沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム(続) ■ 伊波 洋一

アジアの大切な宝・
沖縄から平和ネットワークを

参議院議員 伊波 洋一

 ハイサイ、皆さんこんにちは。
 皆さん、本当にありがとうございました。中国との国交正常化50周年という節目の年に、私たちが何をしなければいけないのかということをテーマに、国民連合の東京での集まりでもこの間考えてきました。そうした中で、きょうはこのように沖縄で、「沖縄をハブに平和のネットワークをつくる」をテーマにお話しいただきましてありがとうございました。先ほど4人の若い方々が、その問題意識を共有して取り組むという思いを込めてお話ししていただいたこと、これは最大の成果かなと思っております。
 沖縄はとても重要な場所です。この沖縄からアジアの平和を構築するネットワークのスタートができるのではないかと期待を感じております。


 私は参議院の外交防衛委員会にこの6年間おりました。きょう話題になったさまざまな課題をずっと議題にしながら委員会質疑をしてまいりましたが、今たいへん厳しい状況になっていると思います。安倍政権が誕生した2012年以来、南西諸島の軍事化というのが目標とされてきましたが、これは台湾有事に対応するための取り組みです。台湾有事を日本有事に直結させる仕組みが憲法9条の改憲解釈で近くなって、それから「平和法制」という名の戦争法制ができて、日本の関与なしに台湾有事が直接日本有事になるような仕組みができています。
 米軍はそのための訓練をもうすでに行っています。遠征前方基地作戦(EABO)という訓練です。今ウクライナで使っているハイマースというロケット砲を、沖縄の南西諸島の島々に行って撃って、そして引き返すんですね。そのこと自体で日中戦争が始まります。
 日中戦争を自動的にアメリカ軍がつくりだすという仕組みがこの間できあがったんですね。そのことを私たちは軽視してはならないと思います。つまりアメリカは常に日中戦争の引き金をひける状況にあるんですね。そのことをしっかり国民が理解して、それをさせてはいけないということがとても大切だと思います。
 そんなことは起こらないだろうと言いますけれども、中国がこれだけ成長しておりますと、アメリカの立場がなくなってしまう。だから、まさにアメリカは自分たちの権益、覇権を残すためにこの南西諸島、とりわけ日本列島を戦場にしてでも戦うんだという意思を今示しているんです。そのことを軽く見てはいけないと思います。

自分たちの国益に目覚めるべき

 私は、日本は、自分たちの国益に目覚めるべきだと思います。本来の国益を無視してこのようなことが行われています。日本の貿易相手国は24%は中国なんですね。アメリカは14%に過ぎません。東アジア全体では50%を超えています。つまり戦争が起これば日本は経済的にすぐ破滅するんですね。そのことの引き金をアメリカに渡してしまっている。
 今のような安全保障体制は、日本を守る体制ではもはやないんだということです。アジアはアメリカの戦争はいやなんです。あのベトナム戦争を含めてね。二度と東アジアでアメリカの戦争を起こさせてはならないという思いを、若い人たちも含めてつくりだすことがたいへん大事ではないでしょうか。
 先ほど大交易時代のお話もありました。沖縄の琉球国は450年続いたんですが、東アジアでいちばん長いです。歴史を振り返ると武器をなくして交易を通して450年も国を存続させたという、私たちは誇りをもつことがとても大切だと思うんですね。今また新たに国際観光地としての沖縄が脚光を浴びています。
 アジアにとって沖縄はたいへん大切な宝です。そのことを自覚しながら、今提起されている平和ネットワークの形成としてのハブも実現していこうではありませんか。私のきょうの感想です。ありがとうございました。