農業崩壊の危機打開に国民的努力を

酪農家の85%は赤字経営、58%が離農検討

農業崩壊の危機打開に国民的努力を

 中央酪農会議の調査によると、酪農家の85%は赤字経営に陥り、58%は離農を検討している。赤字経営の約4割は、毎月の赤字額が100万円以上と深刻な状況。酪農家は苦境に立たされている。不安や怒りは募る。こうしたなか、日本最大の農業生産地、食料基地である北海道。その主力産業ともいうべき酪農畜産崩壊への危機感と打開への要求は切実だ。


 酪畜など農家が、消費者も立ち上がりつつある。酪農崩壊、農業崩壊の危機打開に国民的努力を発展させよう。
 JAグループ北海道は札幌で3月18日、全道各地から2000人(ウェブ参加を含む)を超える関係者で緊急集会を開いた。小野寺俊幸北海道農協中央会会長は「酪農畜産危機打開へ北海道から狼煙を上げ、全国的なうねりにしたい」と呼びかけた。

鈴木教授「食料こそ安全保障の要」と強調

 北海道農民連盟は3月30日、札幌で緊急全道農民集会を開いた。事前の学習会では鈴木宣弘・東京大大学院教授が講演し激励した。教授は熱を込めて、「国民の命を守ることが国防だとするならば、食料こそ安全保障の要。お金を出せばいつでも食料や生産資材が輸入できるのが、ますます当たり前でなくなってきているなか、国民の命を守るには、国内の食料生産をしっかり確保する必要があるとの危機認識が当然。酪農では、飼料を海外に依存している限り、同じような事態はまた起きる。自分の命をつなぐためにも、国内の農業を大切にすることを認識しなくてはいけない」といった趣旨の話をされた。
 組合員42万人の生協、生活クラブ連合会は都内で4月12日、「酪農応援! 牛乳フォーラム」を400人で開催した。「生活クラブは、酪農危機突破に協力すると共に食糧危機を食い止めるために進んでいく。そのためにできるだけのことをやる」といった考え方の共有を呼びかけた。