米軍基地徳之島移設反対郡民大会に4200人参加

米軍基地徳之島移設反対郡民大会に4200人参加

奄美ブロック護憲平和フォーラム代表  関 誠之

 反対郡民大会は、3月28日・天城町野球場に、米軍機の爆音が大音量で流され、体が振動し、会話も出来ない基地沖縄の現実を突きつけ、幕が開いた。
 郡島内外から、「徳之島に基地はいらない」「故郷を守ろう」などと書いたプラカードを手に4200人が結集、熱気の高まる中、地元の大久幸助天城町長が開会を宣言、高岡秀規徳之島町長や地元各団体の意見表明を行った。母親代表の徳之島町の磯川真理枝さん(39歳)は、「徳之島は、命を宝とする子宝の島、先人の知恵を尊ぶ長寿の島。子供たちの未来に基地も、訓練施設も要らない」と訴え、大きな拍手を集めた。私も、奄美ブロック護憲平和フォーラム代表として「武力で平和はつくれない」「奄美の美しい自然を守り、未来の子供たちに夢と希望に満ちた平和な奄美を受け継いでいくことは、私たちの義務であり、責任である」ことを訴え、ともに闘うことを表明した。

 また、来賓あいさつに県町村会会長・平安正盛知名町長、県議団、地元選出・徳田毅衆議院議員ほか小池百合子衆議院議員などが登壇した。地元選出・徳田毅衆議院議員は、「素晴らしい島を次世代に残していくためにも、心を一つにして闘っていこう」と移設反対する決意を強調した。その後、「米軍基地・訓練基地移設に断固反対」「振興策に名を借りた環境破壊を許さない」などの決議表明があり、最後に大久保明伊仙町長が、地元にまったく何の説明もしない鳩山政権への怒りを込めて、初心を貫徹しようとガンバロウ三唱を行い閉会した。
 今回の郡民大会は、1953年12月に泉芳朗先生を先頭に全郡島民が一丸となって、アメリカからの復帰を勝ち取った先人たちとのDNAを確認する大会であった。

普天間問題の各地の動き

名護市長、海上案も陸上案も反対
 3月13日、名護市でキャンプシュアブ陸上案に反対する集会が開催され、県内移設反対の意思を示した。稲嶺市長は、選挙後の閣僚らの発言を厳しく批判し、海上にも陸上にも絶対に新基地を造らせないと発言。
うるま市議会、勝連沖移設反対
 3月19日、ホワイトビーチ沖の勝連沖案が政府案として検討されていることを受け、地元のうるま市議会は移設反対の意見書を全会一致で可決した。埋め立ては環境破壊、県内一のモズク水揚げを誇り漁民の生活破壊、騒音や墜落の危険性もあり、到底容認できないと反対。
鹿児島県も反対
 3月24日、鹿児島県議会は「米軍普天間基地代替施設の鹿児島県内への移設に反対する意見書」を全会一致で採択した。鹿児島では徳之島、馬毛島、海上自衛隊鹿屋基地など移転等の候補地として名前が挙がっているが、どの候補地も地元で強い受け入れ反対の意思を表明している。
 とくに徳之島では移設反対の闘いが高まっている (別掲)
佐賀県も反対表明
 普天間の移設候補として佐賀空港があがっていることについて、古川康知事は「佐賀空港は民間空港、米軍機使用は反対」と表明。
 3月15日、佐賀県議会は佐賀空港への移設に断固反対する意見書を全会一致で可決した。
宮崎県新田原、新富町長が憤り
 3月20日、移設候補に宮崎県新富町の航空自衛隊新田原基地があがっていることに対して、「新田原の名前があがっていることに憤りを感じる」「米軍再編は決着済み」と述べた。
長崎県も県内移設反対
3月18日、移設先として長崎県の大村市や佐世保市が浮上していることに、中村法道知事は県内移設に反対すると述べた。
 すでに海上自衛隊大村航空基地のある大村市の松本崇市長が反対表明し、同市議会も移設反対の意見書を全会一致で可決済み。また陸上自衛隊相浦駐屯地のある佐世保市の朝長則男市長も海兵隊移転に反対表明。
福岡・築城基地への移設反対
 3月17日、福岡県築上町議会と行橋市議会で航空自衛隊築城基地(行橋市など)への普天間移設に反対する意見書が全会一致で可決。すでにみやこ町議会でも3月12日に同様の意見書を採択しており、築城基地の地元3市町議会はそろって反対。4月18日、行橋市で集会、4月24日、福岡市で集会。
大分県議会も反対
 3月10日、普天間の移転候補地案として、陸上自衛隊日出生台演習場(大分県由布市、玖珠町、九重町)を挙げたことについて、大分県議会は日出生台演習場への訓練移転に反対する決議案を全会一致で可決した。3月11日、玖珠町議会も移設反対の意見書を全会一致で採択。
岩国市長、候補地なら協力再考
 3月10日、山口県の福田良彦市長は、岩国基地が普天間の移設候補地に含まれるなら、空母艦載機移転などで国に協力してきたスタンスをすべてリセットせざるを得ないと述べた。
長野県の4自治体で意見書採択
 3月24日、米軍普天間飛行場の移設問題で、「住民意思の尊重と反映」を訴える請願が、高森町議会、阿智村議会、豊丘村議会で全会一致で採択され、意見書として政府に提出される。また飯島町議会でも同様の請願が賛成多数で採択された。高森町在住の写真家中川賢俊さんたちの団体「竜援塾」の請願・陳情が呼びかけた。
うるま市で米兵当て逃げ
 3月21日、うるま署は、酒を飲んで乗用車を運転し、タクシーに当て逃げした在沖海兵隊の米兵を逮捕した。沖縄県内では3月16日に名護市辺野古で米兵によるひき逃げ事件が発生、3月21日には沖縄市でも当て逃げ容疑で女性海兵隊員が逮捕されるなど、米軍人による交通犯罪が相次いでいる。

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