課題・言葉一覧

緊迫する朝鮮半島情勢 戦争に近づくのではなく遠ざかること

すべての核保有国による核開発・使用の2年間禁止合意など平和に向かって
問われる日本のリーダーシップ

広範な国民連合第23回全国総会 記念講演者 (元伊藤忠商事会長・社長、元駐中国大使、日中友好協会会長)
丹羽宇一郎さんに聞く

 今、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の相次ぐミサイル発射、そして核実験を受けて、北東アジア情勢が緊迫しています。

 そのなかで、安倍政権は、アメリカの後を追随するように、北朝鮮の敵対国になろうとしています。これではむしろ逆に、どんどん戦争に近づくことになってしまいます。日本のこうした姿勢を見て、北朝鮮は敵国の一つに日本を考えてくるでしょう。だから、安倍政権のこのままの政策でいいのですか、国民の皆さんはそれを分かっているんですか、ということを言いたいのです。 続きを読む


朝鮮半島危機が高まる中での衆議院総選挙に際して

「小池新党」に右往左往せず、安倍政権を追い詰め、国民運動で打ち倒そう!

「日本の進路」編集部

 安倍晋三首相の衆議院解散・総選挙は、「モリカケ」の疑惑隠し以外の何物でもなく、言語道断の暴挙です。

 内外の危機の深まりと国民の怒りに追い詰められ、自民党内からも不満が高まり始めた下での、政権の延命策動にほかなりません。対米追随一辺倒の安倍政権を断じて許さず、国民の手で追い詰め、打倒しなくてはなりません。

 広範な国民連合は、国民運動とともに、議会闘争も重視しています。この総選挙でも、広範な国民連合の趣旨に賛同する候補者を積極的に推薦し、当選のために奮闘します。 続きを読む


自由・人権・平和を求めて、立正大学生は立ち上がった

平和を求める立正大学生の会 橘内 優一さん

 2年前、戦争法反対運動が盛り上がった時に、立正大学でも私ともう1人の学生で「安全保障関連法に反対する立正大学の会」を立ち上げました。大学と駅の間の路上で宣伝活動したり、ツイッターアカウントを作ったりするくらいで、満足な活動ができず、やがて活動休止状態になりました。 続きを読む


労働運動の社会的役割を考える

北海道の課題と労働運動がめざすもの

連合北海道会長 出村良平

オスプレイに抗議して街頭宣伝する出村会長(中央)

オスプレイに抗議して街頭宣伝する出村会長(中央)

 今回北海道で開催された第14回全国地方議員交流研修会は、夕張市視察を盛り込むなど内容的にも充実し、意義深いものであったと思います。交流研修会の呼びかけ趣旨には、21世紀日本の縮図である北海道で開催とありました。 続きを読む


労働運動の社会的役割を改めて考える

水道は地域自治の問題であり生命の問題である

辻谷貴文(全日本水道労働組合書記次長)

日本の水道は「いま」

 「日本の水道は世界一」と、国内外からの呼び声が高い日本の水道。水ビジネスに興味津々の企業家や経済界は、「日本の水道の技術を世界へ」と、2025年には110兆円規模といわれる水ビジネス市場に打って出ようと躍起になっている。いまや石油ではなく「水」に起因して戦争が起こる時代であり、水(Water)=金(Gold) という構図が彼らの頭の中にあるようだ。 続きを読む


自治体議員から見た「社会の市場化」

新宿区議会議員・弁護士 三雲崇正

 私は、1977年生まれで、2004年に弁護士になってから約10年に、大手渉外法律事務所で国内外の大企業や投資家の経済活動を法的な側面からサポートする仕事をしました。その後、独立し、15年春からは区議会議員兼弁護士として、地域の中で活動しています。
 その間、山田正彦・元農水大臣に誘われて「TPP交渉差止・違憲訴訟」弁護団に参加し、自由貿易・投資協定について以前とは別の角度から検討する機会を得、また自治体議員として、地域社会や公共分野と民間事業者の経済活動との間の関係について考えさせられることとなりました。 続きを読む


農業の直面する課題と展望

日本の種子を守る会会長(JA水戸組合長) 八木岡 努さんに聞く

後継者不足の解決をめざす

 農業で今、一番重要な問題は高齢化と後継者不足、担い手不足だと思います。
 私は15~16年前から、新規参入者受け入れを行い、就農希望者を15組くらい指導しました。そこで育った教え子の多くが、県内各地でイチゴ作りをやっており、現在では都会からの就農希望者を受け入れるなど、後進の指導をするほどになってくれています。茨城県では農業経営士という制度があり、私もその現職ですが、教え子のうち3人くらいが農業経営士に認定されて、活躍しています。 続きを読む


翁長知事を先頭に前進する沖縄県民の闘い

最近の一連の県内市長選結果が突きつける課題

山内末子(前沖縄県議会議員)

本稿は、第14回全国地方議員交流研修会の第5分科会「首長交代!豊かに暮らせる地域をめざし、国に物申す自治体をつくる」での発言に、時間の制約で触れられなかった点を本人が加筆修正されたもの

うるま市長選で翁長知事の支援を得て奮闘する山内末子さん

 私は沖縄県中部にあるうるま市の市議会議員を経て沖縄県議会議員を3期務めてきました。そして今年の2月、うるま市長選に立候補するということで県議を辞して市長選に取り組みました。 続きを読む


