報告 ■ 日中不再戦、九州自治体議員の会準備会合

力を合わせて戦争への流れを止める

決意表明する訪中団長西聖一・熊本県議とメンバーたち

 「日中不再戦、平和友好を進める九州自治体議員の会」設立準備会・記念講演会が4月13日、福岡市内において開催され成功裏に終了した。地元福岡をはじめ九州各県から自治体議員や一般参加者を含めて80人ほどが参加し、議員の会の結成に向けて協力し合うことが確認された。


 この会は、昨年長崎で開催された第19回全国地方議員交流研修会において提案され確認された「対話と外交によって平和を推進する自治体議員ネットワーク」形成の具体化として取り組まれた。今年2月初旬に九州自治体議員懇談会で確認してから2カ月余りで準備会結成に至った。設立準備会は、原竹岩海・福岡県議、西聖一・熊本県議、坂本浩・長崎県議、上山貞茂・鹿児島県議、中川義行・宮崎市議、上村和男・筑紫野市議が呼びかけ人。
 集会は福岡県筑紫野市議の吉村陽一、春口あかね両議員が司会を担当し、広範な国民連合全国世話人の中村元氣氏(福岡県日中友好協会事務局長)が開会あいさつをした。
 設立準備会事務局長の上村和男・筑紫野市議が、この間の経過報告や今後の活動提案を行い、全員の拍手で確認された。当面しては、特に訪中団の派遣と各地での報告会の開催などに取り組みながら九州全体で賛同会員を増やし、体制も整えて結成を目指す方針である。
 続いて青山学院大学名誉教授の羽場久美子先生が、「日中不再戦―中国との自治体、経済、市民交流こそ、平和と日本再生の鍵!」と題して記念講演を行った。
 自国内では決して戦争をしないアメリカが、自らの覇権維持のために日本を先兵として捨て石にするかのごとき現在の状況は、130年前の日清戦争や120年前の日露戦争とそっくり重なることが示された。また東アジアでの戦争が起きてしまえば、それはAIを使った新しい形での戦争になることが明確に予測されており、犠牲はかつてない規模になることが指摘された。それに抗していく道筋も提起され、グローバルサウスとの連帯などの政治・外交の努力と、市民・自治体が二度と戦争をしないという立場から積極的に交流していくことが大切だと提起した。特にアジアとの玄関口にある福岡をはじめ九州の自治体・議員が、東アジアの平和のセンターとしての沖縄と一体となって取り組みを進めることが呼びかけられた。
 その後、上山貞茂・鹿児島県議と長野広美・西之表市議より馬毛島の基地建設の状況と闘いの報告がなされた。
 続いて西聖一・熊本県議を団長とする九州自治体議員平和友好訪中団が紹介され、団参加の議員から日中不再戦にかける思いや決意が表明された。最後に原竹岩海・福岡県議の閉会あいさつで終了となった。
 こうして会結成に向けた意義あるスタートとなった。直前に開かれていた日米首脳会談では、「日中戦争」を画策する日米同盟の強化とアジアへの格子状の拡大などが確認された。台湾有事となれば間違いなく戦場とされる沖縄はじめ全国に怒りが高まる中で、しかも、自衛隊の南西シフトで戦争準備が進む九州で「日中不再戦」をめざす自治体議員の運動が始まった意義は非常に大きい。正念場を迎え、党派や立場、安全保障に関する意見の違いを超えて「戦争を絶対にさせない」という一点で固く結束しながら、自治体議員の運動を発展させなくてはならない。

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