「私たちはこの島を捨てられない」
与那国島の明るい未来を願うイソバの会 狩野 史江
島に自衛隊基地ができて7年。人口流出は止まらず田畑は荒れ、後継者不足で深刻です。その一方で人口に対する自衛隊員比率は現在17%、この先どんどん増え続けることは確実です。
島の自治が国によって翻弄され、自分たちの島であって自分たちの島でなくなっていくことが悲しいです。台湾有事では与那国島がいちばん危ないと言われ、日本各地からも外国からもたくさんのマスコミが訪れ、島の人を不安に陥れています。町は国へのシェルター要請や避難基金条例を制定し、戦争への準備をあわただしく進めています。自衛隊の隊舎がどんどんつくられ、島が騒々しくなっています。昨年(2022年)11月、日米共同訓練で小さな与那国空港に巨大な戦車が現れ、私たちはどうしても止めたい一心で抗議をしましたが、とうとうここまで来てしまったかと悔し涙がこぼれました。
22年末に「安保3文書」が発表されてからは、与那国にミサイル基地増設、与那国空港滑走路の延長、そしてカタブル浜という貴重なビーチをつぶし、国の天然記念物アカヒゲ(鳥)がいるタルマイ湿原という重要湿地に選定されたところまでつなげて軍港にするという計画まで起きてきたんです。
この計画には当初誘致をした人たちでさえも、「これは約束とは違う」と声を上げています。ただ与那国の場合、ほんとに人口が少ないなかでの抗議行動はなかなか難しく、大きな動きになってないことがすごく残念です。
全国にも基地はありますけれども、有事の際の避難ということで与那国島は1日で全住民を九州に避難させるということが言われています。そんな無謀なことが許されてなりません。
私が今日着ているTシャツは私たちの会で作ったものです。背中に「ばんた どぅなんちま かてぃらりぬん」と書いています。その意味は「私たちの島を捨てられない」。守っていこうという強い意志で作りました。(拍手)ここにきて島がどんどん軍拡で荒らされ続けられている今、この思いがもっと強くなっております。皆さん、いっしょに頑張りましょう。