那覇市で広範な国民連合交流会を開催

沖縄に吹き始めた平和への「新しい風」を全国へ

 「再び戦場にするな!沖縄を平和のハブに!広範な国民連合交流会」が6月22日、那覇市の沖縄県青年会館大ホールで開催された。広範な国民連合が呼びかけ全国各地から集まった「再び戦場するな!沖縄をアジア平和のハブに」学習交流団と沖縄の仲間たち約70人が参加した。


 交流会は午後7時より山本正治事務局長が開会を宣言し、角田義一代表世話人が開会のあいさつを行い、広範な国民連合として闘いの方向を提起し決意を述べた。
 その後司会を、持続可能な沖縄の社会を目指す「ゼロエミッションラボ沖縄」で活躍する神谷美由希さんに引き継ぎ進められた。照屋義実沖縄県副知事に歓迎のあいさつをいただいた。今年3月に中国大使館を訪問し新任の呉江浩・駐日中国大使にあいさつしたことや、韓国の済州特別自治道の呉怜勲知事が提唱している「グローバル平和都市連帯」に賛同し知事の代理として訪問したことなどを語り、沖縄県は今年4月1日に地域外交室を立ち上げ、琉球時代からの万国津梁の精神を受け継ぎ、知事を先頭に積極的に平和の架け橋をつくっていくという決意を表明した。
 次いで上里賢一・琉球大学名誉教授が、「日中不再戦の決意で、日中友好の運動を進めている」「沖縄と中国の歴史を知れば、これから何をなすべきかはっきりしている」と述べた。明の時代から中国との朝貢関係という形での貿易で栄えたこと、この利益を薩摩が狙って支配しようとした琉球侵攻、さらに明治の琉球処分で日本に併合されるまで500年余の歴史的な経過が簡潔に話された後に「沖縄と台湾、中国との歴史的なつながりの深さ、これを生かしてやっていけば沖縄は東アジアの平和創造の拠点になり得る」と、現在の玉城県政での地域外交室等ですでに実践が始まっていることへの期待を表明した。
 「沖縄を平和発信の場に!2・26緊急集会」と5・21平和集会で司会を務めた平良ゆりなさん(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターYouFO)と瑞慶覧長風・南城市議が若者を代表して発言した(本誌16、17ページに二人からの寄稿)。
 伊波洋一参議院議員は若者にエールを送った後、「台湾有事はアメリカがつくり出した仮想現実である」「日米安保しか頭にない日本はなぜ憲法9条を大事にしないのか、日本は沖縄を戦場にする戦略を描いているが、今度戦争になるときは日本全土が戦場になる、戦争にならない状況を東アジアでつくり出していきたい」と結んだ。
 次いで懇親会に移り、石川元平・広範な国民連合顧問(元沖縄県教職員組合委員長、普天間爆音訴訟原告団副団長)が乾杯の音頭をとった。「この国は戦後総括をしていない。沖縄でどれだけの死者が出たかも発表させない。サンフランシスコ講和条約と日米安保条約発効の1952年4月28日は屈辱の日です。以来、日本は主権国家になっていない。主権を回復しなければならず、国民連合の果たすべき役割は大きい」と、「カリー(乾杯)」発声。
 懇親会では各テーブルごとに交流・懇談しながら各地からの活動報告など行い交流を深めた。
 最後に山内末子・広範な国民連合全国世話人(沖縄県議)が「今日は若い人たちへバトンを渡すのが私たちの役目だと改めて決意を新たにした。明日は平和の礎に行かれ各県の礎にお参りし、刻まれた人の名前を胸に刻みながら非戦の誓いをして、明後日のシンポジウムを成功させるために頑張りましょう」と交流会を締めくくった。