コロナ危機どう闘うか一覧

コロナ禍の労働者 ■ 生活と権利のための中小労組の闘い

団結し闘えば要求は実現する

国一般労働組合福岡地方本部北九州支部
執行委員長 山岡 直明

ストライキで春闘を闘う

 全国一般北九州支部の2020春闘要求は、春闘アンケートに基づき月額賃上げ3万円をはじめとする統一要求を決定し、3月3日、北九州労働会館において、組合加盟企業経営者を一堂に集め、統一要求団交を開催した。統一団交では、支部から統一要求額の説明、働き方改革関連法による労働法規の改正の説明を行い、各分会長からは、分会独自の要求の説明と闘う決意を表明する。この取り組みは、1996年から毎年続けている。 続きを読む


コロナ禍で困窮の学生 ■ インタビュー/要求と闘い

実態調査をもとに対政府要求 緊急給付金を勝ち取った

高等教育無償化プロジェクトFREE事務局長 齋藤 皐稀さん

 私は現在東洋大学文学部の3年生です。
 静岡県の出身で1998年生まれです。中間層の出身で3人兄弟。小中学校は公立で平凡な生徒でした。高校の時、競争に打ち勝てという空気に耐えられなくなり、受験勉強に反発して不登校気味になりました。
 そこで本を貪り読んで、例えば大杉栄の生き方などに、社会に対して自分が行動するこういう生き方があるんだという衝撃を受けました。高校の仲の良い、組合活動をやっている先生でしたが、いろんな本を教えてくれました。いわゆる左翼思想系ですけれども、大学に行きたいなと思うようになって、高3からやっと勉強を始めて、それで東洋大学に来たという感じです。 続きを読む


コロナ禍で困窮の学生 ■ インタビュー/要求と闘い

多くの学生が政治に主張せざるを得ない状況に追い込まれ

「一律学費半額を求めるアクション」代表 山岸 鞠香さん

 私は慶応義塾大学理工学部で数学を専攻し卒業しました。大学院修士課程をフランスのエコール・ポルテクニーク大学院で修了して、この後、日本の博士課程の大学院に進学予定です。
 今、「一律学費半額を求めるアクション」(略称「一律半額アクション」)の代表をしています。このアクションは4月半ばに発足しました。学費関係の学生団体の中でもコロナ禍を受けて発足したことが特徴だと思います。 続きを読む


コロナ禍で困窮の学生 ■ 発足した菅新政権に切実な訴え

FREEが9月16日、コロナ禍から学生を守ろう!官邸前ラリー

 高等教育の無償化を目指す学生団体「FREE」が16日夜、発足した菅内閣にコロナ禍で苦しむ切実な声を届けようと官邸前ラリーを開催した。
 ラリーでは8人の大学生、大学院生が各大学の切実な状況を訴えた。 続きを読む



コロナ第2波と大災害に備えを

安全保障とは国民の命と安全を守ること

「日本の進路」編集部

 75年目の8月15日がやってくる。アジアで何千万の人びとの命を奪い、日本人も何百万人が命を落とした日本のアジア侵略戦争と太平洋戦争。そして沖縄地上戦と米軍の原爆投下による広島・長崎の惨禍。莫大な犠牲の上に今日の日本がある。
 コロナ禍が加速し浮き彫りにした歴史の転換点で、過去の歴史をしっかりと振り返り未来を選択しなくてはならない。戦争をしない、させない政治、何よりも国民の命を守る政治。安全保障とは国民の命と安全を守ること、そして国際の平和を守り、諸国の共生を実現し、諸国民の命を守ることだ。
 安倍首相は口を開けば、「国民の生命、安全を守る」、そのため「強い国」をつくると言う。ところが、その政権の下で、他国の攻撃によってではなく国民の命が次々と奪われている。これは人災、いわば政災だ。 続きを読む


[コロナ危機どう闘うか] 感染症と戦争の人類史から、ポストコロナ政治を構想する(2)

参議院議員、前滋賀県知事、
元日本環境社会学会会長 嘉田 由紀子

 コロナ対策をめぐる日本政府の対応、その日々の動きを国会議員として近くで見ながら、安倍政権のちぐはぐさを前稿で示してきた。ポイントは、これまで新型コロナウイルスは「感染率は低いが、致死率は高い」といわれ、それに合わせて「封じ込め」「社会分離」政策がとられてきた。しかし欧米各国との比較で見ると死亡率は2~3桁少なく、「感染率は高いが、致死率は低い」という病の部類になるのではないか。となると、ここまで全国の学校を3月以降休校にして、日本中に経済・社会的活動制限をした政策に正当性があったのだろうかという疑問がわく。 続きを読む


[コロナ危機] コロナ禍と労働者

雇用と生活を守るJAMの取り組み

JAM副書記長、組織・政策部門長 川野 英樹

未曽有の緊急事態宣言

 JAMは、機械金属産業の中小企業・ものづくり製造業を中心とした約1900単組、38万人が加盟する産業別労働組合である。
 その特徴は、何といっても中小企業単組の構成比が高いということ。300人未満の単組が85%、100人未満の単組が60%を占めており、中小企業単組の「雇用と生活の維持と確保」に焦点を当てた運動が中心とならざるを得ない。
 もう一点は、構成企業の大半が中小・サプライヤー(中小部品供給会社)であり、大幅な景気変動時には発注メーカーから一方的なキャンセルや納入停止が多発する。また、原材料調達が困難で納期遅延が発生した場合は、ペナルティー(違約金)が発生するなど、公正取引慣行の確立が主要な政策課題となっていた。 続きを読む


