長生炭鉱の坑口を市民の力で開けた
次は死者に会いに行く
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 共同代表 井上 洋子
事故は石炭供出を優先
した「人災」だ
1942年2月3日早朝、山口県宇部市にあった長生炭鉱の天井はついに水圧に耐え切れず崩れた。戦時下の石炭増産が国からの至上命令だったなか、海底炭鉱の大規模な水漏れを補修しながら、石炭採掘を強行したためだ。奥の浅く危険な採炭場には、朝鮮半島から連れて来られた朝鮮人坑夫たちが配置され、彼らは流れ込む海水に瞬く間にのまれた。犠牲者183人のうち7割に及ぶ136人が朝鮮人だった。