、引き続き着実に取り組んでいく決意を込め、出馬を表明します。
8年前、「誇りある豊かな沖縄」「イデオロギーよりもアイデンティティー」の県政運営をされていた故翁長雄志知事の急逝を受けて2018年10月に知事に就任しました。あっという間に7年余りが過ぎました。
自立、共生、多様性の理念で
公約に掲げた大項目の一つ、「県経済と県民生活の再生」では、観光誘客の促進・宿泊税条例の制定、農林水産業支援や中小企業の資金繰り支援など、また、計350億円の物価高対策も講じました。この成長する勢いを県内経済と県民所得などの向上へ向けてさらに加速化させてまいります。
第二の「子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実」では、子どもの貧困対策推進基金を拡充し、子ども通院医療費の中学卒業までの窓口無料化を実現しました。バス・モノレール通学無償化、学校給食費無償化に取り組んできており、子どもの貧困率は13年度の29・9%から23年度の20・2%と、着実に改善しつつあります。
三つ目の「辺野古新基地反対・米軍基地問題」では、政府が唯一の解決策とする普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への「移設」では、普天間基地の一日も早い危険性の除去につながりません。辺野古移設の断念と県外・国外への移設、早期閉鎖・返還をあらゆる機会を通じて政府に求めてきました。
誰一人取り残さない社会へ
さらに新時代沖縄を切り開き、県民が幸福を真に実感できる沖縄を実現するためには継続して推進する政策や新たに取り組むべき課題が山積しています。
まずは、最近の国際情勢等による物価高・原油高は県民生活に大きな影響を与えています。引き続き県民生活や産業・経済の各面における影響を把握し適宜必要な対応が迅速に取れるよう準備を進めています。
子どもたちが夢や希望を持って成長することができる、誰一人取り残さない社会の実現を目指して、子どもの貧困解消、教育費負担の軽減など安心して学べる環境を整えます。若い世代の大きな負担となっている奨学金返還の支援制度の拡充を図り、若者が沖縄で働き家庭を築き安心して子どもを育てられる社会を実現します。子どもたちの可能性を広げることは沖縄の未来を開く最大の投資と位置づけ子ども・若者政策のさらなる充実にしっかり取り組んでまいります。
沖縄の県民所得は全国平均より低く安定した雇用の確保と賃金水準の引き上げなど県民所得の向上がなお大きな課題です。
沖縄の強みを生かした産業振興を進め地域経済の活性化を図ります。新たな産業の創出と若い世代のチャレンジする姿勢を強力にバックアップしてまいります。
離島振興なくして本県の振興なし。この基本的な認識のもと、離島地域にいながらも豊かな生活を享受できる環境作りと島々の特性を生かした産業をさらに振興し、住みたくなる魅力ある島の生活環境を創出いたします。
復帰から50年以上を経ても、県民は到底受忍できない過重な負担を米軍に強いられ続けています。特に普天間基地の一日も早い危険性の除去は最大級の課題であり、辺野古新基地は基地の永久固定化でもあり断固として認められません。「世界一危険といわれる普天間基地の一日も早い危険性の除去」を政府に強く求めてまいります。
普天間基地を返還しないという米国政府の方針は断じて許せません。事実関係を明らかにしようとしない日本政府も同様です。辺野古埋め立て容認の人々も含め県民を裏切るもので、怒りが込み上げてきます。この機会に「平和」のもとへ県民が一つになり、県民の揺るぎない意思を国際社会へのうねりにしていくことが重要です。
南西諸島の軍事力強化を許さない
安保3文書が閣議決定されて以降、南西諸島の防衛力強化が進められ、政府はさらなる強化のため、3文書を前倒しで改定するとしています。米軍基地が集中していることに加え、自衛隊の急激な配備拡張による「抑止力」の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生じることも懸念されています。ましてや沖縄が攻撃目標になることは決してあってはならない。専守防衛の在り方を否定する長距離ミサイル配備に断固として反対します。
世界はこれまでの国際秩序が根底から揺らいで、沖縄は他国の紛争への出撃拠点として使用される危うい状況に置かれています。このような時代だからこそ武力ではなく、平和的外交や対話によって問題解決を図るべきだと考えます。世界の人々と連帯し、包摂性や寛容性をもって相手と対話することが重要です。アジア・太平洋地域の平和構築や相互発展に積極的な役割を果たしてまいります。
県民が日々を笑顔で
過ごされるよう
私は米国人の父、うちなーんちゅの母のもとにいわゆるダブル、あるいはハーフとして生を受けました。生活に苦しい実の母に代わって養ってくれた、もう一人の母の愛情を受け育てられました。
「かーげーかーどやる(容姿は皮一枚にすぎない)」、「とぅーぬいーびや、ゆぬたけーねーらん(10本の指はどれも長さは不ぞろいでいい)」。私がハーフとして生きることがつらそうに見えた時、養母はそう言って励まし、実の母はたとえ生活は厳しくても心に笑いを忘れないようにと言い聞かせました。二人の母は私を明るい性格に育ててくれました。
私は、知事として県民のために奉仕することに生きがいを感じ、県民一人ひとりが未来への希望、夢をかなえられるよう前向きに取り組むことにこだわりたい。
これからさらなる難問難題に当たろうとも、私の知事としての情熱が萎えることは絶対にありません。どのようなウフカジ(強風)が吹き付けようとも足を踏ん張り、県民のために、沖縄のために、ヌチカジリ(命の限り)全身全霊で向かっていきます。
(見出しは編集部)