[コロナ危機] コロナ危機の時代をどう生きるか

武器ではなく人、子育てや教育こそ最重要

日中友好協会会長 元駐中国大使
伊藤忠商事名誉理事 丹羽 宇一郎

 新型コロナウイルスの感染拡大について、「パンドラの箱が開いた」とよく言われるが、この中から出てきた新型コロナウイルスの正体はいまだにハッキリ分からない。いわゆる「専門家」といわれる人たちが口にするのは、感染者数や亡くなった人数など、すでに終わった話ばかりで、どうなるのかは誰も言ってくれない。
 また、この新型コロナの感染拡大を防ぐために、「『3密』を避けましょう」と言われています。しかし、毎日電車通勤をしなければいけない人たちや、買い物をする人、そうしたところで働く人たちにとって、この「3密」を避けるのは大変難しいことです。
 これからは「ウィズコロナ」です。「コロナと共に」にということです。ワクチン開発の成否も分からないなかでは、新型コロナウイルスに対する免疫を高めるしかありません。そうして免疫を高めた世界でコロナと共生・共存していかざるを得ない時代が確実にきます。 続きを読む


[コロナ危機] コロナ禍で問われる税収の空洞化

不公平な税制をただす会共同代表・税理士 菅 隆徳

 コロナ対策では、政府が閣議決定した(第1次)補正予算だけでも25・7兆円の国債の追加発行が予定されている(その後第2次補正は全額国債で賄われ、31・9兆円 編集部補足)。さらに政府案にはない「賃金・収入の8割補償」や「イベント中止への補償」、医療・検査・介護などへの支援策の拡充などを実現するためには、さらに多くの費用が必要となる。
 コロナ危機対策で各国は巨額の財政支出に踏み切っている。財源負担をどうするか、税の集め方、使い方が問われる。感染防止のための財政出動を契機に、公平・公正な税負担を実現することが、強く求められている。 続きを読む


[コロナ危機] 傷つく人々を全力で支援 費用負担は応能で

財源負担問題の国民的議論を

『日本の進路』編集部

 第1次に続いて第2次補正予算が成立し、通常国会は閉じた。
 一般会計歳出は当初予算と合わせ総額160・3兆円、過去最大だった19年度(104・7兆円)の1・5倍に。補正の財源は全て国債で今年度の国債発行額は90・2兆円となる。
 未曽有の国民的危機にはあまりにも「遅すぎる」「少なすぎる」対策だが、大企業や大銀行、大金融資産家には十分すぎる財政・金融支援であろう。しかも、給付金事務に大企業が食いつき利益を貪り、パソナのような白アリも集っている。
 他方、傷つく人々や、頑張っている医療関係者や社会インフラを支える人々への支援は「雀の涙」、それもまだ多くは届かない。 続きを読む


コロナ禍、米中冷戦激化の中 日米安保条約60年

自主・平和、アジア共生の進路こそ急げ!

『日本の進路』編集部

 6月23日、現行日米安保条約発効60年を迎える。安倍晋三首相は、祖父である岸信介元首相が60年前条約に調印した1月19日、「100年先まで、日米同盟を堅牢に」とアメリカに誓った。
 日米安保条約に基づく日米同盟と米軍駐留は、日本の国家主権を著しく損ない、国民のいのちと安全を脅かしアジアの平和の脅威となってきた。日米同盟に組み込まれた自衛隊は、湾岸戦争やイラク侵略戦争、いま中東や南シナ海などへと、派兵が常態化している。 続きを読む


[コロナ危機どう闘うか] 「生命」か「経済」か、それが問題だ

地方と新型コロナウイルス禍

山形県議会議員 原田 和広

 昨今の新型コロナウイルス禍において山形県が直面している喫緊の課題は、医療崩壊と地域経済の崩壊である。生命と経済のどちらを守るのかという二者択一がマスコミ報道等で議論されることが多くなってきたが、どちらかではなく、そのどちらも守れない可能性を山形県のような地方は構造的に抱えているのではないだろうか。 続きを読む


[コロナ危機どう闘うか] 見えてきた理不尽な『新型コロナ格差』の実態

新型コロナで傷む現場~連合の労働相談よりレポート~

連合総合運動推進局長 山根木 晴久

 連合本部は、新型コロナウイルスの影響が顕著に出始めた3月4日から6日にかけて、フリーダイヤルとラインを活用して緊急集中労働相談を実施し、多くの相談に対応した。当時は、政府の要請で全国の小中学校が休校になった直後ということもあり、「子どもの面倒をみるため仕事を休まざるを得ないが、その間の賃金はどうなるのか」といった休業補償関係の相談や「職場でマスクを着用させてもらえない。感染が心配だ」といった安全保障関係の相談が相対的に多く寄せられた。 続きを読む