アメリカ追随、国民犠牲の大軍拡を許さず、自主外交でアジアの平和に貢献する日本へ

「日本の進路」編集部

 防衛省は来年度、過去最大5・2兆円の大軍拡予算要求を決めた。安倍首相は、小野寺防衛大臣を任命した際に、「防衛計画の大綱」を見直して、新「中期防衛力整備計画(中期防)」策定を指示した。19年度からの新中期防となると、さらに軍事費は膨らむ。
 歴代政権の対米追随政治、とりわけ安倍政権による輸出大企業と富裕層のためのアベノミクスで、労働者も商工業者も農民も、国民各層は塗炭の苦しみである。年金や生活保護など社会保障給付は次々と抑制され、直接税も消費税も大増税、社会保険料も大幅負担増。国民はミサイルによってではなく、安倍政権の生活破壊で生存の危機に直面させられている。 続きを読む


突然廃止された種子法

食料の安全保障放棄、外資の種子支配に道開く

日本の種子を守る会会長八木岡 努さん(JA水戸組合長)に聞く

 4月14日の参議院本会議で、自民党・公明党・維新の会の賛成多数により「種子法」の廃止が決まった。施行日は2018年4月1日。廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などに道を開くことに。種子の開発・生産が民間企業に任されると、穀物価格に当然響く。民間の品種はF1(1代交配種)が中心のため、農家は種子を自家採種できず、穀物種子を毎年購入しなければならなくなる。民間開放先にはモンサントなど巨大種子資本の外資も含まれ、食料安全保障も脅かされることになる。
 「日本の進路」編集部は、結成された「日本の種子を守る会」の八木岡努会長(JA水戸組合長)を訪ねて、お話をうかがった。 続きを読む


「朝鮮危機」があおられる中で

広範な国民連合第1次訪朝団

原田章弘(第1次訪朝団団長、全国代表世話人)

広範な国民連合は、7月4日から7日までの日程で、原田章弘全国代表世話人を団長に第1次訪朝団をピョンヤンに派遣した。朝鮮側の受け入れは、対外文化交流協会であった。団は、友好連帯と親善を確認し元気に帰国した。以下は、団長を務めた原田章弘氏の報告である。【編集部】

 今にも戦争が始まるような報道で、危機感があおられている時期の訪朝となった。 続きを読む


永続敗戦レジームと改憲問題

2016-shinroRogo

白井 聡(京都精華大学人文学部)

 広範な国民連合・大阪が、5月25日、白井聡さんの「永続敗戦レジームと改憲問題」と題する講演会を開催した。本稿は編集部が、その講演から憲法問題の部分だけを取り出したものである。安倍政権は、秋の臨時国会にも「改憲案」を上程すると、異常なまでの前のめりである。9条改憲を阻止しなくてはならない。白井さんは講演の中で、改憲に反対する運動を発展させる重要な問題提起をしている。改憲を阻止する壮大な戦線を形成するうえで重要な意義をもつであろう。(見出しも含めて文責編集部)

 改憲問題が本格化しているが、これは安倍さんが執念を燃やしてきた課題です。ともかく、安倍さんに改憲などさせては絶対にならないと強く思っています。皆さんも同じだと思います。
 他方で、いまの憲法と現実に矛盾はやはりある。憲法を素直に読めば、一切の軍事力を持てないはずなのに、自衛隊はすごい武器を持っていますから、事実上の軍事力です。ですから「なぜ自衛隊を持てるのか」についての政府の公式見解はやはりまどろっこしいものになる。自衛隊の法的ステータスが脆弱と言わざるを得ない。しかも自衛隊の活動範囲はどんどん広がってきてしまった。南スーダンはようやく撤収ですが。法と現実との乖離が大きくなっているわけです。これを何とかしなくてはならないことは間違いない。 続きを読む


世界的な大動乱 自立した外交・安保政策を打ち立てよ

2016-shinroRogo

『トランプ登場で激変する世界』著者

英 正道 氏・元イタリア大使 に聞く

 まずは、広範な国民連合の機関誌が私の本に関心を持って下さったことに感謝します。

 私はこの本で、トランプ大統領が登場したことで、アメリカという国がこれまでとは非常に大きく変わっていくと考え、その結果、世界は大きな転換点を迎えることになると強調しました。イギリスの欧州連合(EU)離脱も欧州に大変革を迫っています。つまり、世界は米国という求心力を失い、大国各国がそれぞれ、自国本位の主張をする乱れた状況になっていくということです。そうした世界で「日米同盟の日本」で今後もやっていけるのか、自立が問われているのではないか。いろんなレベルでこうしたことについて議論してもらいたいと思っています。そんな意味での「たたき台」のつもりでこの本を書いたのです。 続きを読む


官庁の民主化と食糧危機脱却、平和と民主主義を

組織綱領に発足した全農林労働組合

全農林労働組合 副中央執行委員長 柴山 好憲

 全農林労働組合(以下「全農林」)は、終戦後間もない1945年12月、中央省庁で最も早く組織された公務労働組合で、以降、封建的であった官庁の民主化や組合員の雇用・労働条件の改善には、国民・社会からの理解と支持が必要として反戦・平和などの大衆運動にも取り組み、72年を迎えようとしています。特に、公務関係労働者の雇用や賃金・労働諸条件の維持・改善に向けては、その先頭となって行動し、人事院勧告制度の機能化や休暇制度・勤務環境の整備を図ってきました。また、48年の国家公務員法改正により剝奪された公務員労働者の労働基本権奪還を組織の最重要課題に据え、今なおILO対策等に取り組んでいます。 続きを読む